後藤瑞義の短歌(158)
「賀茂短歌」第30巻第1号(昭和61年2月発行)
烏瓜(1)
高き枝に導きゆきし蔓枯れて朱くたれたり烏瓜らは
あの山の向うがわれのふる里と車窓に見つつ通り過ぎゆく
車窓よりふり返り見るふる里の黒き山々紫の空
吊革を握らむとして子は伸びを試みるなり二度も三度も
天井の蛍光灯に照らされて手持ち無沙汰のごとき吊り革
(つづく)
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