後藤瑞義の短歌(163)
「賀茂短歌」第30巻第3号(昭和61年6月発行)
老木(2)
チューリップ咲きたる夕べ長男の一歳半の一世終りぬ
一歳が唯一覚えしチチという小鳥呼ぶ声耳に残れり
殻硬く身を鎧いおり蟹や貝亀蝸牛か弱きものら
鶺鴒の尾を打ち振るは時のゆき刻むがごとし惜しむがごとし
掛け替えのなき一瞬と思うとき自ずと息は深くなりたり
(つづく)
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