後藤瑞義の短歌(164)
「賀茂短歌」第30巻第4号(昭和61年8月発行)
松(1)
大き松しんしんとして立てるあり日当たる枝(え)ありあたらざるもあり
何時もなら下車する駅を病院に子を見舞うゆえ通り過ぎたり
トンネルの内壁面(うちへきめん)のところどころ水沁み出でて輝いている
悲しみのひとつひとつを耐えゆきてさみしもわれは強くなりゆく
ガラス戸につく雨粒のひとつひとつおのおの外の景色映せり
(つづく)
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