後藤瑞義の短歌(165)
「賀茂短歌」第30巻第4号(昭和61年8月発行)
松(2)
あたふたとナース出入りする部屋の中には何があるか知られず
治療終え妻に抱(いだ)かれ来(きた)る子の頬に一粒涙残れり
入院の子を見舞いたる帰り道雑草白き花をつけおり
舗装路の裂け目に生(お)うる雑草の花に紋白蝶の止まれり
休日の昼を籠れば蟇(ひき)一つ日に啼きておりさみしき声に
(つづく)
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