後藤瑞義の短歌(167)
「賀茂短歌」第30巻第5号(昭和61年10月発行)
健一郎(2)
子の危篤思い駆ければ明あかとわが家(や)は点る夜更けの村に
なきがらの前に座りて名を呼びぬ大きく呼びぬわれは父なれば
健康になれと名付けし健一郎一歳半に命終りぬ
火葬場の煙ひと筋空に消ゆさびしきまでに晴れ渡りたり
肉体は煙となりて消えゆけり健一郎の顔に似る雲
(つづく)
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