明石海人歌集
白描(165)
岩波文庫より
(注)明石海人(本名野田勝太郎)は、大正7年沼津町立沼津商業学校(現:県立
沼津商業高等学校)卒業で、私の先輩であることを知りました。
白描以後
雪の夜の船路の沖の暗からし長き汽笛は我を聴かしむ
もの音のけはひは絶えて 屋内
にわが脈鳴のひとり昂る
盲ひては幾年ならむ明暮を己が顔さへ思ひ忘れぬ
わが癩の極まるらしも酸き甘き舌の味さへ日にうすれつつ
事もなく来る日往く日を衰へぬ夜なか夜明を汗に 染
みつつ
(つづく)
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