明石海人歌集
白描(166)
岩波文庫より
(注)明石海人(本名野田勝太郎)は、大正7年沼津町立沼津商業学校(現:県立
沼津商業高等学校)卒業で、私の先輩であることを知りました。
白描以後(4)
夢ぬちの妻に囁きうつつなくものを言ふこそわりなかりけれ
面会に来よと我言ふ身の果に老づく妻か声は聞くべし
発熱と衰弱のため年久しく入浴することもなくて過ぐれば
日の暮に語るを聞けばうつし世の浴するてふ 慣
もありき
髯を剃りシヤボンをつかひ背を流すなべて他界の記憶のごとし
縁先に浴の後の爪を截りしかの頃ぞ我が 壮
なりける
(つづく)
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