明石海人歌集
白描(167)
岩波文庫より
(注)明石海人(本名野田勝太郎)は、大正7年沼津町立沼津商業学校(現:県立
沼津商業高等学校)卒業で、私の先輩であることを知りました。
白描以後(5)
花咲き花散る
屋をめぐる春の夕なれ女童等近づき遠のきはてもなく笑ふ
潮騒の今宵久しさみんなみにひらく浦曲に童となりにし
さへずりの声のまにまに朝ぼらけ眠たくもなし食ひたくもなし
喉穿りて冬を疎めば島里に花咲くといふ花散るといふ
見えぬ眼を窓より放ちこの年の葉桜風かと聴きとめにけり
癩は君に幸せりと人の云ふに
病む歌のいくつはありとも世の常の父親にこそ終るべかりしか
(つづく)
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