明石海人歌集
白描(170)
岩波文庫より
(注)明石海人(本名野田勝太郎)は、大正7年沼津町立沼津商業学校(現:県立
沼津商業高等学校)卒業で、私の先輩であることを知りました。
翳(二)(1)
妻(1)
このごろの便り遠のく妻のこと梨の芽立に想ひてゐたり
こゝろにはいくたりの人朽しつつたもつ 不犯
はおのれ 悪
めり
人ごみに遠ざかりゆく襟あしの繊きがなかに眼には沁みつつ
隕石
の群ながるる 白日
のしづけさに雷針の金高くまどろむ
かはたれはクロバ畑に 紋白蝶 が降らす微粉に咽せて醒めたり
(つづく)
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