明石海人歌集
白描(171)
岩波文庫より
(注)明石海人(本名野田勝太郎)は、大正7年沼津町立沼津商業学校(現:県立
沼津商業高等学校)卒業で、私の先輩であることを知りました。
翳(二)(2)
毒蝶は薊の蜜を吸ひつくしかげらふ昏き森に消えたり
玻璃ごしに 盗汗
の肌を嗅ぎ寄るはおのれ光れる 冥府
の盲魚か
無花果のまばら枝すでに萌えそめて空のうるみに 反
の明るさ
やや強き風に耐へゐる 海岸
の染井吉野の昼のかがやき
(つづく)
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