明石海人歌集
白描(173)
岩波文庫より
(注)明石海人(本名野田勝太郎)は、大正7年沼津町立沼津商業学校(現:県立
沼津商業高等学校)卒業で、私の先輩であることを知りました。
翳(二)(4)
協奏曲など
はすかひに
簷
の花 合歓
うつしつつ化粧鏡は 昏
れのこりたり
昏れのこる化粧鏡の合歓の花そよぎに遠きちまたのどよみ
鍵盤にはしる指は青みつつ芭蕉わか葉に
夕明
りひさしき
施盤にけづられてゆく砲身はイルクツクあたりの
湖
を匂はす
メンデルスゾーン作、ホ短調ヴァイオリン協奏曲を聴く
白日
の空しなひつつ飛ぶ投槍の秀にはひそむか聴神経節
貧婪
を絃の 妖婦
は肉ぶとにはてしない夜の似顔絵を描く
(つづく)
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