鑑賞:後藤早苗の歌(7)
(
歌誌「賀茂短歌」平成二十六年七月~二十七年七月)
(平成二十七年七月講演「短歌入門」より:後藤瑞義)
(二十七年一月)
下田にはなかなか良い洋品店がない、あるいは値段的な問題もある
かもしれません。そこで伊東まで買いに行くのでしょう。広告を見てと書
いてありますから、広告に気に入ったものがあったのでしょう。「何度も
見てはこれと決め」と書いてありますから、ただ無目的で店に行って良い
ものがあったら買って来ようということではないのです。なにしろ前の日
に広告を何度も見てこれと決めて買いに行くという作者のオーバーに言
えば決死の覚悟みたいなものを感じます。女性は、いや女性に限らない
かもしれませんが、買い物ひとつにもこれほどの情熱をこめられるのか
と感心します。
後藤瑞義入選歌(令和2年)(1) 2026.05.29
渡辺順三歌集「日本の地図」1952年(… 2026.05.29
与謝晶子の歌(370)花のある風景――(… 2026.05.29