3月24日(火)
一遍上人語録(87)
岩波文庫:昭和60年5月16日発行
巻下(6)
門人伝説(6)
五(2)
わが分の心よりおこす真実心に非ず。 凡情 をもて測量す
る法は真実なし。
所以
いかんとなれば、能縁の心は
虚妄
なるゆゑに不真実なり。たゞ所縁の名号ばかりを真実と
す。故に名号を「
不可思議功徳
」ともとき、又は「真実」
とも
説
なり。
理趣経
の
首題
を、大楽(大日)
金剛
(
阿閦
)
不空(
宝生
)真実(弥陀)
三昧耶
(不空成就)経といふ。
本 より真実といふは弥陀の名なり。されば至誠心を真実
心といふは、他力の真実に帰する心なり。
(注)
凡情
:凡夫のはからい。
能縁の心
:法の主観である凡夫の心。
不可思議功徳
:称讃浄土教に「無量寿仏の不可思議功徳の名号」とある。
真実
:無量寿経巻上に、「世に出興して、光(ひろ)く道教を闡(ひら)
き、群萌を拯(すくわ)むと欲して、恵むに真実の利をもつてす」とある。
理趣経の首題
:空海撰述の理趣経開題。
(つづく)
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