3月25日(水)
「内村鑑三書簡集」 (岩波文庫より)
(注)文語を口語に、わたしの意訳箇所もあります。
明治37年より
天国とは何ぞ
天国というのは架空の場所ではなく、人が人を愛する場所、
そこが天国です。人が人を愛しないところは、その他の点
でいかに優れた場所であっても、そこは天国ではありませ
ん。すばらしい音楽があっても、すばらしい説教があって
も、熱心な信仰があっても、慈善事業があっても、そこは
天国ではありません。しかし、天国を作るのはほんとうに
簡単なことです。自分を捨て人を愛すること、これだけで
天国は即座に出来るのです。特別な教会を組織する必要は
ありません。特別な神学論も必要ありません。だれでも、
キリストに倣って人を愛すれば、それで天国は出来るので
す。こんなに簡単なことなのに、人々は議論したり、信者
を増やすことばかり考え、走り回っています。なんと愚か
なことでしょうか。わたしは、ただ静かに祈ります。「御
国を来たらせ給え、人を愛せる人間にさせてください、そ
うして、今ただちに、この罪深い世の中に、天国を出現さ
せてください」と。
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