3月25日(水)
古泉千樫歌集(42)
中公文庫:日本の詩歌6より
昭和五十一年四月十日初版
歌集「屋上の土」(35)
大正四年(5)
郊外
秋の稲田はじめて吾が 児
に見せにつつ吾れの 眼
に涙たまるも
代々木の草はら中の小さき池水青くして秋ふかみけり
秋晴るるこの原なかの小さき池子らはひそかに 来
り泳げり
波の音
両国橋を渡りしが停車場の食堂に来て 珈琲
を飲む
汽車に乗り行かむと思ふ海のべのかなしき宿に 今宵
はいねむ
宵 寒き 稲毛 の駅にひとり下り今はほとほと寂しきものを
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