3月26日(木)
萬葉集入門(3)
著者:土屋文明
発行:筑摩書房 昭和56年4月
(注):作品を中心にして、簡略化してあります(後藤)
吾はもや
安見子
得たり
皆人
の得がてにすとふ安見子得たり
(二巻:95) 藤原鎌足
鎌足が、采女の安見子というものを、妻とし得た時の、歓喜
の心を歌ったもの。采女は宮中奉仕の美人で、たやすくは妻
ともし難い。寵臣だったため、手に入れたもので、かくも喜
び叫んだ。
古き人の吉しと吉く見て吉しと言ひし吉野よく見よ吉き人よ君
(一巻:27) 天武天皇
なども同じ心持であろう。同音を思い切り畳み重ねた句調の下
には、満足しきった心があると見てよい。吉野行幸に際しての
即興である。
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