3月28日(土)
古泉千樫歌集(45)
中公文庫:日本の詩歌6より
昭和五十一年四月十日初版
歌集「屋上の土」(38)
大正五年(3)
雨降る
雪の上にぬばたまの夜の雨そそぐ代々木が原をもとほる吾れは
ぬばたまの 夜 の雨ふり土の上の雪しみじみと溶けつつあるなり
ひとり立つわが 傘 にふる雨の音野にみちひびく 夜 の雨のおと
雨くらき夜の原なかを人は 来 れしはぶきのこゑつづけてきこゆ
ぬば玉の雨夜の野路の行きあひに傘にひびかふ雨の 音 はも
早春 の雨の夜ふけて橋わたり水のながるる音ききにけり
(つづく)
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