3月30日(月)
一遍上人語録(93)
岩波文庫:昭和60年5月16日発行
巻下(17)
門人伝説(12)
十一
又云、 上 六品の諸善は 他力所成 の善体をとき、 下 二
品は煩悩賊害のすがたを 説 なり。その実は、 行福 の者を
ば 上三品 ととき、戒福の者をば 中三品 ととき、世福の者
をば 下三品 と 説 べし。そのゆゑは、「一明三福以為正因、
二明九品以善正行《一には三福を明かして、もつて正因と
し、二には九品を明かしてもつて 正行 とす》」と釈して、
九品ともに正行の善あるべきなり。 回向心 の諸善は、名号
所具の諸善と、衆生自力の時の諸善と、 一味 になる時をい
ふなり。
(注)
上六品 :上品の三品(上上品・上中品・上下品)と中品の
三品(中上品・下中品・下中品)。
他力所成の善体 :他力の念仏によって往生の正因となる善根。
下三品: 下品の三品(下上品・下中品・下下品)
行福 :行善ともいい、菩提心をおこして仏道を行ずること。
戒福 :戒律を守ること。
世福 :世間の道徳を修めること。
回向心 :自己のなすところの功徳や善根を廻転して、菩薩等
に趣向したり、衆生に施与しようとする心。
一味になる :絶対他力になりきる。
(つづく)内村鑑三「一日一生」より 天才と聖霊 2026.05.30
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