8月27日(木)
古典鑑賞講座「万葉集」(97)
監修:宋 左近
禁じられた恋ゆえに(15)
中臣宅守と狭野茅上娘子の歌の交換(6)
再び娘子の歌
帰 りける 人 来 れりと 言 ひしかば ほとほと 死 にき 君 かと 思 ひて
(巻十五・三七七二)茅上娘子
― 許されて帰ってきた人が到着したという噂を聞いて、嬉しさのあま
りあやうく死ぬところでした。もしやあなたかと思って。―
君 が 共 行 かましものを 同 じこと 後 れて 居 れど よきこともなし
(巻十五・三七七三)茅上娘子
―こんなことなら、あなたと一緒に行くのだったのに。つらいのは同
じこと、後に残っていても何のよいことはありません。―
我 が 背子 が 帰 り 来 まさむ 時 のため 命残 さむ 忘 れたまふな
(巻十五・三七七四)茅上娘子
― あなたが帰っていらっしゃる。その時のために、焦がれ死にそうな
(つづく)
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