1月27日(木)
閑吟集(1)
佐佐木信綱校訂
新潮社: 昭和五十七年九月十日
夫 れ 謳歌 の道たる、 乾坤 定まり剛柔成りしより 以降 、聖君の至徳、
賢 王 の要道なり。これを異域に 温 ぬるに、 其 の来たること久し。 先
王 の五声を和するや、 以 て其の心を平らかにし、其の政を成すな
り。五声・ 六 律 ・ 七 音 ・ 八風 、以て 相 成 すなり。 清濁 ・ 小大 、 短長 ・
疾 徐 、以て 相 済 すなり。君子はこれを聴き、以て其の心を平らかに
す。心平らかなれば徳和す。 故 に詩に 曰 く、徳音 瑕 けず、と。
(つづく)
謳歌の道:うたの道。 乾坤:天と地。
剛柔成りしより:万物が生成してから。 これを異域に:その例を中国に。
来ること久し:源流は甚だ古い。 五声を和する:音声の調和を図った。
其の心を平らかに:世の人の心を和やかにし。
其の政を成すなり:それを治世の基とするためであった。
心平らかなれば徳和す:心が和やかなら自然と徳も備わる。
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