1月29日(月)
閑吟集(3)
新潮社: 昭和五十七年九月十日
詩は 志 の 之 く所なり。詩変じて 謡 となり謳歌せらる。 尤 も三代
以前は物として 宋廟侶 隣 の詠ならざるはなし。「 井 を 鑿 ちて飲み、
田を耕して 食 ふ」とは 堯 の時の歌なり。 易 水 の 秦 に 於 ける、 大風
の 漢 に於ける、一句の歌あるは、 素 錬 白馬 、 寿 ぎて是を成すを
得しなり。 接與 は 鳳兮 を歌ひ、 寗戚 は 牛 角 を 扣 つ。 楚 王 の 萍実 、
陳 主 の 後 庭 花 、 僉 民間に言はざるはなし。 易 に 曰 く、 缶 を 鼓 して
歌ふと。 豈 至徳要道に 非 ざらんや。異方 斯 くの如し。
(つづく)
詩は志の之く所なり:志(感情)が発露して詩となり、それに曲節
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