2月23日(水)
長塚 節歌集(52)
中公文庫:日本の詩歌(3)より
昭和五十年九月十日初版
明治四十五年(12)
病中雑詠其二(9)
此の日、ひねもすに雨ふる、なにごとにも母のおもひ出でられて
我さへにこのふる雨のわびしきにいかにかいます母は一人して
いささかのゆがめる障子引き立ててなに見ておはす母が目に見ゆ
張り換へむ障子もはらず来にければくらくぞあらむ母は目よわきに
ここにしてすすびし障子 懐 へれば母よと我は 喚 ぶべくなりぬ
耬斗菜 を母と二人が見てし日は障子はいまだ白かりしかど
(つづく)
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