2月26日(土)
長塚 節歌集(52)
中公文庫:日本の詩歌6より
昭和五十一年四月十日初版
明治四十五年(14)
病中雑詠 其二(11)
三月七日、暫しが程と郷にかへる、三日ばかりして帰りこんと出で行きて既
に四月にもなりたれば、あたりはさながら忘れ去りたるやうなるを一月二日
とある程に
ゆくりなく 拗切 りてみつる 蚕豆 の青臭くして 懐 しきかも
蚕豆はまだ短くして、たとへば土に落ちたる生石灰の石のやうなるがおのづ
から水分をふくみてほとびつつあるが如し、我も此れより遠く西国の旅に赴かむとすれば
そら豆の柱のごとき茎たたばいづべに我は人おもひ居らむ
(つづく)
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