2月25日(水)
能村登四郎 俳句の楽しみ(抜粋:後藤)(180)
発行所:日本放送出版協会(俳句入門)
第三章 名句を味わう(90)
心にしみる句(2)
草の戸も 住 替 る代ぞひなの家 芭蕉
奥の細道の旅が決まって家を引っ越した芭蕉です。そして、以前住んでいた庵を訪ねて行ってのぞくと、若い夫婦が住んでいて、その子供と思われる雛壇が飾られてあったのです。
花あれば西行の日とおもふべし 角川源義
この句は、一句の中で西行の願いをすべて包み込んだような句です。「花あれば」は、「願はくは花の下にて春死なむそのきさらぎの望月のころ」の歌の心を踏まえたものです。西行の命日だけでなくとも、花の咲いている時は、すべて西行の日と思いたい、というおおらかな気持で詠んだものでしょう。
注意するのは、「西行の日」といって「西行忌」といっていないことです。「二月十五日」と限定すると「西行忌」ですが、「花あれば…」という句の心から推してみると、やはり「西行の日」でなくてはなりません。 (つづく)
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