ぜんちゃんの風に吹かれた日々
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昨晩アルフィーの坂崎さんのFM番組で井上陽水のライヴサードアルバム「もどり道」を特集していた。陽水の初期アルバムの傑作といえば、ほとんどの人が「氷の世界」を挙げるけれど坂崎さんがあえてこの作品を取り上げたのが興味深い。空前の大ヒット・アルバム「氷の世界」が発売される六ヶ月まえに出た収録の半分がアコースティックギターの弾き語りで構成されたアルバムだ。たしかにボクらは「氷の世界」を宝物のように聴いていたけれど、今にして考えると「もどり道」そして前作の「センチメンタル」あたりが一番思い入れがあったように思う。とにかく「もどり道」は暗い、そして重い。そして陽水さんのMCに息が詰まる。一曲目、「夏まつり」。よく歌ったし、ギターのカッティングを真似した想い出がある。当時、ボクはどういう聞き方をしていたのだろう…。当然CSN&Yもしくはニール・ヤングに傾倒していたけれど、本当はこういう陽水さんの独特な感性の弾き語りに憧れていたのかもしれない。坂崎さんも話していたけれどサポート安田裕美さんの生ギターのリードがカッコよくて素晴らしい。そして今気づいたけれど陽水さん、けっこうギター上手い。9年ほど前に音楽之友社で出した名盤アルバムガイドを引っ張り出して「もどり道」の評を読んでみた。(略)…声の透明な質感はいまでもそのままだが、やはり24歳という若さか、水分含有量は高い…(略)。と書いてあった。「水分含有量」実にいい表現だ。瑞々しさ…という表現とちょっとニュアンスが違うように感じる。ほとばしる感情と湧き上がる感情…そして震えるほど豊かな感性…そういう感じかな。ボクは以前この日記で今のアイドルたちがみんな同じように思えると書いた。没個性あるいは失個性と書いた。それに対してダンキチくんが「それを言ったら負けだ」と指摘した。たしかに興味の対象がずれてきているし歳を重ねるにしたがって感性が鈍感になってきているのは否めない。まだボクは枯渇していないぞと自分に言い聞かせてみた。乾燥肌だし老人みたいな皮膚しているけれど「こころの中に透明な泉がこんこんと湧き上がっているんだぜ」いや「湧き上がっているだろう…ちょろちょろと」と思った。ほんとに久しぶりに「夏まつり」を弾いてみた。こういう歌の世界じゃなくて、こういう歌の表現が大事なんだな。なんか二番目の歌詞照れるな。 自転車の後ろには ウ…妹が 浴衣着て すましてる ウ…かわいいよ もらったおこずかい なくすなよ ああ今日は おまつり早く行こうよ 「夏まつり」よりこの「ウ…」の部分がキーワードだったりする。なんかいろんな事を考えてしまった。そしてなにか大事なものを想いだした様な気がする。「もどり道」のアルバムのアンコール曲「夢の中へ」がちょっと心に響いた。 休むことも許されず 笑うことも止められて はいつくばって はいつくばって 一体何を探しているのか 探すのをやめたとき 見つかることもよくある話で 踊りましょう夢の中へ 行ってみたいと思いませんか (略) 井上陽水 作詞作曲 「夢の中へ」より
2005年02月08日
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