ぜんちゃんの風に吹かれた日々

ぜんちゃんの風に吹かれた日々

2006年09月29日
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テーマ: 癒しの風景(25)
カテゴリ: 癒しの風景
カレー屋を営むMとはずいぶん長い付き合いになった。
たしか彼は小学校3年のとき突然ボクの家にボクが飼育していたムササビを見せて欲しいとドカドカやってきたのがきっかけだったように思う。
それ以来、べったりでもなくそれでいて離れる事もなく、いつだって一定の距離を保ちながら細々と付き合ってきた。
ボクと彼はまったく違う場所でまったく違う歩み方をしていたけれど何故かお互いに辛い時があると急接近した。
 万有引力とは
 ひき合う孤独の力である
 宇宙はひずんでいる
 それ故みんなはもとめ合う  

谷川俊太郎さんの有名な詩「二十億光年の孤独」の一文だ。
孤独というものは本当に人がひき合い求め合うものなんだと思う。

紆余曲折の半生、ヤンキーにもなった彼も今ではカレー屋で釣りキチのいいオヤジだ。
今回の一連の騒動、まさに波乱の六ヶ月をMは誰よりも心配してくれた。
「仕事が決まり落ち着くまで夕飯ただで食わせてやるから」
そういう彼にボクは素直に甘えることにした。
だからといって頻繁にヤツの店に行く訳にもいかないとマジに考えていたけれど、思ったようにうまく行かない日々に寂しすぎてつい不安定になった。
だから最近はほとんど一日おきにお世話になっている。

「とにかくゆっくりしていけよ」
時折り店は混むのでボクはカウンターの端っこで小さくなっておとなしく新聞を読む。
「今日どうする?」
「忙しそうだし食わせて貰うんだから何でもいいよ」
「あ、分かった…スペシャルカレー作るからよ」

しばらくしてMはボクのカウンターにカレーを運んできた。
「これ食って精をつけてくれ」
生卵入りチーズポークカレー…。
「生卵はいいから」そういうボクに「いいからいいから精をつけろ」とヤツは最近このスペシャルをよく作ってくれるのだ。
まだ出口も突破口も見えず、正直、まだこころの傷が癒えてないけれど何となく不甲斐ない自分にヒリヒリと切なくなることがある。
そして仲間たちのやさしさに惨めなくらいにヒリヒリと恥ずかしくなる。

でも少しばかり方向性は見えてきているのだ。
自分で会社を興そうと思うのだ。

そんなとき昔からの仲間のしばちゃんがメールをくれた。
「資金援助はできないけど、その他何でも応援するよ…夕方ウチに寄ればご飯ぐらい食べ させたるよ…」
泣けた。彼女もまた辛いところを通ってきた人だからヒリヒリと泣けた。
自分が泣いた涙の量だけ人にやさしさを与えられるのだと思う。

裏切られ、捨てられ、否定され、つくづく人間なんてみんな身勝手で信じられない生き物なのだと思った。
でもそれでもボクは人間を信じている。
いろんな意味で切り落とされたボクは確かにいま寂しいけれど決して一人ぼっちじゃないからだ。
明らかにこんな自分に期待している人たちがいるからだ。

ボクははっきりと境界線を引こうと思うのだ。
愛のないあちら側の人たちに最後のことばを言わせてくれよ。
「あなたたちは何者?誰ですか?こっちをなめんじゃねえぞ!!」

















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最終更新日  2006年09月29日 05時18分39秒
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