
Tree of Cranes
Allen Say
もしも、クリスマスの概念のない時代の日本で、自分だけがクリスマスを知っていて、祝うとしたら、あなたならどうするだろうか
モミの木?
ないない
オーナメント?
なんだ、それ?
このお話の中で、お母さんは盆栽をツリーに見立て、折り紙の鶴と蝋燭とで飾りつける
斬新!
でも、違和感が…
違和感はあるけれども、合点がいく、というか
よく思いついたね、と拍手を送りたくなる
とにかく日本感満載の本
日本人が描くより日本ぽい
奴凧は、そのものズバリ!
日本の子どもは雪の中でも半ズボン!
お母さんというものは、着物の上に割烹着
風呂といえば檜
古き良き時代の理想の"ザ・日本"を体現させられていると言いますか
残しておきたい、私が子どもの頃の理想的な原風景の1ページ、を見ている感じ
理想的過ぎて、現実味があるような、ないような
ここまでの物言いを聞いて、なんだか私がこの本に否定的な感覚を持ってあるように思われてしまうかもしれない
断固として言うが、そんなことは決してない
むしろ、とても気に入っている
ストーリーはシンプル
池で遊んですっかり体が冷えてしまった少年
風邪を引いたかも
池で遊んではいけないとあれほど言われていたのに
家に帰るとお母さんから、風呂に入って、軽く食事をし、布団に入るように言われてしまう
今日のお母さんは、いつもと少し違う
本は読んでくれないし、折り紙を折ったり、雪の中、庭で作業をしている
後ほど、それは松の木を植木鉢に移し替えていたのであって、さらに折った鶴はその木に飾るためだったことがわかる
それは、クリスマスという習慣のない日本で、お母さんができる最大限のクリスマスのお祝いだったのである
このお話を書いた Allen Say さんの人生がまた興味深い
ご両親の出自は複雑
セイが8歳の時に両親は離婚
父親にひきとられたが、12歳の時に青山学院に通うために母方の祖母と東京に住むことになる
しかし、すぐに祖母と同意の上で別れて暮らすことになり、一人暮らしを始めたセイは、漫画家、野呂新平の弟子となった
ロイス・ローリーとの逸話がこれまたおもしろい
セイがコルデコット賞を受賞した際、同じく児童文学者のロイス・ローリーがニューベリー賞を受賞した
お互いに自作に署名をした本を交換することになったのだが、その時、ローリーはなぜか日本語で署名をした
セイはローリーになぜ、日本語で署名できるかを訊ねた
以下、セイとローリーの会話である
「 11 、 12 、 13 歳の時に日本に住んでいたのよ。」
「それって何年?」
「 1948 年、 49 年、 50 年。私は 1937 年生まれなの。」
「僕も。同い年なんだね。どこに住んでたの?」
「東京。」
「僕も。東京のどこ?」
「渋谷。」
「僕も!どこの学校へ行ってたの?」
「目黒。毎日バスで通ってたの。」
「僕は渋谷にある学校に行ってたんだ。」
「渋谷に学校があったの覚えてるわ。自転車に乗ってよく通り過ぎてたから。」
「(沈黙) … あの緑色の自転車に乗ってたの、君?」
偶然とは必然であるとしか思えない
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