ジョナサンズ・ウェイク

ジョナサンズ・ウェイク

美藝公(筒井康隆)



感動した。感動的という言葉は、この作品のためにあるのではと思いたくなるくらいに感動的なあまりに感動的な。

その理由は、作品後半で明かされる。さすが筒井康隆。


経済を中心として豊かになった日本。しかし「本当の豊かさ」は失われてしまっているのではないか。陰惨な社会なのか。

「美藝公」の世界では、映画を中心に国が動いている。そこには「本当の豊かさ」があった。素晴らしき世界。


不幸な社会の側からこれを読んで、しかし素直に感動する心が残っていたことに、いささかの安心を覚えた。


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