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《再開! 香納諒一執筆日記。 玄関入ると、記憶が飛ぶようになってきた香納おいちゃんなのだ。》
6月18日 土
さすがに仕事が間に合わないので、今日の少年野球の練習はパス。去年はもう一歩深くチームと関わっていたので、仕事がこういう状態であっても出て行かなければならなかったが、今年はマイペースでのつきあいに留めている。チームの運営関係の仕事からも撤退させて貰い、協力を頼まれても、できないことについては決してうなずかないように心掛ける。これぐらいのつきあいにして仕事を優先しないと、どうにもならない状態になってしまった。
夜は少年野球の父親5人で飲み会。祐天寺の「まるちゃん」にて。焼き鳥のほか、手作りの料理が嬉しい店。楽しく飲んでいたが、途中からは意見の異なる父親同士が剣呑な雰囲気になってしまって残念。酒はただただ馬鹿馬鹿しく楽しく飲みたいものだ。
6月19日 日
宿酔い。10時半頃から、砧で少年野球の応援。相手は目黒区屈指の強豪チームで、先月は23対0で大敗を喫したが、今日は投手が頑張ったほか、内野ゴロや外野フライもミスなく処理できて、12対1。まだまだその差はデカいが、なんとなく野球らしくなってきた。
暑い日で、子供たちも親もばてる。帰宅し、昼食採り、仮眠。午後練はコーチの出席が少ないので、私も出ることにする。全体練習に加われないBチームの子たちに、徹底的に基礎練習。
学校の裏手の路地に凶暴なカラスが生息し出し、通行人があるごとに攻撃する。グラウンドで練習していると、その様がよく見えるので、途中、練習を何度も中断し、恐怖したり感心したり、他人事を面白がったりして眺める。
さすがに暑さに体がばて、帰宅後、家族でのんびり。今日は仕事にならないので、10時頃にはみんなで眠ってしまう。
6月20日 月
午前8時に起床。こんな時間に起きるのは、年に数えるほどしかないので、ちょっと体が戸惑っているようだ。ストレッチし、ちゃんと朝食をとり、コーヒーを飲みながら仕事を始める。作品、大分形になって来た。トメまでの流れが見えているので、それをひたすらに埋めて行く。夕方5時までやって、9枚ぐらい。あわてすぎないことにして今日は執筆はここで了。
今週末は、森村誠一さんの会で、何年かぶりで教鞭をとることになる。作家になりたいという方たちに、どうやって作品を書いて仕上げるのかを、大真面目に語るつもり。生徒さんたちの作品をいくつか読んでおかねばならないので、それを読み出す。
6月21日 火
今日も9枚。だいぶクライマックスが見えて来た。作品を描いていて、この段階が一番わくわくするが、一番怖い時でもある。ひたすらにテンポを大事にして書き進める。
夕食後は読書と、小説教室のための作品読み。2作はなかなか書けているが、あとの2作はまだアイデアに近いままで作品にしてしまっている。どんな講義をするかを考えつつ読み進める。
私は人にものを教えるということを拒んで生きている。自分の技術なりを他人に教えたくはないといったけち臭い考え方ではなく、生きるということは、一から自分自身で答えを見つけていったほうが楽しいと思っているからだ。私自身が、ずっとそうして生きて来た。誰かに答えを教わることを、頑なに拒んできたともいえると思う。
少なくとも、物を書いて飯を食っていく覚悟をする人間ならば、他人に教わったことなどクソくらえで、答えはすべて自分の手で見つけるようでなければ、到底生き残ってはいけないはずだ。
だが、そうした正論だけを求めていては、こういった教室は成り立たない。引き受けたからには、何をどう伝えるべきか、ひたすらに考え続ける。
6月22日 水
今日も9枚。なんとか了。いい感じで仕上がったと思う。トメのシーンは、構想していたのとは場所 ( シーン ) の設定が変わったが、テイストを生かすこと、流れを自然にすること、の2点を考えれば、これがベストの選択と思う。
まだ図書館が開いている時間だったので、本を借りに走る。ひと仕事終わったら、とにかく本を読みたくなる。30代の頃は、とにかく飲みたい、となって、朝だろうと昼だろうと構わず飲みに走ったものだが、今はずいぶん穏やかになった香納おいちゃんだ。
深夜までずっと読書。ショートショートを面白く読んでいる。ナサニエル・ホーソンの短編をまだ読んだことがなかったので、それも読む。
6月23日 木
朝からずっと読書。6時から、久々に光文社と打ち合わせを兼ねて飲み会。「酒杯ぎんのとら」へ。相変わらず美味い日本酒に加えて、マスターの大ちゃんが趣味で集めていた面白いモルトやバーボンまで出すようになったので、酔ってしまって大変だ。
珍しく、帰宅してそのまま就寝。
最近、家の玄関を開けてからの記憶があいまいに飛ぶようになってきた。これが噂に聞く「記憶をなくす」というやつか。ついに自分にも、この時が来たか……。