日々のあぶく?

日々のあぶく?

November 24, 2005
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若竹七海が書店でアルバイトをしていたときに体験した"毎週土曜日に五十円玉二十枚を千円札に両替していく男"の謎を問題編とし、
作家と公募にて選ばれた人々の解答編を載せた本。

各作家の短編となりながらも根っこ(解決すべき問題)は一緒、
たまに飽きはきたが、それぞれの肉付けが面白かったので読み応えのある一冊となっている。
日常の謎を解く、というところからその道の名手・北村薫を意識した人が作家にも一般の解答者にも多かったようだ。
しかし、そんな中に北村薫の解答がないのはちょっと残念。
ないからこそ、北村薫なら(きっと円紫師匠が解くだろう)どうするか…と言う余韻が残っていいのかもしれないが。
また、各作家の解答編に登場するのは各々の小説で活躍するキャラクターらしい。
あまり読んだことのない人ばかりなので確かではないが。

解答者
法月綸太郎:覆面作家・時村薫(北村薫のこと)の謎にかけた解答。
依井貴裕::マジック店と多根井理と戸川編集長。
有栖川有栖:老紳士と妻の思い出とエレベーター。江神、望月、織田、有栖川、マリアが挑む。
笠原卓:風原、白井、織賀、鞠小路の4人が推理。香具師と昭和33年発行の50円玉。
阿部陽一:秋葉兄弟の持ち込んだ謎を川本が解く。殺人事件と脅迫。
黒崎緑:トイレから消えた女と奇妙な掃除婦の謎。
いしいひさいち:漫画でさらっと。

以下公募
若竹賞  佐々木淳:猫丸先輩が挑む!問題編に隠された偽りと硬貨の謎。
法月賞  高尾源三郎:講演とコピーと両替。
依井賞  谷英樹:告白文に込められた企みと真実。(作家や編集長が登場)
優秀賞  矢多真沙香:軽食レストランのマスターと共同経営者が語る兄弟の話。願掛けの五十円玉。
優秀賞  榊京助:若竹七海の元に現れた男と保険金殺人事件と密室の謎。
最優秀賞 高橋謙一:検事が窃盗事件を調べる内に麻薬がらみの事件につながっていることに気付く。

なんと言ってもこれを借りたのは一般公募で若竹賞を取った佐々木氏が後の倉知淳だから。
公募とはいえ、初めて紙面に乗った猫丸先輩とはどんなものか?と。
初めから猫丸先輩は猫丸先輩だったことが判明。
一般公募で出てきたキャラクターでデビューしてそのまま作家になったというのも面白い気がするが、
ミステリに関わってきた人の中では珍しくはないのだろうか?
ミステリを取り巻く人々も面白い。
いろいろな作品で仲間が頭を寄せ合って、時には実力行使で謎を解こうとしていたが、現実にも起こっていそうだなとこの本を読んで強く感じた。





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Last updated  November 24, 2005 12:37:37 PM


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