日々のあぶく?

日々のあぶく?

February 2, 2013
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―a story of stories-

以前、「Story Seller」に収録された”光の箱”が、連作短編集となり、一冊に。

地元の同窓会に向かう圭介が思い出す昔のこと・・・
両親の離婚をきっかけにいじめられた圭介は、物語を作ることで寂しさを紛らわせていた頃、
ただ一人、話しかけてくれた弥生が描く絵と一緒に絵本を作ったこと・・・

切ない状況、つながる優し想い、物語。



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最悪を想定させるも、そうならないオチに救われる。

・光の箱
いじめられ続けた中学時代はこっそりとだった弥生との交流。
主犯格と別の高校になって醜い攻撃から解放された圭介は、
同じ高校に通う弥生が絵の他にカメラに興味を示しているのを残念に思ったり、
同級生の富沢から弥生を気にするマサキの存在を知り、不安に思ったりする。
圭介にも気軽に話しかけてきた弥生の親友・守谷夏実が突然の引っ越しをする。
弥生のカメラのフィルムには、夏実のありえない写真が撮られていて・・・
弥生が夏実を襲った(脅した)のかと思った圭介は彼女と距離を置くが、
同窓会までの時間に別の可能性に気付く。
・・・圭介視点の話の主題は赤鼻のトナカイ。この歌を題材に「リンゴの布ぶくろ」という物語を圭介が、絵を弥生が描き、はじめて絵本を作った。


実は夏実を襲ったのは弥生の父で、弥生自身も父にされていたことを明かしたくなかったため、
弁解しなかった。弥生に助けられた夏実は、真実を知り、転校したのだった。
誤解したままでも、弥生を嫌いにもなれなかった圭介は、卯月圭介の名で童話作家に。

弥生視点の話で同窓会に向かう彼女が結婚しており、夫は正木・・・というリードの中、
真相が明かされていく。
同窓会は2年にわたって行われ、前年に真相を聞きに来た圭介と再会し、その後、結婚していた。
(圭介視点の現在は前年、弥生視点の現在は今年)
実は2年目の同窓会は、過去にこだわり結婚式をあげなかったのではと思った夏実が企画した
二人の結婚お祝いパーティーだった。
夏実は山岡昌樹と結婚。
弥生視点での主題となる(圭介がつくった)物語は「光の箱」、
ママがサンタにキスをしたの歌をベースにした物語。
英語と日本語訳では歌詞がちょっと違い、
英語版で子供はママにキスをしたのが誰か気づいていない
(日本語版ではサンタ=パパと気付いている)。

光の箱では、サンタがみんなにプレゼントするのは幸せとか、愛とか驚きとか、喜びとか、思い出・・・自分がこの世に一人ぼっちではないことを信じさせてくれる何か。としている。
ちょっといい話かも。

分かりやすく?正木と昌樹をミスリードさせようとする仕組み。

正木圭介、葉月弥生、守谷夏実。

・暗がりの子供
自宅介護になる手術を控えた祖母、母のおなかには妹か弟が・・・。
両親の祖母に対する自分の前でするのとは別の顔を見た(話をこっそり聞いてしまった)莉子は、
図書館から借りた絵本・文 卯月圭介、絵 正木弥生の「空とぶ宝物」で、
ばらばらになったものがあつまる穴に落ちた真子と空想で話すように。
絵本はなくしてしまって結末が分からない。
そんな中、真子は莉子に母のおなかの子をダメにする方法を教えるのだった・・・

物語の結末・・・穴の中の王女は片羽をなくしていた。
たまに皆が協力して鏡を持って地上にいき、鏡に写して両羽にみせ、王女は飛ぶ気分を味わうのだった。

どんな嫌なことがあってももう平気だと自信がついた(物語の中の)真子は家に帰る。
何をどう考えるかは自分で決めればいい、取り戻した絵本の結末を読んだ莉子は怖ろしい考えを捨てる。

そして・・・中学2年生になった莉子は、4歳になる妹・真子と一緒におひなさまを飾る約束をする。
あれから5年、祖母他界。あのころの義母介護に対する複雑な母の胸中を察する莉子だった。

・物語の夕暮れ
妻に先立たれた与沢は、妻と続けていた子供たちへのおはなし会を辞めることに。
妻が亡くなってすぐにやめようと思っていたのだが、自分の作ったおはなしをしているうちに
少し続けようと思ったのだった。
偶然、自分が長年暮らしていた家に童話作家が住んでいると知った与沢は、
その作家に祭囃子の音を(電話で)聴かせてほしいと頼み、なぜだか快諾される。

祭囃子を聴きながら死のうとした与沢だったが・・・。

与沢の作った物語は、かつて妻・時子に話したもの。
かぶと虫から光の箱を盗んだ蛍の話、月を取りに行ったかぶと虫の話、
力尽き、やもりの医者に手当てされながら何も残せなかったことを嘆くかぶと虫の話、
飲み込んだ箱で苦しむ蛍を手術することになったのは、
かつて落ちてきた水で再び生きることにしたやもり。
その水はかぶと虫が月を取りに行くために落としたもの・・・
名にも残せないと嘆くかぶと虫は、やもりを救っていた。
蛍から光の箱を半分切り出したやもりはかぶと虫の元へ。
かぶと虫はその光は自分には強すぎるようになったと、細かく砕いて周囲に撒く。
誰も気づかない程度の光でも、世界は少し明るくなった・・・

小学校の先生をしていた与沢夫婦には子がなく、
生徒らにも何を残せたわけではないという思いがかぶと虫の姿にのせられていた。
亡き妻を想いながら飼っていたインコを離し、彼女との思い出のなかで語らいながら彼女の元へ行こうとする与沢。
だが、そのインコに導かれたのはおはなし会にきていた真子。
祭囃子の音を聞かせることを快諾した童話作家・正木圭介は、実は与沢のかつての教え子で、
与沢が現実から逃げ込む意味ではなく、物語の中でいろんなものを見て、
優しさとか強さとか、いろんなものを知るために物語を作ってみたらいいと言った言葉が
きっかけで物語を作るようになったのだった。

その後・・・病院の休憩スペースで語らう老人、彼よりもずっと若い男女、女の子の姿を見る郵便配達員の姿が・・・

創作物語と話をうまくリンクさせて展開。
ご都合主義だろうと、”ノエル”だけに奇跡があってもよい。





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Last updated  February 2, 2013 02:41:14 PM


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