片桐早希 おむすびころりん

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FLOWER GARDEN 2 小山千鶴さん
2009.03.01
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 目が覚めた時、ベッドの傍にあるデジタル時計は、8時きっかりをしめしていた。

 窓からは明るい朝の光が差し込み、小鳥の鳴き声も聞こえた。

 なかなか、気分の良い朝だ。

 僕は着替えると、階下に降り、コーヒーをいれる準備を始めた。

 両親は二日前から旅行に出ており、僕しかいない家は何の物音もしなかった。


 3月は、こうして始まった。


 家を出ると、青く澄んだ空が広がり、春の訪れを知らせていた。

 近くの学校で卒業式でもあるのか、着飾った親子が談笑しながら歩いて行く。


 研究室に着いた時、午前10時を過ぎていた。

 僕はいつものようにすぐ掃除にとりかかる。

 研究室はごみがたまり、机の上にはほこりが見える。

 僕は、ジャズのCDをかけ、ごみを集め、机の上をふいた。


 10分後、研究室の隅にある小さな仮眠室のドアが開き、ファア~~~、よーく寝たわ~

と大きな声がした。

 その声の主は、掃除に励む僕を見ると、

「朝もはよからごくろーさん、尚人君、君は研究室の鏡じゃ。」

と言い、そして盛大なあくびをした。

「尚人、私、コーヒーが飲みたい。お願い、ほら、いつか煎れてくれたあの、ブレンドソフト

とかいう美味しいのがいいな、ね、お願いっ。」


 ぼさぼさの髪、よれよれの服、昨夜、宮本准教授の送別会で飲んだまま、研究室の仮眠室

で寝たに違いなかった。


 人にものを頼む時は、もうちょっと身なりをちゃんとするのじゃ。

 僕はそう怒鳴りたい気持ちをぐっと抑える。


「尚人~~~、あいつ、やっと行ってくれたわ~~~、ああ、なんて嬉しい朝でしょう。」

 うっとりとした顔でそう言うと、

「春休みになったのよね~~~。」

と僕を見てにっこり笑った。

 その笑顔は、まあ、しょうがない、コーヒーいれてやろうか、と僕に思わせるなかなか

素敵な笑顔だった。





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Last updated  2009.03.02 20:55:56
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