片桐早希 おむすびころりん

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2009.04.29
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 理生は僕が飲んでいるソルティー・ドッグを注文すると、話し始めた。


「もう、ほんとに昔のことなんだけれどね・・・・。大学に入って初めての夏休みが始まった

暑い日だった。冷たいものが飲みたくなって大学の中にある自動販売機がある所にいったら、

そこに日に焼けた背の高い男の人が立っていたの。じっと自動販売機を見つめていて、途方に

くれたような顔が子どもみたいで、ちょっと笑いそうになった。」


 理生はそこまで話すと、ほんとにくすっと笑った。それから目の前に置かれたソルティー・

ドッグを一口飲むと、美味しい、と呟いた。


「その男の人はお金を持っていないんだな、でも、今とっても喉が渇いていて、どうし

ても何か飲みたいんだなって、私は思って、その男の人に、よかったら使ってください、って

お金を差し出したの。」


「その人は驚いた顔をしたけれど、ありがとう、と言ってお金を受け取ると、すぐに缶コーヒ

ーを取り出して飲み始めた。ごくごくって、喉の音が私に聞こえるほど一気に飲むと、あ~

美味しい、ありがとうって言って、にっこり笑った。」


 理生はそれからまた黙った。

 理生の心は、すっかりその夏の日に戻っているようだった。


 僕はビル・エバンスをリクエストして、理生が話し始めるのを待った。






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Last updated  2009.04.29 10:35:42
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