そして今日も日は過ぎる

2005/08/28
XML
テーマ: 司法全般(518)
カテゴリ: 司法関係覚書
 明日は模擬裁判一日目。
 冒頭手続きから証人採用、次回期日以降の指定が行われることになっています。
 私は裁判官役ですので、昨日は明日の模擬裁判に向けて訴訟指揮を勉強していたのですが、気になるところが出てきました。
 以前裁判官役会議を開いたときに、不同意甲号証に関しては、証人尋問以降に行うのが通常と皆に言われたので、訴訟指揮台本もそのようにしておいたのですが、『刑事第一審手続きの概説』および『刑事尋問技術』を読んでいると、通常証人の調書を検察官が不同意とした後に検察官が調書の証拠請求を撤回し、その後に証人尋問を請求するのが通常と書いてあったのです。
 ううむ、台本では、甲号証の同意部分の証拠調べが終了した段階で、不同意部分について検察官にどうするかは尋ねずに、ほかに請求する証拠がないかを確認するという形で証人請求に関して水を向けるつもりだったのですが、本当にこれでいいのか。
 頭を悩ませているときに、そういえば裁判官役のTさんが、実務庁の裁判官にこの場合の処理についてお話を聞いてきたと言ってらしたなあと思いだし、電話でそのときにどんな風に教えてくださったのかを尋ねてみることにしました。
 結論的には、不同意部分について第一回公判期日でどう処理するか検察官に水を向けるのも、証人尋問後に処理するのもどちらも手続き的には正解で、ただ模擬裁判的には証人尋問後にどうするかを尋ねた方が、検察官役が混乱しなくて良いだろうというのと、Tさんのお世話になった裁判体の裁判官は通常証人尋問後に処理しているというのがあって、Tさんは証人尋問後に処理した方が良いと言っていたということでした。いやあ、おかげさまで疑問が氷解しました。Tさん、ありがとうございます!
 問題は、検察官役がどう考えているか、ですね。検察官役は不同意部分についてどの段階で処理をしようと考えているかによって、明日は不同意部分に関する処理意見を聞く段階を変える必要があると思いました。
 さて、今日中に時間をみつけて検察官役の方に話を聞いてみることにしましょうか。

 ちなみに、甲号証とは、刑事裁判においては被告人の調書や前科調書など被告人の身上・供述に関する証拠(これらを乙号証といいます)をのぞいた証拠のことを言います。
 これに対して、民事裁判での甲号証は原告提出の証拠、乙号証は被告提出の証拠を指します。
 刑事と民事では同じ言葉でも別のニュアンスで使われることがあるのですが、以上もその一つですね^^





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2005/08/28 10:56:12 AM
コメント(0) | コメントを書く
[司法関係覚書] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

Keyword Search

▼キーワード検索

Comments

剣竜 @ パク・チャヌク監督作品 ocobaさんへ その2つの映画,評価高いよ…
ocoba@ Re:殺人の追憶(03/04) 韓国映画では、パク・チャヌク監督の「オ…
剣竜 @ Re[3]:投票義務制の問題点(11/10) サムスさんへ いえいえあまりお役に立てず…
サムス@ Re[2]:投票義務制の問題点(11/10) 剣竜さんへ ありがとうございます!
剣竜 @ Re:投票義務制の問題点(11/10) ありがとうございます。 随分昔に書いたの…

© Rakuten Group, Inc.
X
Create a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: