2004/10/20
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カテゴリ: 自作俳句
 とりあえず今日思いついたので仮。修行という言葉もしっくり来ないのでそのうち直すつもり。
 ただ見たままを詠んでいても浅い。かといって季語を入れてもぎこちない。今は季語を「使わない」ではなく「使えない」のだ。それならとりあえずは季語を使いこなせるようになってやろう、という意図の元、一つの季語について5~10句程度無理やりにでも捻り出して言葉に馴染んでいこうという企画。全部10句と頑張れればいいのだが、出て来にくいものもあるので。類句・稚拙・虚構は恐れず、がむしゃらに走る予定。

10/20
「秋風(秋の風 金風 爽籟)」10句
 秋の風は西南から西へまわって、日々冷気を加えてゆく。身に沁みて、そこはかとなく哀れをそそる、と古人はいった。白く光った感覚におどろいてうたった詩歌も少なくない。(新版俳句歳時記 秋の部 角川書店編)

秋風にくるまれており絡まれており
秋風の笛の音帯びて人語めく
腹垂れて涼しさ暑し秋の風
雨の中秋風の中恋の中
病中の喉を秋風避けて吹く
指を折る音秋風に吹き消され
秋風に混ぜし口笛星焼けり
火事の跡秋風撫でる書の始め
風吹くや秋立つ気配臑毛知る
台風を秋風と言ふ年もあり

 明らかに救いようのない駄句が混じっているも気にしない。初日は飛ばした。

「猿酒」5句
 猿が樹木の空洞や岩のくぼみなどに木の実をたくわえておいたものに雨や露がたまって、しぜんに発酵して酒となったものが猿酒で、霊薬との口碑があるが、事実はともかく、深山らしいふぜいがあっておもしろい。(同上)

猿酒を通めき頼み来て喚く
木のうろに猿酒求め眼を落す
雨に酔う猿の孕める酒賭ける
山に迷い猿酒浴びて二百年
老木が猿酒飲みて葉を燃やし

 一句目、酒屋で冗談で頼んだら本当に持ってきて「んなあほな」という様。三句目が好き。

「虫売」6句
 縁日の夜店のはずれや橋際のうすぐらいところに、市松模様の障子の荷を下ろして、籠にはいったいろいろの虫の声の中に腰をおろしている虫売りの姿を見る。(同上)

虫売を知らず育てり風邪の友
虫売は金魚捕へて羽根生やす
虫売の子の虫と成るを見過ごして
人殺し逃げ足買へず虫売に
百均で売られる前に虫滅べ
石も絵も詩も眼もあらず虫を売る

 今見ると猿酒どころじゃなく随分幻想小説的な季語で、虫売の存在まで疑う。その雰囲気に引きずられている感がある。

「秋祭(里祭 村祭 浦祭 在祭)」8句
 田舎の祭りは秋が多く、季節がよいので情趣が深い。春祭りは農事の始まるころに豊作を祈って行なうのだが、秋の祭りは収穫期に報恩の意味で行なうのである。したがって春は二月、秋は農事の終わるのを待って十一月ごろ行なう土地が多く、暦の上では秋祭りと言えないことがある。十一月では寒くなりすぎるので、二百十日・二百二十日の無事を祝する気持ちをふくませて、収穫前の九月に繰り上げて行なう土地もある。要するに秋祭りに共通のものは報賽の念である。(同上)

祀るものなき都会にも秋祭
ひねくれて便所前集ふ秋祭
秋祭り踊る子の中殴る一人
秋祭り終わるそばから雪を待つ
秋来るも祭りの来るも意は同じ
夏からの金魚滅ぶや秋祭り
大男秋の祭りの中伸びる
笑ひつつ子ら殴り合うも秋祭

「秋祭」「秋祭り」との使い分けにやや気を使う。「殴る」とか「滅ぶ」とか「金魚」とか、一日の間に重なりが多い。6句、夏祭りでとった弱い金魚が死んでしまったらちょうど秋祭りが来たという意。

 不定期に地味に続ける予定。





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Last updated  2004/10/21 02:15:59 AM
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Re:俳句修行日記1(仮)(10/20)  
jiq  さん
みごとにすらすら出てくる語彙とウイットに感服。
今後ともいろいろお教え願います! (2004/10/21 08:20:55 PM)

Re[1]:俳句修行日記1(仮)(10/20)  
コチ3247  さん
イエェイ。
と舞い上がらず、ただ精進します。 (2004/10/22 02:45:25 AM)

タイトゥル考えるの面倒!  
ぽて さん
なんか寂しいのが多いんだけど、秋なのに元気!みたいな句ってあんまりないの?
やたら殴ってるのはなんか理由あるの?俳句って結構殴りあうもんなの?
質問ばっかりでごめんにゃご! (2004/10/25 02:36:11 AM)

Re:タイトゥル考えるの面倒!(10/20)  
コチ3247  さん
金子兜太「俳句専念」から

母が私に、「兜太、俳句なんかするんじゃないよ。あれは喧嘩だからね」と真面目な顔でいったのを覚えています。私も、まったくそのとおり、と素直に肯定して、俳句はやらないぞ、とこころに決めていました。

父のもとで開催する句会の後の酒宴で、おまえはなんで俺の句を貶した、おまえの句はつまらんと大抵殴り合いの喧嘩があったそうで、それを思い出しての母の戒めの言となります。現代の句会も似たようなもので、主催者になるには柔道3段以上またそれに準ずる程度の武道の素養が条件になっています。
元気になる句ってほとんどないんですよね。真剣に探したら疲れるので適当に止めましたが。

谷に鯉揉み合う夜の歓喜かな
青年鹿を愛せり嵐の斜面にて

みたいなのだと女子高生のぽてさんなら深読みして興奮するところがあるかもしれません。 (2004/10/25 09:26:10 PM)

Re[1]:タイトゥル考えるの面倒!(10/20)  
コチ3247  さん
上掲二句は金子兜太の句です。 (2004/10/25 09:35:46 PM)

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