目の変化びと

悟りについて（その27）

質問者「悟ったらどんないいことがありますか？」

「とくにいいことがあるわけではないとも言えますし、すばらしい、とも言えます。

　私が説明しようと試みている「悟り」は、さきほどお話ししましたように、悩みや苦しみがすっかり消える悟りではありませんから、悟ったところで、それなりの悩みや苦しみは続きます。

　同じ日常生活といえば同じなのですが、しかしながら、いったん悟ってしまうと、悟る前の状態は、薄暗いというか、ぼんやりしているというか、なんだか嫌な感じで、二度と戻りたくはありません。

　悟った直後の数か月の驚くべき輝きが去ったあとも、かけがえのない状態になっているのですが、その、かけがえのない状態を表現するのが難しくて、たとえば、薄暗くなく、ぼんやりしていない、なんだか良い感じ、というような、わかりにくい表現になってしまいます…」

質問者「うーむ…よくはわかりませんが、とにもかくにも、良いわけですね？」

「そうです」

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​ 悟りについて（その1〜その最新） ​