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お久しぶりの楽天ブログ!色々有りすぎて、何を書けばいいものやら。時間掛かるけど、復活させます。背中を押してくれたのは、まだまだひよっこの息子の存在。「詠人不知」よみびとしらずで、はし役の彼が力をくれた気がします。素晴らしい役者さんから刺激を受けて、親の想像を越えるくらいになってほしいなどとは思わないけど、とにかく身体を壊さずに。
2013/11/29
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此処を訪れて下さっている方には、大変に申し訳ありませんが、暫くの間お話の更新をストップさせて頂きます。理由は書いたデータを移す&編集作業に時間を割きたいのです。どのお話も愛着がありますし、簡単に消去なんて出来ません。なので一時休止のままでお願い致します。
2009/09/16
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「いらっしゃいませ!あ!美香さんお久しぶりですっ!!」 「皇牙君、ご無沙汰しちゃってゴメンね!元気そうだね!雅夢が辞めてから全然来てなかったもん、薄情で本当にゴメン!」美香さんはちょっぴり舌を出してウインクを投げかける。彼女にこの仕草をされると、ホスト達皆、何も言えなくなってしまう。だって、一晩で100万以上の金をキャッシュで払う客なんてそういない。不況の煽りを受けて、毎月の売り上げも下がっていると、鳳オーナーは言っていたし。この業界にしては珍しく、比較的従業員同士の仲は良いみたいで、雅夢さんの抜けた後も若いナンバー2、3が協力しながら新規客を開拓し、そこそこ経営的には安定している状態。オーナーも元女優という肩書きをフルに使って、昔の芸能事務所の熟年女優仲間を、客として連れて来る。オーナー自ら頑張っているんだ、俺達も客が他店に流れないように、電話、メールを使い、お客を繋ぎ止めるのに必死になっていた。どうしたら他店には無い独自性が打ち出せるか、お客に喜んで貰えるか、従業員達皆で考えたパフォーマンスも、VIP客には比較的好評を得ているようだ。美香さんが来店した事で、従業員一同がにわかに活気付くのが判った!皆、自分が接客したいらしく、背後からは、そわそわと落ち着かない雰囲気が伝わってくる!「金井様、指名はございますか?」受付したのが俺っていうだけで、指名が他なんてよくあることだ。だから当然、彼女からの指名も期待などしていなかった。「やーね、もちろん皇牙君よ!」ニコニコと微笑みながら答える美香さん!「えっ?あっ!!ありがとうございますっ!で、では金井様、お席にご案内致します。どうぞこちらへ」予想外の展開にどもり、ちょっとカッコ悪い俺!落胆する先輩達にぺこぺこと頭を下げつつ、花道を先に立って歩き出すと「みんな久しぶり!元気だった?」後ろからは男の花道の中を、皆に声を掛けながら歩く足音が聞こえてくる。席に着き、彼女がソファーに腰を下ろしたのを見届け、俺は床に膝をつき「失礼致します」と声を掛け、彼女の両手をそっと取った。このVIP席の客だけにするパフォーマンスだ。美香さんを見つめると、戸惑った表情で彼女も見つめ返す。これ、初めてだし、少し?いや、大分緊張気味!何度も練習した初めての口上、どうかとちりませんように!一瞬の間に祈り静かに話し出す。「Blue moonへようこそ!金井様。今宵、世俗に疲れた貴女の心を癒す為、僕を始め、我々従業員一同は、精一杯のサービスを致します。これから先も、蒼き月が金井様の心に寄り添い、神秘なる光が永劫の安寧を齎しますように・・・」口上は人それぞれ。皆が真剣に考え、女性が喜びそうな言葉を紡ぐ。言い終えると、ソファーに座ったまま、少し複雑そうな表情の彼女。視線を交差させたまま、口元に微かな笑みを浮かべていた。「男性に跪いてもらって、ロマンティックな言葉をもらう願望はあっても、現実にされちゃうと慣れないなぁ~!私って現実的過ぎるのかな?ね、照れくさいから隣に座ってもらえる?でも皇牙君、とっても素敵だったよ!」頬を紅くして言い終え、大テレの美香さん。いつもは女王様のように振舞う彼女でも、こういったパフォーマンスは馴染めないらしい。俺はまず、とちらずに言えた事にほっとし、悟られないように溜息をついて立ち上がり、右隣に腰を下ろす。「失礼致します。美香さんのXOボトルまだ残っていますけど、最初それいきますか?」問いに頷く。サポートで、俺の傍に立っていたベテランの徹也さんが、すぐさま厨房に走って行った。いつもは俺が走る側なのにと、なんだか申し訳ない気持ちで見送る背中。どうにも落ち着かない。真里菜さんに続き、美香さんが指名してくれるなんて、想像すらしていなかったわけだし。戸惑い気味の俺に、微笑んで話しかけてくる美香さん。「しばらく会わないうちに皇牙君、ホストらしくなったよ!ね、さっきの、雅夢が辞めた後始めたの?」「そうなんです。この業界で生き残りたいので。お金を稼ぎたい目的の人と、この世界で登りつめたい人間と温度差はありますが、職場が無くなっては元も子もありませんし、だからお客様が喜んでくれそうな事は、何でもやってみようなんですよ!」「それに、相変わらずお綺麗ですね、今日のお召し物もとてもよくお似合いですよ!」平凡な、口先だけの褒め言葉になっていないだろうか?言葉に気持ちを汲み取ったのだろうか?くすりと軽く笑って答える彼女。「そう?ありがとう!ね、初めての時より褒め言葉も上達したね!髪色を変えて、益々素敵になったんじゃない?茶髪も皇牙君に良く似合っているよ!」「本当ですか!ありがとうございます!」答えたものの、それから先の美香さんとの共通の話題が無い俺。どうしよう、こうなったらもう彼も店を辞めているし、少し踏み込んで話してもいい・・よな?開店したばかりで客も少ない、他の従業員にも聞かれる心配はなさそうだし。少しの思案後、小声で聞いてみる。「そうだ、美香さん!俺と雅夢さん、時々メールするんですよ!今の仕事楽しいし、頑張っているってメール貰いました!」「そうだね、規則正しい生活だから、ホスト時代より楽なのかもね!」彼女は嬉しそうに微笑む。話の流れからして、今も二人は会っていると悟った。ならこの先は会話がスムーズに進むかも!ちょっとほっとする小心者の俺。「雅夢さん器用だから、此処にいた時も、簡単な大工仕事は彼がやっていたんですよ!更衣室の棚付けとか建具の直しとかみんな。奥にあるバーの棚の増築とかもやっていましたよ。なにせあだ名は、大工のマーサでしたからねぇ~!」VIP席と反対側のバーを指し示すと、美香さんはソファーから少し立ち上がり、楽しそうに言う!「やっだっ!!何それっ!!初耳だよっ!!ホストなのに、あだ名が大工のマーサなんておもしろーいっ!!」 。゚(゚ノ∀`゚)゚。ァヒャヒャ初めて聞く話だったんだ、美香さんは本当に嬉しそうに笑った。けど、その笑顔がすぐさま真顔に戻り問いかける。「ね、皇牙君、彼から、雅夢からどこまで聞いているの?」探るような瞳での問いかけ。怯えの混ざる真っ直ぐな視線は、彼女の不安を物語っているみたい。此処で美香さんが一度も見せた事のない表情に戸惑いを抱く。けどそんな感情さえ客に悟られちゃいけないよな。努めて冷静に答える。「え?僕も仕事以外では何も。雅夢さんって此処にいる時から、自身のプライベートを全く話さない人だったんですよ!仕事以外で個人的にメール交換をするのって、多分俺だけじゃないのかな?」「ん・・・そっか、そう・なんだぁ・・」「はい」答えると俯いて言葉を待つ。暫し無言の思案後、静かに話し出す声に耳を傾けた。「実はね・・・」彼女は俺の左耳に口元を近づけて、こっそりと小声で話しだした。「えっ!!本当ですかっ!!いっいつの間にっ!!」聞き終えて発する声に、美香さんは俺の口を慌てたように素早く押さえる!「あっ!!ごっごめんなさいっ!」だって、この二人が結婚したなんて!驚きより、衝撃に近いかも??心臓がバクバクいってるしっ!!ヾ(;´Д`●)ノぁゎゎ俺の中では、水商売で働く人間と普通の社会人が恋に落ちるって、どこか奇跡のように思え、想いを寄せてくれる真里菜さんの気持ちですら、深く信じられずにいたのに。二人は様々な事情を乗り越えた末に、結ばれたのだろうか。戸惑った表情が出ていたんだろう。美香さんは悟ったみたいで、ほんの一瞬だけど辛そうに表情を曇らせた。いけない!何やってんだよ!きっと彼らは、俺が感じる以上の気持ちを常に抱いていたに違いない!どうか正直な心が伝わりますようにと祈りながら、申し訳ない気持ちで間を置き、静かに話し出した。「美香さん、気分を害してしまったなら本当にすいません。僕はこの職業好きだし、辞めるつもりもないんです。言い訳になってしまうけれど、大好きだったおばあちゃんから『水商売の人間になるな』って言われたからかな、理由も解らずに常に引け目を感じていたんです」俯き加減の彼女は黙ったまま少し頷く。「けれど、この世界で働き始めて、こんなにやりがいのある仕事って無いんじゃないかなって、今、本心から思ってます。世間体的にはよくないのかもですが、働いている自身が誇りを持っているんです、此処は最高の職場なんですよ!」「社会で出せない本音、家庭で吐き出すことも許されない気持ちを、僕達は聞く側です。時にお酒の力を借りて、苦しい気持ちを吐き出して、楽になりたいって思うのが人ですもの。その上でホストと客との垣根を越え、純粋に恋に落ちる事だっていくらだってありますよ」彼女は言葉に顔を上げた。少し、身を乗り出すようにして俺の瞳の奥を覗く美香さん!言葉に偽りが無いか探る視線。逸らせないくらい真剣な眼差しに、更なる本音で答えなきゃと思う!「皇牙君、ほんと?本当にそう思う?」自信無さげな彼女の戸惑いを含めた問いは掠れていて、いつも自信に満ちていた美香さんとは別人のように感じられる。微笑んで言う。「もちろんですよ!今の僕なら言い切れます!」だって、俺も現在進行形で、想いを寄せたままの真里菜さんが心にいるのだから。視線を落とし、暫しの間を置き静かな声で話始めた。「・・そぅ・・か・・そう・だよね?・・ありがとう!ずっとね、もやもやした気持ちを抱えてたんだ。引っかかっていた部分が、今の皇牙君の言葉ですっきりしちゃった!よーし、もう、今日はいっぱい飲んじゃお~!皇牙君、今晩はとことんまで付き合ってね!」美香さんは瞳を潤ませたまま、けれどそれ以上の感情を出すことなく、努めて明るく笑い掛ける彼女。笑っているけれど心の底からの笑顔じゃないみたいだ。初めて会った日より痩せた体、それは素人の俺にだって、何かしらの異変が彼女の体内で起きていると判ってしまう。でも本人が言わない以上触れる部分じゃない。美香さんが今日一日を楽しく過ごす事を望むなら、プロとしてとことん付き合おう。今からの自分はホストに徹しなくちゃと覚悟を決めた。「もちろんです!美香さんが望むなら喜んでお付き合いしますよ!」「ほんとに?ありがと~!」秘密を吐き出しほっとしたのか、無邪気に答える美香さんは少女のような屈託の無い微笑。大人なのに可愛らしくて。その表情のままでいつづけて欲しいと願いながら、徹也さんが持ってきてくれたXOにそっと手を掛けた。
2009/09/03
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まるで、十代の頃みたいなトキメキが新鮮で初恋を想い出す。小沢もそうなのかな?ドキドキ心臓が波打つ度、突き刺さる痛みが懐かしいなんて、年齢を重ねたんだなぁ・・同姓からはカッコいい女って言われるけど、昔から異性から良い印象は持たれなかった。体も大きくおてんばだった少女時代。体力での強さも、ずっと男の子と同じでいられるって思ってたの。そうじゃないって解ったのは中学だ。初潮を迎え、それまでクラスで一番足が速かったのに、私より足の遅かった男の子達にタイムが抜かされていく。背の低い子が私より力が強く身長が高くなって、体では男には敵わないと知ったよ。それでも男に負けるのは癪で、力で敵わないのなら頭の良さと少しの毒舌、更に、男同様の社会的地位を手に入れる事で、男と対等でいたいと思ったんだよ。君はそれを知る唯一の理解者でいてくれたね。優しく髪を撫でる手の温もりが心地よくて、呼吸も波立った感情も少しずつ引いていく。きっと、いつも穏やかな彼の心がシンクロしているんだ・・・それほど長い時間じゃなかった筈なのに、時が止まっているかのような錯覚に陥る。ずっとこうしていたいけれど、脳裏に雅夢のふてくされた顔が浮かび小さく溜息をつく。ありがと・・ね。小沢・・背中に回した手をそっと降ろして呟いた。「・・もう大丈夫、落ち着いたから・・・」声に小さく頷き、もう一度髪をゆっくりと撫でた後体を解放する。優しい視線。フッと口元で微笑んだまま、ゆっくりとした動作で立ち上がった。「美香さん、仕事をしていた頃より、今の貴女のほうが魅力的に見えますね」「そっ、そう・・かな?」顔が紅くなるのがはっきりと判る!両手で頬を隠し、慌てて小沢との視線を逸らす。さらりと言わないでよ、戸惑っちゃうから。こっちの感情を見抜いたように、溜息を大きくついて話し出す。「やはり遠藤さんのせいでしょうね。悔しいけれど、彼の言うようにお二人の間に割り込むのは難しそうだ!」「雅夢がそんな事言ったの?」「言いましたよ!自信たっぷりにね!詳しくは貴女とのデートの日にお話しましょうか。次週の日曜日マンションに迎えに行きます。時間等は彼から聞いて下さいね。じゃ、今日はこれで失礼します。ゆっくり休んで下さい、美香さん」差し出された手に右手で応じると、顔を綻ばせて微笑みを浮かべた小沢。本当に嬉しそうに。プライベートの貴方は屈託のない笑顔を見せるんだね。ドアに向かう、彼の背中に心の中でそっと語りかけていた。美香の検査入院から退院後、毎日一緒に居るのに、デートの日が近づく度酷く憂鬱で、美香からは呆れられる始末。結婚しているのに美香をよく知らない俺と、結婚はしていないのに美香をよく知ってそうな小沢さん。それにさ、あの勝ち誇ったような態度、一体何なんだよっ!!珍しく親父さんが風邪を引いて、俺も仕事を休んでいる。彼女は、親父さんの容態を見に行く為に支度中。リビングにあるテーブルに腰掛け待っていた。実家まで送って行くって言ったのに「一人で行く」と言い張る美香。なんだかさ、退院後美香の様子が変なんだ。なんつーか余所余所しいっていうのかな、態度が微妙っつーか。聞いても 「なんでもない」っつーし!それが余計、小沢さんとのデートを不安にさせてるっつーのっ!!でも言い出せなくて悶々としてる訳で。逆に美香は、ちょっとだけ嬉しそうに見えるのが気に入らない!男だもん、自分の女が、他の男と一緒に歩いているのを見るのだって嫌じゃね?誤解だって嫉妬だってするだろうよ!それとも美香は、俺が他の女と歩いてても嫉妬もしないのか?ぐるぐると思考を廻らせていると、支度を終えた彼女がリビングのドアを開けて入ってきた。夏らしい、肩を出した薄い青の小花柄のワンピース。仕事着でも私服でもかっちりとした、どちらかというと暗めの色が多い彼女の服。「明るめの色も似合うよ!」って説得し 「こういうのは着た事ないのよね・・」と渋る美香に初めて買った服だ。シルエットが綺麗に出るタイトなワンピースで、ほっそりした彼女によく似合う。覗かせる細い足首だって、ヒールを履いていなくとも十分綺麗だ。顔を見て思う、やっぱ美人・・だよな。ちょっと溜息をついて見つめたままの俺に、何も知らない様子で微笑みかけてくる。「今日は雅夢が買ってくれた服にぴったりのお天気ね!お化粧崩れないといいなぁ・・」「だったら俺の車に乗っていけばいいのに!何で今日は電車で行くんだよ。それに何故一人で行くわけ?」自身でもはっきりと判る、尖った口調に苦笑顔で答える。「お父さんはね、具合の悪いところを見せたくないのよ。私もそうだもの。貴方の棟梁としての意地だと思って勘弁してあげて・・ね」宥めるような話し方がかえって気に障り「わかったよ!」と乱暴に答えた。何で俺、こんなに苛立っているんだろう。自分の感情がコントロール出来ないだけで、美香は何にも悪くない。今、二人の間に流れる空気はめっちゃ最悪で、振り払うかのように彼女から視線を外す。「お父さんのお見舞いに行くだけなのに、何をそんなに怒っているの?」問いに「別に!」ただ一言、投げやりに答える雅夢。怒っている原因なんてただ一つ。明日に迫った小沢とのデートなんでしょう?「ねぇ、自分の感情のまま言葉を発するの止めたほうがいいよ!雅夢は子ども過ぎるよ!」「あーそうーですかっ!!どーせ俺は子どもですよっ!!」ムカッときた!このっ!感情を抑えられない年下男めっ!!悪いけど口じゃ負けたことなんてないわ!「貴方の苛立ちの原因は小沢でしょ?そうね、貴方も知っているとおり、彼はとても大人よ!頭も切れるしルックスだって悪くないわ!彼に憧れる派遣社員も多かったもの!第一雅夢みたいに、些細な事で切れたりなんてしなかったわ!」 「悪かったな!ガキで御馬鹿でさ!顔は良くても中身が伴わないって言いたいのかよ!他の男とデートするってことに妬くのは当然だろ!?お前は俺の女なんだぞ!」ルックスだって悪くないだとっ??やっぱ小沢の言うとおり、美香は眼鏡好きなのか??!「美香さんの好みの男性は長身で細身のインテリ。眼鏡の似合う男性だってご存知でしたか?」彼の言った言葉が一瞬で頭を過ぎるっ!「彼に嫉妬する位だったら、何故小沢に気持ちを伝えていいなんて言ったのよっ!!私は気がついていたわ、とっくに。でも互いを守る為に気がつかない振りしてきたの。TOPに立っている人間が、色恋事で足をすくわれる事態なんて、死んでも避けたかったんだから!」「雅夢がそれを壊しちゃったんじゃない!事情を知りもしないで余計なことしないでよっ!!」強い口調で言葉を吐き出し、テーブルの上に置いてあったハンドバックを掴んで、足早に部屋を後にした。諍いなんて一番嫌いなのに、雅夢のバカっ!!心の中で呟いて・・・気圧された状態で一人部屋に残された。俺のした事は、美香にとって余計なお世話ってやつだったんだろうか?彼女の残した言葉を頭で何度も反芻させる!美香は小沢さんの気持ちに気がついていたなんて。それって好意を抱く男が傍にいながら、地位を守る為に感情を押し殺してきたのか??美香を想う気持ちだけで突っ走って、これまでの彼女の立場の重要性に気がついていなかった?俺が、感情の鍵を開いてしまったのだとしたら二人は・・マジでやばいかもっ!!すぐに彼女の後を追って部屋を出たけれど、とうに姿は無く、携帯に電話をしても留守番電話になるだけで、追跡は諦めるしかなかった。よろよろと部屋に戻り、冷蔵庫に入ってたストリチナヤ ウォッカを取り出し、ストレートのまま一気に煽る!度数40の酒が喉を通ると、ヒリヒリとした痛みが徐々に不安を麻痺させていく。酒に逃げるなんて褒められたもんじゃねーけど、今の俺には深く考えるほうが辛いんだ!「あー・・駄目だなぁ・・俺ってちっせーな・・・」呟いて寝室にウォッカを持ったまま歩き出した。雅夢のバカバカっ!!感情が乱れたまま早足で歩く。なんであんなに子どもなんだろう?たかだかデートなのよ?もう大人なんだから、少しくらい私を信用してくれたっていいじゃないの!携帯の着信も無視して、エレベーターに乗り込み壁に体を預けながら思う。素直な部分は好き、だけど大人気ない態度はホント勘弁だわ!考えているとエレベーターは一階に到着し、機械音をたててゆっくりとドアが開く。エントランスを足早に通り過ぎ、外に通じる自動ドアをせわしなく抜け、ふと立ち止まり空を見上げた。注がれる日差しは強いけれど、珍しく湿度が少ない。そよそよと撫でる風が心地よくて、父に会いに行く前に、美容室に寄っていこうと思いつく。いいよね、明日はデートだし、頑張っている自分にご褒美あげたって!今日は煩わしい事なんて考えず楽しく過ごそう!気持ちを切り替えると、雅夢との言い合いもどうでもよくなって、大またで颯爽と歩きはじめる。こつこつとアスファルトに響く、ハイヒールの音が心地良い。病気でどんなに痩せたって動けなくなったって、自分自身を誇れる生き方をしたい。私は最後の瞬間まで美香っていう女でいたいんだ・・・オンナ心 ホストクラブ へ
2009/08/09
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うとうとと心地のいいまどろみを味わい、目覚めると午後の七時半をまわったところだった。本を読んでいて眠くなり、四時半から横になったから結構眠っていたみたいね、私。食事も摂らずに寝ちゃってたんだ。ベットサイドのテーブルには夕食が置かれたままになっていた。ゆっくりと病室を見回す。傍らにいる筈の雅夢は居なくて、その代わりに椅子に腰掛けていたのは小沢。視線に気がつくと優しい瞳で見つめ返す。「目が覚めましたか?気持ちよさそうに眠っていましたよ」言葉に頷きつつ、起き上がりながら問いかける。「ね・・とっくに帰ったんじゃなかったの?」薬で少々ぼんやりとした頭で答えると持っていた本をゆっくりと閉じた。起きるまで本を読んでいたのかしら?根気よく待っていたなんて、気遣いのある小沢らしいね。「伝えたい事がありまして、仕事を終えた後戻ってきたんです」「ね、来たとき雅夢は居た?」「いえ、来たときには病室に居ませんでしたよ」「そう・・なんだ」戻って来なかったのかな。さっき言い過ぎちゃったからかも・・・次第に後悔が心を支配していく。バカだな、後先考えずに言葉を発しちゃって。溜息をついてうな垂れると小沢の声が耳に届く。「美香さん。彼とは、遠藤さんとはどのようにして知り合ったんですか?」声に顔を上げると、背中を向け本を棚に戻しながらの問い掛けだった。その行動を見つめていると振り返った彼は、口元に微かに笑みを浮かばせ、立ったままじっと視線を注ぐ。「ん・・・プライベートだもの、内緒。彼、素敵でしょ?若くてカッコ良くて、とってもやきもち焼きなの」苦笑した後言葉を続ける。「男って奴は皆やきもち焼きですよ。俺だってそうですし。・・・・・美香さん、どうして選んでくれなかったんです?彼じゃなく、側近の俺を」不意打ちの問いに、頭の霧が一気に消え去ってしまう!「小沢?何言って・・?」冷静に答えられたのはこの言葉だけ。考える間を遮るように首を振る彼。瞳に浮かぶのは哀しいほどの真剣さだ。真っ直ぐな瞳は、逸らすことを許さないかのように強い光を放つ。眠っている間にベットの柵は下げられていたらしく、気がついた時には、彼との間に遮るものは何も無い。どうしよう!・・・この状況はかなり危険かも、逃げられないと本能が警告を発している!「あの日以来ずっと、貴女に想いを抱いているって知っていましたよね?」あの日・・・小沢が、病室で泣きじゃくる私を一晩中抱きしめてくれていた。ただ心と体を労わるだけの、優しい抱擁をくれた遠い過去。あぁ、そんな出来事もあったよ。思い出したくない過去に触れられ、抗議の意味を含めた一瞥の後視線を逸らした。それでも彼は静かな口調で言葉を続ける。「貴女は俺に何も言わせず、気持ちを受け止めてくれないまま逝くつもりなんですか?そんなのって残酷ですよ!本当に酷い人だ、美香さんは」切なさの混ざる静かな抗議の声。眼を閉じてうな垂れたままなんて、まるで親に叱られている子供みたいだわ。雰囲気で彼がベットサイドに歩みを進めたと判り、思わず体を硬直させた!「眼を開けて、もうこれ以上俺の気持ちを無視しないで下さい、お願いだから。彼が、遠藤さんが気持ちを伝える事を許してくれました。俺、それで居ても立ってもいられなくて・・・此処に・・」少しかすれ気味の囁き声が小沢の心境みたい。雅夢が・・告白を許したなんて、そんなわけないよ!眼を開けるとすぐ近くに彼の顔。視線が交差し、微かに震えたままの大きな手がそっと右頬に触れる。・・・あの日と・・同じ温もりだ。もう二度と、想い起こさないように閉ざした筈の記憶が鮮明に蘇っていく・・・「ねぇっ!いったいどういう事!?出資してる球団会長のお孫さんに手出ししたって本当なの!?こんなゴシップを書かれて、私がどんなに仕事で成果を上げても、貴方がスキャンダルを起こす度に全てがパーよっ!!」叫んで、持っていた写真週刊誌を狩野に叩きつけた!初めての妊娠で喜びを感じながらも、仕事を続けながらの出産に対し不安を抱えていた。だけど何より気持ちを苛立たせ、孤独に導いたのは子どもを望む私と望まない狩野との関係。「こんなだから仕事もこなくなっちゃうのよ!いつまでヒモ生活を送っているの!?」罵倒に耐えられなくなった狩野は、飲んでいた缶ビールをテーブルに置き、背中から見つめている私にもはっきりと判るくらい、肩で大きく溜息をつき椅子から立ち上がった。それを腕を組み、立ったまま見守っていた私。「うっせーな!たかだかキス写真を撮られただけだろ?そんなにキーキー騒ぎ立てんじゃねーよ!ガキじゃあるまいし。胎教とやらに良くないんじゃねーのか?まっ、俺の知ったこっちゃねーけどな!いっとくが子ども産んでも育児に協力しろとか言うなよ!ガキなんて面倒くせーだけなんだから!」吐き捨てるような彼の言葉が胸に突き刺さる!リビングから出て階下に向かおうとする背中に「ちょっと待ってよ!話はまだ終わってないわ!」声を投げかけ階段の踊り場で烈しい口論が始まった。狩野に未練のある自分。とっくに私への愛情を無くしていた彼は、自身の苦しさを紛らわす時だけ体を抱く関係になっていた。こんな口論なんて虚しいと十分過ぎる位判っているのに。「もう一度私を愛して欲しい」って素直に言えたならよかった。追いかけるだけの自分が惨めで情けなくて。そんな矢先に判った懐妊。それでも狩野は私に関心も興味も示さない。それが悔しくてたまらなかった。「私がいながらどうして浮気するの?そんなに魅力の無い女なの??ねぇ!答えてよっ!!」問いに無視して階段を降りかける腕を掴み、強く振り払われて、バランスを崩し私の体は階下へと・・・・・そしてそのまま意識を失って、目覚めた時は病院のベットの上。脳裏に蘇る、感じた強い痛みと恐怖で一瞬体がビクッと震えるっ!!一番望んだ命を守れなかったあの瞬間、亡くした命の重さに、後悔に一瞬で心が支配されてしまう!「ハッ・・ァ・・・ック・・ッ!」堪えていても徐々に呼吸が乱れていく!苦しくて思わず布団を強く握り締めた!泣きたくなどないのに、意思とは裏腹に瞳からは涙が零れ落ちてくる。重責と孤独がきっかけとなり、時折過呼吸の発作が起きてしまう。それを知っていて対処できるのも小沢だけだったなんて。今更ながら、自身の孤独を感じてしまう。「美香さん、いつもの必要ですか?」冷静な小沢の問い。無言のまま首を振って応えるのが精一杯だ・・・「わかりました。じゃ今日は俺の力で発作を抑えてみせます。ゆっくりと深呼吸して・・・」彼の指が繊細に瞼をなぞった後、優しく抱きしめられる。拒絶など出来なかった。微かにタバコの香りのするYシャツが、そっとそっと何度も堪えた様な溜息をつく。聞きながら想う。私はこの人に愛されずっと守られてきたんだね。今まで貴方の気持ちに気がつかない振りをしてきた事を、これで許してもらえる?小沢?腕の中は、吐き出した二酸化炭素を吸引するには十分ではないけれど、心ごと抱かれている安心感と温もりは少しずつ呼吸を落ち着かせてくれている。ありがとうね・・・感謝しつつそっと背中に手を回す。それに応じるかのように、彼は更なる力を込めて体を抱きしめる仕草。耳に届くのは、無理に切なさを押さえ込んだような吐息。ずっと・・・大人のフリをしてきたね、私達。不器用で素直じゃなくて。雅夢のように感情をストレートに出していたならば、二人の関係はきっと変わっていたのかもしれない。ねぇ雅夢、どうして彼に告白の機会を与えたの?誰より焼もちやきの貴方が。さっきの言い合いで私のことが嫌になっちゃった?だから病室にも戻って来てくれなかったの?考えれば考える程当たっている気がして、涙が次々と溢れ出してくる。こんな私は嫌い!雅夢以外の男に体を委ねている事も、過去の記憶でメソメソ泣いているのも許せないんだから!精一杯の強がりを見抜いたように、暫くの間無言で髪を撫でる仕草の後、口を開いた。「・・・美香さん、貴女はもっと人に甘えたり我侭言ってよかったんです。どんなに魅力的でも隙を見せない女性は男って敬遠してしまうんです。これまでの貴女がそうでしたね」ぎゅっと抱きしめたまま諭すような声。言葉で反応出来ずに、無言のまま小さく頷きを繰り返し意思を送る。「誰にも心を許さず、寄りかからずにいる美香さんは、同姓からはカッコいい女として見えても、男はね可愛げのない印象を抱くんです」可愛げが無い・・か・・「そう・・だったかな?」呟きに「そうですよ。でも今、俺の腕の中の美香さんは無防備過ぎて、逆に戸惑ってますけど」口調は冷静な小沢。だけど触れ合ったままの体から伝わる体温と心拍は、自らの心音と同様抑え切れないほど早く感じられた。オンナ心 諍いへ
2009/08/08
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病院内にある談話室に彼を誘い、2個の紙コップのアイスコーヒーをテーブルに置くと、恐縮したように礼を言う。首を振って無言でどう致しましての仕草。対面の木製の椅子を引き、俺も腰掛け、少しの間を置いた後こう切り出した。「あの、美香とはずっと一緒に仕事をされてきたんですか?」問いに「ええ」たった一言短い返答。低めな声が更に寡黙な印象を与える。少し苦手意識を抱く。どうしよう、次の言葉が出てこない、何て次の言葉を出そうか?それを察した小沢さんが、ゆっくりとした口調で話し始める。「金井さんとは人の紹介で知り合いましてね、出会った当時はまだ起業したばかりで、彼女一人で何でもこなしていました。僕は経営コンサルタントとして、会社経営の運営相談を受ける立場にいたんです」「その後、僕は会社から独立しまして、金井さんの秘書として彼女の許で働くようになりました。金井さんから聞いていないんですか?」逆に問う表情は訝しげで、グサッときたぜっ!!「俺、彼女の事詳しくは知らないんです。特に会社の事に関しては全くっていう位」「そう・・ですか」答えの後、思案顔の彼。「金井さんが話していないなら、僕も止めましょう。それがマナーでしょうから」これ以上、話す必要はないとの態度に気持ちが焦るっ!!ヤバイっ!!話が終わっちゃうよっ!!こうなったら一か八かストレートに聞くしかないっ!!「あっあのっ!!小沢さんは、美香の事・・す・・きですよね?」一瞬眼が泳ぐのを見逃さなかった!「答えて下さい、会社関連は話さずともいいですから、美香を想っているんじゃないですか?」「何の事です?僕は既婚者ですよ!子供もいますし彼女に特別な感情など抱いていません!」確かに、彼の左薬指には結婚指輪が光っている。だけど自分の勘は絶対当たっている筈だ!更に食い下がって問い掛けた。「既婚者でも、他の女に惚れてしまうことなんていくらだってあるじゃないですか!小沢さん、俺は美香に、幸せな想い出を沢山作ってあげたいんです!その為なら、自身の感情を押し殺してでも彼女の感情を優先します!」こっちが偽りのない気持でぶつかれば、小沢さんも応えてくれる気がした。頼むから本音を出してくれよっ!!再び視線が動揺の動き。「美香が大好きだから、幸福感を一つでも多く抱いてほしいんだ・・・」コップを握る両手が小刻みに震え、返事を待つ間が、とてつもなく長い時間に感じてしまう!思案後に一つ溜息をつき、彼は眼鏡の中心を軽く上げ、軽く左右に頭を振った。「私も訊ねていいですか?」「ええ、どうぞ」「金井さんの容態は?」問い掛けに、黙ったまま首を左右に振って、うな垂れるしか出来ない。長く深い溜息を漏らした後呟くように話し始めた。 「そう・・ですか・・・大好きか、いい言葉だな。若いっていいですね。ストレートに感情を表現できる遠藤さんが羨ましいですよ」「ご指摘の通り、遠藤さんには申し訳ないが、美香さんに特別な感情を一方的に抱いていましてね、ずっと・・・長い間」「そう、なんですね。美香は知っているんですか?」自嘲気味に笑うのが答えだと感じ取る。「いつでも気がつかない振りでね、共に既婚者でしたから。でも若い君に取られる位なら、もっと早く気持ちを伝えておけばよかったと今は思います」表情が曇った。ずっと想ってきた人に気持ちを伝えられず、苦しんできたのかも。同じ男としてみるならすげー切ないよ。少し同情を抱く。少し思案の後、問う。「それならば小沢さん、美香に自分の気持ちを伝えてやってくれませんか?」声に戸惑いの表情。「俺の事は気にしないでいいですから、彼女の気持ちだけを優先してやってくれませんか?多くの人に愛されたって記憶を残してあげたいんです!」「そんな、貴方は嫌じゃないんですか?自分の妻が他の男性に好きって言われる事に?」「本音ではすげー嫌です!けど、解釈を変えれば、俺の美香はそれだけ魅力的な女だってことですよね?それなら誇りに想えます!」「俺の美香・・ですか。本当にストレートですね。羨ましいですよ。もしも、美香さんに告白をして、彼女の気持ちが揺れてしまってもいいんですね?」小沢さんの牽制。「美香はそんな事位じゃ揺らぎませんよ!」軽く睨んで答えると、眼鏡を直して口の端で笑みを浮かべた。見つめ返すその瞳強い光を放つ!この人、自分が考えていたより計略家なのかもしれない?不安を覚え心拍数が一気に上昇するっ!!「大層な自信ですね。遠藤さん。美香さんの好みの男性は長身で細身のインテリ。眼鏡の似合う男性だってご存知でしたか?これでも学生時代雑誌のモデルもやっていましてね」勝ち誇ったようににやりと笑うヵ゙━━ΣΣ(゚Д゚;)━━ン!!マジかよっ!!この人そのまんま当てはまるじゃねーかっ!!よく見ると俳優の反町隆史に似ているしっ!!美香が眼鏡好きなんて初めて聞いたぞっ!!自分で投げかけた提案を、俺は酷く後悔し始めていた。その後は小沢さんに話の主導権を握られ、美香の入院日数、退院日を聞かれたり、おまけにデートの日取りまで一方的に決められる始末!善い人なのかと油断した俺が甘かった。まるで狙っていたかのように、状況をひっくり返されるなんてっ!!把握してなかった、美香と共にいた切れ者の男という事実、未熟さが判断を狂わせたとしか思えないよ!彼と別れて、先ほどの光景を思い出し更に気持ちが滅入っていく。病室に続く廊下を歩きながら気持ちは暗く沈んだまま。完敗だっ!あーっ!!バカだっ!!ホント俺のバカやローっ!!美香の好みなんて知らなかったしっ!!つーか、どんだけ彼女の事を解ってあげられていたんだろうか?今日の自分、大人の小沢さんと比べて、断然幼い振る舞いに酷く自己嫌悪!美香にだってちっせー男に映ったろうに!くあっ!!マジ情けねぇ!!(>д
2009/07/20
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美香は自分のやりたかった事を一覧に書き出し、時には俺と共に人に会いに行ったり、手紙を書いたりでそこそこ忙しい日々。「何かに夢中になっている間は、自分の病を忘れられるから」って笑う。「それは解るけど、だからって無理は禁物だぞ!入院前日だっていうのに、昨日だって遅くまで起きていたじゃん」「だって時間が惜しいんだもの。本を読み始めたら夢中になっちゃったのよ」「本ね、俺はあまり本に興味ないけれど、美香は読書好きだよね。没頭していると、俺の声も届かないくらい夢中になってるし」ちょっとだけ批難を含めると、彼女は肩を竦めて苦笑い。しょがねーかと、つられて笑ってしまう。今日は金曜日。検査入院の彼女は、病院のベットの上で少し眠そうな様子。投与されている、抗癌剤の効果がどの程度出ているかの為の入院だ。「美香、少し寝なよ。俺は適当にぶらぶらしてくるからさ」タオルケットを掛けながらの声に素直に頷く。軽く頭を撫でると少し微笑んだ。病室を出て窓から見える空は、気持ちのいい抜けるような青空だ。こんな日は外に連れ出してあげたいけれど、仕方ないか。つい溜息。軽く頭を振って、曇った気持ちを切り替えようと歩き出した。同じ階にあるナースセンターの前を通り掛かると、背の高い男性が看護師と話をしていた。見舞いかな?ま、うちじゃないだろう。一瞥して勝手に思い、傍を通り過ぎたタイミングで聞こえた言葉に、つい耳を澄ます!「こちらに、金井美香さんが入院されていると伺ったんですが」えっ?美香?金井美香って言ったよな?その言葉に思わず立ち止まり男性を見つめた。誰だ?この人。美香の知り合いなんだろうか?じっと見つめていたら、視線に気がついた男性は目礼し、センターから出てきた看護師と共に、美香の病室の方に歩き始めた。気になって視線で後を追いかける!面会を告げる看護師の声の後、男性はゆっくりと病室内に入っていく。おいおい、男が訪ねて来るなんて聞いてないぞ!ちょっと不機嫌になり、早足で病室に向かった。ノックもせずにいきなり引き戸を開けた為、二人は一瞬驚いた様子で振り返ったけれど、会話の途中だったらしく、再び話し始めた。ムスッとして入り口で立ったまま聞いている俺。「美香さん、検査とはいえ、入院するならどうして前もって伝えてくれなかったんですか?酷いですよ!」「ごめんごめん、忙しいかと思って連絡しなかったの。仕事は順調?小沢は元気そうだね」なんだよこの会話、随分と親しげじゃん!面白くねーな!益々不貞腐れた表情になるのが、自分でもはっきり判った。会話を中断し、やれやれといった表情で俺に手招きをする美香。「雅夢、この人が以前話した小沢君。会うのは初めてだったよね」「ん、まあね。じゃ、ちゃんと紹介してよ!」小沢って人を軽く一瞥し、抗議の視線を美香に注ぐ。もう、しょうがないな、雅夢ってば。小沢とは何でもないんだから、怒った顔しないの!宥めるように微笑んでベットサイドの小沢を見上げる。「こちらは小沢和彦君。私の秘書だった人よ。今は後任で代表取締役になったの」紹介に軽く会釈をする小沢。雅夢も同様に応じるけれど、その表情は強張ったまま。眼に浮かぶのは嫉妬の色。思わず溜息が出てしまう。雅夢をなんと紹介しようか迷い、少しの間を置き「彼は遠藤雅夢君。・・・若いけど、結婚したばかりの旦那様なの」瞬間、驚きの表情で、小沢が雅夢と私を交互に見つめた。貴方にも言ってなかったから、当然の反応よね。互いの自己紹介を見守った後、雅夢に椅子を持って来るように伝え、小沢に座るように促す。雅夢は窓際の壁に腕を組んで、そっぽを向いたまま立ち尽くしたままの状態。あからさまな拒絶と苛立ちが伝わってきて、こちらまで気持ちがささくれ立ってくるよう!もう少し大人な態度とってほしいのに!なんかすっげー面白くない!俺に見せる表情とはまた違う微笑みだったり、全く知らない会社内部の話に、更に苛立ちが強くなっていく。駄目だ、これ以上此処に居たくない!そう思い始めた時、雰囲気を察したようなタイミングで、美香が俺に声を掛けた。「雅夢、いくら貴方でも会社内部の話は聞かれたくないの。席を外して頂戴!もう社会人なんだから、それぐらい指摘されなくても察しなさい!」きっつーっ!!人前でそこまで言わなくてもいいじゃねーか!!「解ったよ!出ていきゃいいんだろっ!!」吐き捨てるような言葉使いと不貞腐れた態度で、足早に病室を後にする彼。ごめんね、雅夢。だけど今の貴方の態度は良くないよ!小沢にだって失礼じゃない!視線を交わす彼も苦笑顔。やれやれってまた溜息をつく私。「ごめんね小沢。まだ子供なんだよ彼は。いつもはあんなんじゃないんだけど」謝罪に首を振って応える彼。物静かで穏やかな大人の男。この人の半分でもいいから、雅夢に穏やかさと落ち着きがあれば言うことないのにね。「気にしませんよ。頼まれた書類が出来上がりましたので確認をと思いまして。それに心配でしたから、お体は大丈夫ですか?」「うん、正直あまり、ね」最低限の言葉で体を気遣ってくれる人。視線が交差し、眼鏡の奥の瞳が柔和な光を放つ。駄目だよ、滅入る時に優しくされてしまうと、心が揺れてしまうから・・・慌てて視線を逸らし、少しの無言にも耐え切れず呟いた。「ね、小沢」」「はい」「会社、頼むね。後任、貴方じゃないと安心して頼めなかった」「やはり貴女の口添えがあったんですね。そうだとは思っていましたが」黙って頷く。「私が全力で築き上げてきたんだもの、一番の腹心に継いで欲しかったのよ」卑怯だよね、私。小沢の気持ちを利用して、一部上場企業にまで昇りつめた。彼がいなかったら今の私ではないんだよ。知ってた?私が貴方に想いを抱けなかったのは、たった一つ、ほんの些細な理由なの。それが淡い気持ちを抱きながらも、恋に発展しなかった理由。君はこれからもずっと知らないままなんだろうね。だからこれからも彼の想いを知らぬ振り。このままどうか逝かせてほしい。心を乱れさせないで。そっと瞳を閉じる。敏感な彼なら、『今日は帰って』とのメッセージとして察してくれるよね?今までもずっとそうだったように。言葉に出さずとも解ってくれると想っていいかな?少しの無言の後に、持参した書類をトントンと整える音が聞こえ、落ち着いた低い声が耳に届く。「美香さん、横になったほうがいいですよ。俺もう帰ります」「ん、今日はありがとう。わざわざ来てもらっちゃってごめんね」言葉に首を左右に振って応えてくれた。気持ちを汲んでくれた彼に感謝。「また、お見舞いに来ますね」その言葉に、今度は私が黙ったまま頷き返し、立ち去る背中を見送った。俺の勘が正しければ、あの小沢って男は美香に好意を抱いている!注ぐ視線、言葉遣い、全てが好きな女にする行動だ。同じ男だもん、すぐ判るもんだ!確信を持った俺は、奴を病院入り口で待ち伏せる事にした。夏のじりじりと焼け付くような日差し。まるで俺の嫉妬心と同じだな。かれこれ一時間が経っている、見舞いならこれくらいの時間が限度だろう。携帯電話の時間を確認し、閉じたと同時に自動ドアが開き、病院から奴が出てきた!やっぱ俺って、いい読みしてやがるぜっ!!にやりとほくそ笑む。「あのっ!!小沢さんっ!!」背後から声を掛けると、少し驚いた表情で長身のスーツ姿が振り返り、「あぁ、先ほどはどうも。突然に訪問しまして失礼しました」「いえ、俺こそ変な態度取っちゃってすみませんでした!」俺はともかく、小沢さんまで丁寧に頭を下げ、謝罪の姿勢に少しばかり驚きを抱く!?さっき無礼な態度を取った年下の俺に?美香が、傍に彼を置いていた理由がなんとなくわかる気がした。ちょっと待て、そうじゃないだろっ!!感心している場合じゃないっ!今は、この人の気持ちを確認するほうが優先だっ!!「あの、お時間あります?ちょっとの間お話出来ませんか?」探るように伺うと、彼は右腕に付けた腕時計をちらりと見て、暫し思案の後、「いいですよ、一時間ほどなら大丈夫です」と静かな声で答えた。オンナ心 葛藤へ
2009/07/19
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五月のGWは美香の提案で、彼女の所有するという草津の温泉付きマンションで、家族水入らずの時を過ごした。初めて顔をあわせたお袋と美香の親父さんは、最初こそ互いに探りあうようにしていたけれど、双方酒が好きという共通点を知ると、一気に距離が縮まったみたいだった。俺達が就寝した後も、二人でちびりちびりと日本酒を引っ掛けながら、互いの身の上話に華を咲かせていたようだ。ま、似たような境遇って部分も多かったんだろうな。久しぶりにお袋も、過去の心の内を吐き出せたんだろう。美香と親父さんにマジで感謝!ありがとな、美香、そしてお親父さん。個人的にめちゃ会うのが楽しみだった、美香の弟の慶介さん。ふくよかだったというお袋さんに似ている為か、背丈は181センチの大柄という事もあり、存在感は想像以上ヮ(゚д゚)ォ!酒は飲めないけれど、美味しいスイーツにはめちゃ詳しくて、もっと早く出会えていたらホストの仕事の役に立っていたかも?なんて密かに思っちゃったよ。酒飲まないのに、テンション高い彼。美香もそうだよね?どんな時でも、周りを笑顔にさせようとおどけてみせる。その辺は、血の繋がりのある姉弟なんだなって感じたよ!きっと美香のお袋さんは、太陽のように明るいお母さんだったんだろうな!ただ、皆を駅に見送った帰りの車中、余程疲れていたんだろう、助手席のイスを倒して、自宅マンションに着くまでぐっすりと寝入っていた。正直そんな姿を見る度、しんどいのに無理して過ごしているんじゃないか?って不安になるんだよ。心配をよそに、規則正しい寝息を立ててすやすや眠っていた。マンション駐車場について、彼女の髪を撫でて起こすと、貧血の為か、幾分青白い顔をしながらも薄く微笑んだ。「着いたよ、大丈夫か?美香」「ん・・・ありがと・・・。久しぶりにみんなの元気な姿見たら、まだ頑張れるって希望が持てたんだ」疲れた顔を隠すように、目を擦りながら作り笑いを投げかける表情。抑えていたほんの微かな苛立ちが一瞬疼き出す!視線を逸らし、見えないところでぐっと右拳を握り、辛うじて押し寄せた波を止めた。言葉に出してしまえば、深く彼女を傷つける。美香だって、俺を心配させないように、内に抱える不安、葛藤、苦悶なんて様々な感情を押し殺しているのにな。そう、十分過ぎるくらい解っているのに!『美香、俺だって、職業柄女ってものを見てきたんだぞ?本当に苦しい時には強がらないで、頑張れないって言って欲しいんだよ!頼ってくれないとさ、俺ってお前にとって、苦しみすら分かち合えない男みたいでめちゃ情けねーよっ!!』吐き出せない想いを頭の中で考えながら車のエンジンを切り、素早く運転席から降りて、寝起きでぼーっとしたままの美香が、車から降りるのに手を貸そうと腕を伸ばす。それに気がつきながら、彼女は微かな声で呟いた。「雅夢・・」「ん?・・」「怒ってる・・ね・・」「怒ってないよ、ほら、手を出せよ」極力感情を抑えた声で応じたつもりだったんだ。でも美香は、差し出した手に一瞥もくれず「ありがと・・でも、一人で立てるから」視線を合わさずに言うと、ふらついた身体にも関わらず、自らの力で助手席から降り、体を支えようとする俺の腕を、ぎこちなく微笑むも首を左右に振って明確に拒絶した。「なぁ美香、お前こそ何でそんなに強がるの?大丈夫じゃないのに、何故平気って答えるんだよ?」拒否された悔しさで、つい口に出してしまった言葉に反応し、彼女は前髪をかき上げ微かな苦笑いの表情。「だって・・雅夢は優しいからさ、弱い私はその優しさに縋りつきたくなっちゃう。甘えると、とことんまで付き合わせてしまいそうな自分が悔しいし情け無いの。ほんとに辛い時以外は、自分の力で凌がなくちゃならないじゃない」俯いたまま掠れた声でそれだけ言うと、小さくため息を一つつき、ゆっくりとした足取りで歩き出した。少しずつ遠ざかる背中を、そのまま見送る事など出来るわけないだろっ!!小さく舌打ちをして「待てよ美香っ!!」その大きな声に驚いたのか、少し慌てた様子で振り返る!「じゃ、何で俺なんだよっ!!美香が俺を選んだから、いいって想ってくれたから、体を預けてくれたんだろっ!?」「ちょっ、雅夢っ!!こんなところでっ!!」慌てる静止の声もシカトし、構わず続けてでっけー声を張り上げる!「甘えられないなら、好きな女の為に何かしてやりたいって気持ちだけでも、黙って受け入れろよっ!!美香の方が分別のあるオトナなんだろっ!?」精一杯の言葉なんだぞ?だってこれ以上、他に何を言えるんだよ?プライドは山のように高く、従属しないこの女にさ、俺の言葉にだけはYESって言って欲しいんだよ!「雅・・夢・・・」「いいか、美香!お前より年下でも、学歴下でも、一応男なんだからな!馬鹿でも力はあるし、人を護る覚悟だってあるんだぞ?頼むから・・頼む・・・から・さ・・意地張るなよ・・」「ちくしょう・・・」また泣き虫男になっちまったじゃねーかよっ!!この先の言葉が声にならない。ぼやけた視線には彼女。哀しい眼をしたまま歩み寄って来て、その体にしがみつき、感情の波が引くまで声を押し殺して泣いた。二十歳を超えてのマジ泣きなんて、情けなくってカッコ悪りぃけど、みっとも無い姿を曝け出したって構わなかった。そうする事で美香が、これまで以上に全てを俺に預けていいと想ってくれたなら。今はそれだけを願っているんだから。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 素直って難しいこの日のブログの更新を互いにしなかったのは、自分達だけにしか解らない事情があった為だけじゃない。時間を置いて、心が穏やかな時に更新したかったからだよね?改めて振り返ると、実は君の事知らない部分も多いよね。雅夢、本当にごめん。裏切られる経験の方が多いんだもん、素直になれって言われても、簡単にはいかない。だけど涙を流す君を見て、もう一度ピュアな気持ちで向き合えたなら、信じられたならいい。きっと芯の部分は私は臆病者なんだよ。「素直じゃないし強情」極親しい人が私を語ると、この言葉がまず浮かぶんだって!(>дд
2009/06/03
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ご無沙汰の更新です!こんばんは!お話は構想練り直しで、時間ばかり掛かって、楽しみにされている方には申し訳なく思っております。ようやくPCも復活?というか買い替えしまして中古だけど良いPCになりましたわ!これで環境は整ったし、書けない理由はもう無いわな!(゚Д゚;)フルタイム勤務でも頑張りましょう、私!(爆)ええと、軽く近況報告など。長男は、無事都立高校に推薦入学、長女も進級。おチビさんは希望保育園に転園も済み、それぞれに忙しくも楽しい毎日を過ごしている毎日です。私は仕事を覚えるので精一杯ですがっ!!(>д
2009/05/17
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『えっ??胃がんっ!?嘘でしょ??』絶句したまま私は、正面に対峙した彼の宣告を、ボーっと霞みがかかった様な頭で聞いていたんだよ。反応を見て高嶋君はね、再び無言のままフウって溜息をついて、持参してきたバックの中からA4の大学ノートを取り出し、太股の上に置くとスラスラと何かを書き始めた。形状から胃を描いているのだとすぐに判った。小学校時代から高嶋君は絵が上手だったから。描いたイラストを見せられて、現在起きている症状と高嶋君のおおまかな説明が合致した時、ガクガクと小刻みに身体に震えが走ったんだ。「美香ちゃん、大丈夫っ??」彼は何度もそう問い掛けたらしいのだけど、事の重大さと深刻さに自我を見失った状態の私は、自分の腕を交差させた状態で、二の腕を強く握り締めたまま震えていたんだって。「紹介状を書く」とか、「詳しい検査をしたほうがいい」とか言われた内容を全く憶えていなかったんだ。きっと死に対する恐怖心のほうが大きかったんだろう。彼を見送った後、すぐに湯船にお湯を張って身体を沈めて、『落ち着こう、とにかく冷静になろう』って何度も言い聞かせた。『まだ決定的な宣告を受けたんじゃないから、しっかりしなよ』って思い直したの。異変を指摘された以上、どんなに怖くても身体の内部の検査を受けるしかなかったし。翌日小沢にも内緒で、インフルエンザの予防接種を理由に、会社休んでこっそり検査を受けに行ったのね。向かった先は高嶋君の先輩医師の勤めるという、都内有数のがん専門病院だったよ。後日出た詳しい検査結果でも、胃透視での形とかCTでの胃壁の厚みで、ほぼ間違いの無い胃がんだとの診断結果。事実を知ったときの衝撃なんて、簡単な言葉で言い表せるなんてものじゃなく、誰にもぶつけられない悔しさと、憤りが混ざった気持ちだったな。雅夢、私ってあんまり動揺するタイプじゃないんだよ。でもその私が、頭が真っ白になるほどの衝撃を受けたのよ!だって命の宣告ってやつだよ?間違いであって欲しいとの、淡い期待も砕け散っちゃったんだもん。まさにハンマーで頭を殴られるほどのショックよっ!!結果を聞きに、一人で来なければよかったって悔やんでも後の祭よね。 『私が何をしたっていうの?一生懸命生きてきて、その結果がこれ?あんまりじゃないっ!! 』それが率直な本心だったよ。聞いた後は、自身の長い絶句の後、ひたすら涙が止まらなかった。先生はさ、泣いている私の感情が静まるのを待ってくれていたよ。その夜だったんだよ、初めてホストクラブに行ったのは。がんがんお酒飲んで、思いっきり酔っぱらってやるって考えたの。だってさお金を掛ければ、病人と健康な人との違いを感じずに、ホストの人達と、楽しい時間を過ごせるって想えたんだもん。ねぇ、今は自分の意志で、生きているって凄いって実感するの。一分一秒たりとも、無駄に過ごしてはいけないんだよね?それは雅夢との時間もそうだし、他者との関わりも、私の生きた証を刻み込んでくれる大切な存在になる。出会い語らう時間は短くとも、遠藤美香という女がどんな人間なのか、少しでも多くの人の記憶に残せたならば、きっと幸せなんだよね?今世にいなくなっても想い出してくれる人が多いほど、何度でも話題にしてもらえるじゃない!結構ポジティブでしょ?'`,、'`,、 '`,、'`,、('∀`) '`,、'`,、 '`,、'`,、それは貴方って存在が居るから・・・なんだからね! 美香ブログに書き終えて想う。此処に書き残した言葉は、本心なの?と。ただ、偽りの心では書けないのも事実。既にリンパにも転移している以上、残された時間は少ない。生きたいのにね、私。ブログが公になる部分だとしたら、自分の闘病日記というタイトルをつけた大学ノートはね、本音の本音を書いているんだ。これも合わせて、その当時の遠藤美香の心境だったって編集して欲しいな。貴方しか出来ない重要な役割だから、お願いします。愛する雅夢。愛用のボールペンで書き終えた後、ちっちゃく溜息をついて大学ノートを閉じた。このノートの存在は際の際まで黙っておくね。ブログではポジティブな部分を出していても、やっぱり不安なの。死ぬのは・・・やっぱり、怖いんだ。どうしたんだろうね、今日はいやにブルーな本音が出てる。健康な人間だって、メンタルに左右される。体内に不安を抱えていたら尚の事。代表を務めていた時、私は病を抱えた社員の不安や気持ちを、解ってあげられていない人間だった。人って病やいままでと異なった状況に置かれると、生きたいとの気持ちを一層強くするんだね。私も・・・一日でも長く、命の炎を繋ぎたい。だからガンを縮小させて、手術で摘出できるようにしたかったな。リンパに移転しているなんてね、思いもしなかったよ。抗がん剤TS-1の副作用にも、頑張って耐えたのに。口の中に出来た口内炎が、まるで今の心の痛みのようにヒリヒリと疼いている。死ぬのが怖い。哀しいのは、私一人の人間がこの世界からいなくなっても、誰一人生活が変わるわけじゃないという現実。積み重なる日常は、私の記憶を少しずつ確実に消し去っていくんだろう。雅夢、君でさえも。大学ノートをドレッサーの引き出しにそっとしまう。「美香、調子悪いのか?入っていい?」寝室をノックする音に答えた。「あっ!!ちょっと待って!着替え中なの!」他愛も無い会話を積み重ね、静かな日常をこれからも送っていくんだろう彼と私。互いを想うゆえの、小さな嘘や偽りを繰り返しながら。ドレッサーのチェアーから立ち上がり、寝室のドアを開けると、小さく笑みを浮かべた雅夢がエプロン姿で立っていた。「何度見ても慣れないな、君のピンクのエプロン姿」苦笑する私に彼も苦笑い。「しょうがないでしょ、このエプロンお袋から貰ったもんなんだからさ。まだ白の割烹着のほうがマシだったかなぁ。そうそう、美香の好きな茶碗蒸し作ったぞ、冷ましておいたからすぐ食べられるよ」「ん、ありがと」優しいね、君は。口内炎が酷く食欲がない時、決まって彼は茶碗蒸しを作ってくれる。ちょっとブルーな気分だったのに不思議よね、雅夢の顔を見たら、霧が晴れるように気持ちが落ち着くよ。私のウエストに優しく手を回し、身体を支える仕草。そっと肩に寄り添う。美香は我慢強い女だ。抗がん剤の様々な副作用に耐え、あの時以来愚痴一つ俺にすら吐き出さない。ただそれがかえって痛々しいと感じてしまう。副作用は彼女の場合、貧血と口内炎が最も酷いらしく食欲をそがれてしまっていた。そんな時は、利尻昆布と鰹節で丁寧に出汁を取り、茶碗蒸しを作る。口に含んでホッとした表情を見ると、俺も同様の表情をしているんだろう、はにかんだ笑顔を向けてくる美香。彼女にとってたった一口の食事ですら、命を繋ぐ為の重要な事。「食べられなくなる。それが一番怖い」と言う。食物を摂る。俺にとっての当たり前は、美香にとっては命がけの行為なんだ。病と闘う人と暮らし始めて気がついた点は、当たり前に考えていた日常は、実はそうじゃなかったと、自身の生き方を振り返るきっかけになっている。対面に座り、少し嬉しそうに茶碗蒸しを食べる様子を見て、作ってよかったって思う。「ねぇ、そんなにじっと見つめられると、食べづらいんですけど・・・」(´ω`ι)「ん?そう?俺は美香が、美味しそうに食べる姿、ずっと見ていたいんだけどな!」「雅夢の場合、じーっと見つめ過ぎなの!(>д
2009/01/05
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ご無沙汰しておりますっ!!皆様明けましておめでとうございますっ!!一ヶ月以上放置プレイしていた私のブログですが、ちまちまと下書きを繰り返しておりました。仕事が忙しいのも理由だったんですけどねぇ。ま、それは皆様も同様でしょうね!プライベートではまぁ色々、此処楽天で知り合った方とイベントでお会いしたり、個人的に会ったりしていましたわ!((´∀`*))ヶラヶラ後半は充実した日々を送ることが出来たので、忙しい日々でも充足感がありましたね。そしてついにダルちゃんにも手を出しちゃったし~!(*´Д`*)初ダルちゃんは「ミルフェ」だよ~!激可愛いの~!∩(´∀`∩)ヮショーィ(∩´∀`∩)ヮショーィ(∩´∀`)∩ヮショーィ 写真載せられないのが残念だ~!。・゚・(*ノД`*)・゚・。一月はテヤン 「アリオン」とプーリップ 「ネオノアール」がうちに来るわっ!!(。-∀-) ニヒ♪ネオノアールちゃん可愛いのですが、「ノアール」は使わないほうがよかったね~!この子が元祖「ノアール」ちゃんよ~!オッドアイに口ピアスっ!!なんと衝撃的なっ!!この子は年末お友達のところで、生ノアールちゃんを拝見させて頂きましたっ!!本物はもっと可愛いぞ~!貴重なレアっ子を真近に見られて感激でしたわ~!しかし発売当初の値段より高額になっているなんて、人気あるんだね~!この可愛い顔をして、内に秘めたようなダークさがたまりませんなっ!!(*´Д`*)今年は、カスタム頑張ってみようと思っているんです。メイクは難しいけれど楽しいですからね~!((´∀`*))ヶラヶラむむ、その為にはやはりエアブラシが欲しいっ!!(´ω`ι)エアテックスか、GSIクレオスにするか悩みますのぅ~!ま、使い勝手がよければ何でも良いのだよ!'`,、'`,、 '`,、'`,、('∀`) '`,、'`,、 '`,、'`,、いつも思うんですけど、ストーリー以外の独り言のような日記って実につまらんですな。欲しいものをずらずら並べているだけだしね~!(ノÅ`泣)・゜・。書きたいことは多いんだけど、書けない部分も多いのですな。本年も多くの人とお会いしたいですわっ!!そしていろんな場所に行ってみたい!問題は・・・私の方向音痴な部分ですかね。(>дд
2009/01/05
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どうも!お久しぶりですっ!!緋褪色です~!(*´Д`*)本日は娘二人、旦那さんとジュンプラさんのイベントに行って来ましたよ~!昼位には現着していたんですが、多くの人で賑わっていて一度外に出て、人波が治まるのを待って再度会場へ。誰に会いに行ったか?うふふ!尊敬する年下のお嬢さんですわよ~!((´∀`*))ここでの交友関係知っている人には判りますわね~!(。-∀-) ニヒ♪そう!IZAYAさんです!今日もとっても可愛かったよ!本当に黒い服が似合うのよね~!羨ましいくらいだわ~!元気そうで何より嬉しく思いましたわ~!彼女にはいつも元気を貰っているんです。気分が落ちている時もその時期が重なっていたり、プチ嬉しい出来事も「あ~っ!!その気持ち、すっごく解る~!」なんて感じで通じ合う気がします。叶えたい目標に直向に進む姿勢は、尊敬の念を抱くばかりです。本当に凄い人って、自身を偽らなくてもそのオーラで判るものですよね~!彼女にはそれがあるって思っているんですよ。頑張っている姿は見せずとも、陰に秘められた強い情熱って、心を揺さぶるほどの力を持つものだと感じますよね。一から物事を作り出すには、エネルギーと情熱がないと出来ませんからね。そして・・・叶えたい願いという一番のエッセンスが必要。願いという強い想いがないと、つまらない日常に流されてしまうもの。たった一度きりの人生ですもの!楽しみたいし刺激的に生きてみたいものですね!私は欲張りなので、あれもこれもやってみたい事だらけ!((´∀`*))ヶラヶラ経験の無いことをするって、実に楽しいことですよね~!才能のある人に会うと「自身も頑張らなくちゃっ!!」って思えますわ!なんと前回お会いできなかった美羽子さんとも、会場でお会いすることが出来たんですよ~!やーん!まさかお会いできると想っていなかったので、大感激でしたわ~!明るいお人柄は、ご自身のブログのままの美羽子さんでした~!はて、私はどのように映ったのだろうか??((´∀`*))ヶラヶラやっぱりブログそのまんまか?IZAYAさんのブースは多くの人で賑わっていましたよ~!娘が飾られているお人形をまじまじと見て、携帯で写真を撮らせてもらったりと、大満足している姿が印象的でした。リアル娘は二月に発売されるANGRYちゃんが気に入ったようで、ジュンプラのおねーさんに写真を撮らせてもらって大喜び!「買って」とせがまれています。(´∀`*))ァ'`,、 ァIZAYAさんに会いに行った目的は他にもありまして、旦那さんの作ったテーラーボードを実際目にして欲しかったのですわ~!彼女は見事なお帽子を作られる高い技術がありますもので、「テーラーボードを作って」と旦那さんに依頼したんですわ~!もう喜んで快諾です!「普段から世話になっているんだからいいよ!なんなら名前も焼き印でつける?」なんて返事で、まだ作ってもいないのに構想段階で二人で盛り上がっておりました~!これは以前依頼して作ってもらったテーラーボード。本物は買うと6千円くらいするのよ~!高いわよね~!どのあたりに焼き印したらいいかしら~!(*´Д`*)入れるのは、彼女の名刺などに使われている素敵なロゴを入れようかと考えておりますわ~!彼女の想いがいっぱいつまった大切なロゴだからこそ、入れるのに相応しいかなってね。旦那さんも「作るからには前回以上の出来栄えにする」と張り切っております。人に何かを作るとかってなんだかわくわくしませんか?その物を見たとき、どんな反応するんだろうとか、喜んでくれるかな?なんていう淡い期待とかしちゃったりしてね!基本私はとても冷たい人間なので、人の為に何かをしようとかってあまり想えないタイプ。このような事は、極親しい人にしかしませんからね。本当に珍しい。なにかしてあげたいって想わせる人って、そうはいないんじゃないかな?周りの人を大切にするからこそ、護られたり同じように大切にされるのではないかな?って考えているんですけどね~!いずれにしても人徳よ~!うん!きっとそうだっ!!制作期間頂きますが、楽しみに待っていてくださいね~!彼女からは作家の綾辻行人さんの殺人鬼と殺人鬼2、そしてホ・ス・ナ・ビ、Club Romanceの二種類のDVDをお借りしました。むは~!これで「オンナ心」ますますリアルになるかも~!時間があったから殺人鬼読んだわ~!うーん・・・一言で表現するならばグロいね~!でも嫌いじゃないわ~!情景が浮かぶ表現ってなかなか無いので、さすがだな!と。ちょっと悲しかったのが、麻宮君だったな。一番残酷な描かれ方されていたように感じ、目を逸らしたくなりましたね。意外なラストに「おお~!」となってしまいましたわっ!!興味がありましたら読んで下さいね~!ホストの世界は未知なる世界なので、DVD見るのがわくわくですわ~!勉強します!ちなみに雅夢の働いている「Blue moon」は佐々木蔵之介さん主演の「ギラギラ」に出てくる店に設定が似てます。店の内部の構造じゃなく、働いている従業員の設定が似ているの。雅夢は野球で集団で行動していたことが多かった為、比較的協調性を重んじ、人間関係を大切にする血液型O型男です。でも兄貴分じゃないんだな。美香に出会うまでは、力で相手をねじ伏せるタイプだったのですよ。挫折感と敗北感に苛まれていて、どちらかというと常に自身に苛立っていた男だったんですよね。そこのところには触れていないけれど、性格設定はそんな感じなんです。好きな人が出来ると人って強く逞しくなるものですよね!男性も女性も。話は変わりますが、平日、しかも月曜日、なんで日記を更新しているかと申しますと・・・おちびさん、熱があり会社に出社してまもなく「お迎えお願いします」とのキョ―フの電話が。タイムカード押して五分経つ間もなかったような?(>д
2008/11/16
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「やっべ・・飲みすぎたぁ、美香、お前の親父さん酒強すぎだよ・・・」「そうよ!うちの父は酒豪なんだもの。雅夢だって勝てないわ!大丈夫?」ぼやく年下の彼は気持ち悪いのか、辛そうに顔を顰める。帰りのタクシーの中でその背中を撫でる私。実家まで迎えに来てくれるなんて、嬉しくなっちゃうじゃない。私の右肩に頭を寄りかからせて甘える仕草。大好きだよ、心から君の事が。運転手さんに見えないところで、彼の左手を右手でぎゅっと握り締めると、大きな温かい手は更に強い力で握り返してくれた。幸せな気持ちって、こんな些細な仕草でも感じるんだよね。君も幸せって想ってくれているの?軽い溜息をついて目を閉じている彼。軽く微笑みながら見つめる。こんなに早く連れ戻されるなんて、正直予想していなかったな。父と雅夢の十四代の飲みっぷりに見入りながら、他愛も無いおしゃべりはとても楽しい時間だった。弟は亡き母に似て、全くお酒が飲めない。父はそれがつまらなかったのでしょう。雅夢の登場に顔を綻ばせ、実に嬉しそうにお酒を酌み交わしていた姿が印象的だったよ。お父さんごめんね。父より娘が先に逝くなんて想像もしたくないよね。母のお通夜が行われた夜中、眠れなくて二階から降りてきた。襖のほんの僅かな隙間から、母の棺に向かって、涙声で話し掛ける父がいた。時折一升瓶を煽るように口に含み、左手で涙を拭っていると、背中から見ていてもはっきり判ったんだ。逞しいはずの父の背中がとても小さく見えて、足音を忍ばせて二階に戻った10歳だった私。布団を頭から被って、隣で寝ている弟に悟られないよう、必死に声を押し殺して泣いたんだったな。私と雅夢を玄関で見送る父は、母との書簡が入った焼き海苔の缶を手渡してくれた。「お父さん、これは?」尋ねると、少し照れくさそうに黙ったまま右手で鼻の下を擦る。いつもそうだ、照れ隠しの時にする仕草に、中に入っているものが何かと察したよ。私と雅夢がネットブログで想いを表現しているように、父政吉と生前の母美登利は、出会った頃から恋文を交わしていたと、今日の会話で初めて知ったんだ。玄関先で「ありがとう!今日は楽しかった!また来るね!」左に立っている雅夢も、丁寧に頭を下げて礼を言った。「今日は突然押しかけまして、本当に申し訳ありませんでしたっ!!」「おう!若造っ!!また酒飲みに来い!気ぃつけて帰ぇれよっ!!」彼のくせ毛を撫でながら、つい先ほどの出来事を想い返す。一つ一つの想い出を、記憶に刻み込んでいかなくちゃね。亡くなる私、これからも生きていく雅夢。そして父、弟。看取ってくれるのは雅夢、君だけでいいの。二度も身内を見送る経験を、父と弟にはさせたくないから。再び湧き上がる吐き気を堪えながら、タクシーから見える街並みを眺め一人想う。母を乳がんで亡くしていた私は、三年に一度くらいのペースで健康診断を受けるようにしていた。それでも発見出来なかった、スキルス性胃がん。細胞検査でも発見されなかったし、腫瘍マーカーでも問題のある数値ではなかったのに。自覚のないまま、胃壁を広く浸潤していくスキルス性の胃がん。このがんの怖いところは、胃壁の中を広く浸潤していくんだって。がんが始まった位置は違うけれど、お母さんと私、同じ病になっちゃったなんて皮肉だよ。綺麗だった母が少しずつ痩せていく度、父も心配させないあまり、子どもに対し口に出せない悔しさともどかしさで、シンクロするかのように窶れ疲れて見えた。見舞う度、母の容態があまりよくないと察し、拙いながらも家事も料理も、私と弟で励まし合いながらやってきた過去。子どもという存在がいたからこその苦しみも、当時の父にはあっただろうな。子どものいない私には判らないけれど、もしも狩野との間に子どもを授かっていたならば、ほんの少しの未来が変わっていたのかもしれないな。雅夢、正直な私の気持ちをブログに書いておくから、君が酔いから覚めたら時間のある時読んでみてね!心の中で彼に話し掛けていた。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・自分との闘い自身の中に巣食った魔物との闘いは、ある日突然始まったかのように感じているよ。今でもはっきり憶えている。親友の結婚式に出席し、久しぶりにちょっと多めにお酒を飲んだ夜、帰宅後に気分が悪くなり洗面台で嘔吐。時期的に嘔吐するタイプの風邪が社内でも流行っていた為に、私も風邪を引いたのだろうと軽く考えていた。でも代表者として休むわけにもいかず、身体を騙し騙し酷使していた毎日を送っていた。しかし胃のむかむか感に次第に不安を覚え、医者になった中学時代仲の良かった同級生に、症状を書いたメールを送ったんだ。産婦人科の個人病院を構えるほど腕のいい彼は、専門分野が異なるにも拘らず、日曜日と祭日しか休みのない私の事情を考慮し、自宅にまで来てくれた。彼は私の説明に頷きながら、服の上から胃の上部に触れた時、「ん?」と首を捻る仕草をしたんだ。何度も何度も同じ箇所に触れる。まるで確認するかのように。腕を組み少し考え込むような表情をして、静かに切り出したのは「紹介状を書くから、詳しい検査をしたほうがいいよ」との言葉だったよ。「私、もしかしてあんまりいい状況じゃないの?」引き攣りながらの笑いと精一杯の虚勢を張り、かろうじて最初に問えたのはそれだけだった。「専門が異なるから正直なんとも言いがたい。だけど僕の研修医時代に担当した患者さんに、美香ちゃんと同じような患者さんを担当してね」目を見ないように告げて、それ以上言葉が続かない彼。「お願い!はっきり言って欲しいの!今私の身体に起きている異変は一体何?高嶋君だから相談したんだよ!隠されるのは嫌な性分だって君はよく知っているでしょ?」それでも口を噤んだままの彼に、不安感からの苛立ちを強い口調でぶつけてしまったね。「高嶋君!お願いだよっ!!私の身体なんだよ?知る権利があるでしょ?同級生だって意識は捨てて、普段患者さんと接しているように答えてよっ!!」困った表情で髪をかき上げる仕草は、中学校時代と同じだったね。おっとりとした穏やかで優しい彼と、ちゃきちゃきとして姉御肌の私は正反対のタイプ。異性だけど不思議と相性が良くて、互いの恋の相談に乗ったり乗ってもらったり、プライベートで仲の良い数少ない大切な友人の一人。眼鏡の奥の瞳は私を正視せず、無言のままゆっくりとした動作で、首に掛けていた聴診器を外した。「美香ちゃんはいつもそうだね。解らない事、知りたい事に関しては譲るって選択肢は君の中に無い。解った。じゃ、ここからは友人ではなく、医師として説明するよ」ふうっと溜息の後、苦笑気味の口調だけど、彼の瞳は決して笑ってなどいなかった。慈しみが混ざったような、労りを感じさせる言葉の後、俯き加減だった高嶋君は、ようやく私と視線を交差させたんだよね。その瞬間、同級生に診察して貰うという安易な手段に出た自身に、心底後悔の念が浮かんだよ。親友に近いお付き合いをさせてもらっている同級生に、「美香ちゃんは・・・もしかしたら胃がんの可能性があるかもしれない」なんて言葉を吐かせてしまうなんて・・・ね・・・オンナ心 当たり前の日常へ
2008/10/15
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ちょいと体調を崩しておりました。風邪から始まって、吐き気で食事が摂れず気分は滅入るし、なんだかなあ~!状態で下書きしてあったのにも拘らず、アップできませんでした。ま、人間だからね、色々あるわ!((´∀`*))ヶラヶラストーリーオンリーにしたいのですが、ちょっとお知らせもありましてアップします。お話の更新日を決めました。水曜日の奇数日です。10月は15日と29日。少し先になりますが、資料も集めなくてはならないし、何せ文字数も多いですからね、書くのにも時間が掛かる点と、誤字のチェックもしたいので。いつも必ず下書き保存を繰り返しているのですが、それでも誤字ありますのでね。(苦笑)主婦ですから家の事もやらなくてはなりません。そんなんでお知らせです。身体は一つしかありませんからね、上手くやらないと。今までの更新が多過ぎだって!'`,、'`,、 '`,、'`,、('∀`) '`,、'`,、 '`,、'`,、これだけ話の更新遅れたのは久しぶりですな。私もいつもテンションが高いわけじゃないですしね、ブルーになる時だってありますがな。大人ですから本音と建前だって使い分けますし、此処では書きたくないどろどろだってありますしね。今年から来年にかけて、変化の年にしたいしもっと人と会いたいなって思っています。経験が多ければ多いほど表現の幅は広くなるし、やりたがりなので何でも経験してみたいんですよね。基本インドアですが、アウトドアも大好きですし、人との交流も大好きです。経験こそ宝物だしネタになる。(おいおい)人の話を聞くのも大好きですしね、此処で会ってみたい人もたくさんいるんですよね!テンション高すぎて、どん引きしないで下さい!((´∀`*))ヶラヶラ自身の生まれ月に入りまして、寒くても大好きな季節です。学生から社会人にかけて通った、国立駅から国分寺方面に上っていく大きな坂があるんですが、今日のようなお天気の中、枯れ葉舞い散るその坂を、自転車を降りて登る時間が好きでしたね。幻想的でとても綺麗なんです。その時に誰も一緒にいないのが残念なくらい。綺麗なものは綺麗って感じたい。常に自分の感性を磨き、もっともっと表現力を磨かなければ、プロにはなれませんからね。先は長いでしょうが進むのみです!負の感情だって持ちます。でもそれすらもステップになる。作品に生かされる経験になるんですもの!逃げないで、これからも葛藤を繰り返しながら行きたいですね。先に進む為には停滞は許されない。それに甘んじてしまうから。ぬるい水に慣れてしまうから。そうなると先に進めないんですよ。止まると進めなくなる、それはジャンルを超えても、作品を作る人が誰しも経験している部分ではないでしょうか。物を作るのだってそう。私のように書く職業を目指しているのもそう。会社経営だって同様の部分があると思うのです。やるからには徹底して自分に厳しくいかないと、心が折れて立ち上がれなくなるんですよね。プレッシャーに負けて作れなくなる、デビューしたけれど書けなくなる。良くある話です。それじゃ何の意味もない。自分を強くしていくのは、己でしかありませんからね。とある方は私の過去を「苛烈」だと表現なさった。うん、まあある意味そうかな。(苦笑)それがあるから今の自分ですからね!過去の自分が現在の私を生み、今の私が未来の強固な己を作り出していくのでしょう。その為に歩き出すと、進みだすと決めたんだから。さそり座、猪突猛進まんまだな。(大爆)自分大好きですからね!もっともっと自分が大好きになるように頑張りますっ!!'`,、'`,、 '`,、'`,、('∀`) '`,、'`,、 '`,、'`,、面白いものだ!元気なコメントをすると「おっしゃー」って気になりますよねっ!!自身そうでもないけど、体育会系のノリって大好きですっ!!
2008/10/02
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「ただいま、お父さん」私の声に居間でテレビを見ていた、真っ白の角刈り頭の父が振り返る。「おうっ!!何だ美香っ!久しぶりじゃねぇかっ!!なんでぇっ!!来るなら連絡よこしやがれっ!!」「ごめん。急にお父さんに逢いたくなってさ!こっそり来ちゃった!」玄関の引き戸を閉めながら答える私。そう、ホント逢いたくなっちゃったんだよね。「これ、来る途中買ってきた鬼殺し、お父さん好きでしょ?」ぶら下げていた一升瓶を父に差し出すと、見つめたその目元が綻ぶ。「おう!すまねぇなっ!!ありがとよっ!!なんでぇ、お前随分痩せちまったなぁっ!!ほらほら、ぼーっと突っ立ってねぇでさっさと上がれっ!!」鬼殺しを受け取った父の腕は、相変わらず逞しい。日に焼けた黒い肌も相変わらずだ。雅夢も野球やってた時は、こんな感じで色黒だったんだろうな。ふと他愛もないことを考える。「お邪魔しまーす!お父さんは相変わらず元気そうだね!静さんは?」「ん?京都に帰省してらぁ~!親戚の法事だってよ!」「ふーん!お父さん、そろそろちゃんとプロポーズしなよ~!いつまで内縁の妻にしておくのよ~!」腰に両手を当てて、父に抗議の視線を送ると苦笑顔。静さんは父の友人であり幼馴染でもある。母が亡くなった後、精神面でも家庭面でも、私と弟慶介を面倒見てくれた女性だ。「だぁってよ~!もう70なんだぞ?今更再婚したってぇなぁ~!」「もうっ!!年齢なんて関係ないわよっ!!静さんの為にちゃんとしなさいよ~!」ちゃぶ台に手を置いてゆっくり畳に膝をつく。それを立ったまま見つめる父。「なんだ、美香。お前調子悪そうだな。大丈夫か?」「ん・・・それもあって今日は帰ってきたの。お父さん、座って」促すと甚平姿の白髪頭の父は、ゆっくりと対面に腰を下ろし、あぐらをかいた。小さく溜息の後、ゆっくりと今の現状を話し出す。話を聞き終えた父は、太ももに置いた両拳を硬く握り締め、唇を真一文字に結んで、悔しさを堪えているようだった。「ごめん・・ね、お父さん。でもね、がんになったからって不幸だとか考えてない。それに今、私を支えてくれている人がいるんだよ!実は再婚したんだ!」「はぁっ!!いってー何時っ!!お前結婚は、こりごりだって言ってたじゃねぇかっ!!」「そうなんだけど、とにかく結婚したの!もうね、とっても素敵な人なんだよ!」「なんでぇっ!!惚気やがってっ!!そう・・か、再婚か。ま、おめーの人生だ、好きに生きろ」鼻の下を右手で擦って、ちょっとだけ嬉しそうな表情をする。お父さんが喜ぶなら、もっと早く報告にくればよかったかな!表情を見て少し反省!「ね、鬼殺し飲もうよ!一緒にさ!私の再婚祝いってことで!」(*´Д`*)「おいおい、酒飲んで平気なのか?ったく褒められた病人じゃねぇなっ!!」ぶつくさ言いながら、父はちゃぶ台に手をついて立ち上がり、背面にある茶色い食器棚から、夫婦の湯飲みを取り出した。少し大きい青い湯飲みは父ので、一回り小さな赤い湯のみが母が使っていたものだ。「懐かしいね、お母さんの湯のみ。まだ綺麗なままだね」「ああ。結婚祝いにあいつが買ってきたんだ。俺のはふちが欠けたりしてるけどな、あいつのはまだ綺麗な状態を保ってる」持ち主がいなくなった湯のみ。母の湯飲みを右手で持ち、立ったままの父は、感慨深そうに眺める仕草。雅夢、君もお揃いで買った湯飲みを私が死んだ後、父のように眺めるのかな。座ったまま見あげて想う。「ごめん下さいっ!!遠藤と申します!」ガラスの引き戸がノックされ、よく通る大きな声がした!「えっ!!雅夢?」思わず素っ頓狂な声で呟くと、父が私を見つめる。「何だ?お前ぇの知り合いか?」「知り合いじゃなく、結婚した彼よ!お父さん代わりに出て!」促されるように手にした湯飲みをちゃぶ台に置き、玄関に向かう。黙ってその背中を見送る。「あいよ!おめーさん誰でぇ?」引き戸を開けた父。全く、第一声がそれですか?お父さんってば~!雅夢、頑張れ~!((´∀`*))ヶラヶラ年下の彼が最初に父に会う。私は居間でその様子を眺めることにした。父より遥かに背の高い、雅夢の顔がよく見える。幾分緊張顔。ホント、可愛いんだから。「あっ!!初めまして、俺、遠藤雅夢と申しますっ!!金井美香さんのお父様でいらっしゃいますか?」「ん?金井美香は間違げぇなく俺の娘だが、どちらさんでぇ?」おそらく訝しげな視線を送られているのだろう、雅夢の表情が硬くて、見ている私はもう可笑しくて可笑しくてたまらないっ!!頑張れ!雅夢っ!!心でエールを送る!「あっあのっ!!実は先日、金井美香さんと結婚致しました、お父様にご挨拶が遅れまして、本当に申し訳ありませんでしたっ!!」「あん?おめーさんかっ!!美香の旦那ってぇいうのはっ!!おうっ!!今更、どの面下げて来やがったんでぇっ!!」あーあ!可哀想に!父は人をからかうのが大好きだから、早速意地悪されてるし。玄関の蛍光灯の明かりで、彼の顔が青白く見える。緊張しているのもあるんだろうな。何度も頭を下げる様子に気の毒になって、室内から声を掛けた。「ちょっと~!お父さん!あんまり雅夢を苛めないでよ~!寒くなってきたんだし、家に入れてあげて~!」ちゃぶ台に頬杖を付いて見守っていた私は、思わず助け舟を出す。「なんでぇ、美香っ!!お前ぇ助け舟出すの早過ぎだっ!!おうっ!!遠藤とか言ったな、此処で立ち話もなんだ、家に上がれっ!!」「はっはいっ!!失礼致しますっ!!」よかったね~!雅夢。家に入れてもらえて。うちの父は気に入った人間しか家に入れないんだよ。雅夢が居間から手を振る私に気がついた。ほっとした安堵の表情を見せて小さく笑う。先を歩く父は舌を出して、意地悪が成功したことに満足げな表情だし。(*´Д`*)美香が笑ってくれた。よかった!想っていたより元気そうだっ!!それにしても、この親父さんの眼光、怖いんですけどっ!!((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル風格があるというか、威厳があるというか、てやんでぇ口調が、すっげー似合うんですけどっ!!「あの・・これ飲んで下さい」部屋に上がる前に渡さなきゃ。背中に声を掛けると親父さんが振り返る。持ってきたのは「十四代 播州山田錦 中取り純米吟醸」酒屋で店主に勧められたものだ。「おう!十四代じゃねぇかっ!!こいつは嬉しいねぇ~!お前ぇさん、なかなか通だね」「あっ、いや、それ程でも」実は日本酒はあんまり詳しくない。十四代は亡くなった親父が好きで、よく飲んでいたから憶えていたんだ。嬉しそうな表情で土産を受け取ってくれた。まずはそれにほっと胸を撫で下ろす。背は165センチほどだろうか?小柄だけどがっちりした体格をしている。藍色の甚平姿から覗かせる黒く逞しい腕。この腕で、幼い美香と弟さんを抱き上げてきたんだろうか。「おう!遠藤!さっさと上がりやがれっ!!」ふん、ま、顔は悪くねぇな。だが随分若そうだ!挨拶と礼儀はまあ合格点だろう!美香の元旦那よりずっといい。「お邪魔します!」よく通る声でたたきに上がり、玄関先で靴を揃える仕草。ん、若いけど、親からのしつけはちゃんと出来ているようだな。何気ない仕草で判るってぇもんだ!室内を興味深そうに、ゆっくりとした動作できょろきょろと見回す若造。「なんでぇ、そんなにめずらしいか?変わったもんなんか特に置いてねぇぞ?」「あっいや、そうじゃないんです。俺の父は大工だったんで、実家と同じ空気を感じたというか、なんと言うか」「ほう?おめぇさんの親父さん大工か?随分若そうだが、ところでぇおめぇさん幾つだい?」「俺は24歳です。出身は宮城の仙台になります」「宮城か、いいところだな。美香の母親も宮城でなぁ、縁があるのかねぇ。まっ、殺風景な部屋だが突っ立ってねぇでとにかく腰下ろせ!」今時の風貌の若造だが、どこか純朴で素直そうな男との印象を抱いた。美香、おめぇ、随分若い男と結婚したんだな。自宅に来たばかりの時、少し疲れた顔の娘を見て不安になったが、この男を前にし、今はニコニコ顔だ!この男が余程好きなんだろう。甲斐甲斐しく自分の座布団を譲ってやがる。 ったくしょうがねぇな!女ってぇ奴は、好きな男を目の前にするってぇと、こんなにも生き生きとするもんなんだな。亡き妻の笑顔を想い浮かべ、思わず苦笑!溜息をつき、床に腰を下ろしあぐらをかいた。「おう!遠藤!さっさと座れ!美香の事情はさっき聞いた。おめぇさんには苦労を掛けるが、本当に済まねぇ」俺の言葉に立ったままのこの若造は、無言のまま床に正座をし、両太ももに手を添えて、ゆっくりとした動作で頭を垂れた。「いえ、俺、これから先、全力で美香さんを支えます。その覚悟がなければ、彼女と結婚しようなんて思わなかったですし。お父さんどうぞ宜しくお願い致します」若いがそこそこ覚悟があるってぇ事か。そうだな、生半可な覚悟じゃ病を患った美香と、力を共にして戦って行けねぇだろう。「ちゃらちゃらした感じがちったぁ気に入らねぇが、ま、生涯の伴侶として美香の選んだ男だ、親父としては口は挟めねぇからな。ま、折角来たんだ!一杯引っ掛けっか!おめぇさん、いける口か?」いたずらっぽい表情で、俺を見つめ、口の端をあげてニヤリと笑う親父さん。「はい!飲兵衛親父の子ですから!」そう答えると 「そいつぁ楽しみってぇもんだっ!!おう、美香っ!!お前も父親と同じ様な、飲兵衛男に惚れちまったかっ!!こりゃあ今夜は楽しい夜になりそうだなっ!!」親父さんは屈託なくガハハと笑う。俺は仏前にお線香を上げさせてもらい、それを確認した親父さんは、和卓に置いた持参の14代に手を掛けた。オンナ心 気持ちへ
2008/10/01
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昨晩は主人に、このパソコンでも画像を載せられるように設定してもらいました。まだ縮小していないから、アップできないんだけど、さすがにぐはぁな写真が多くてですね、カメラから画像を移している最中、食品トレーで画像を隠していた緋褪色です。だってぇ・・・笑ロいんだもん。。゚(゚ノ∀`゚)゚。ァヒャヒャじゃあ撮るなよ~!'`,、'`,、 '`,、'`,、('∀`) '`,、'`,、 '`,、'`,、いや、でも撮らないとっ!!挿絵と同じですからっ!!(。-∀-) ニヒ♪一日一回必ず笑ロのロボからの書き込み、ウざいんですけど~!おとといきやがれ~!そんなんでそのURL訪問する人間なんかいるのかな。やって5万貰う人間、せいぜいエイズ感染にでも気をつけてくれたまえ。フー族のほうが余程安心のような気がするけどな。何度も書いているけど、行為は神聖なものだ!冒涜は許せないね。オンナを道具みたいに想うそういう男がいるから、えーヴいの男どもの表現ってぐろいのかね~?犯されるのとか多いよね。そんなの絶対嫌なのに。それにオンナに対する知識なさ過ぎ。男の人って。もっと女の体勉強したほうがいいよ。そうそう!女性の作家さんが書いてましたが、反吐が出るほどあれをしたいと。なるほどって想ったね。女性は30過ぎると性よくが上がるんだそうです。子どもを授かるのにいい時期なんだそうで。精神的にも安定期に入るんでしょうね。へ?自分ですか?欲求不満とかじゃありませんよ。そういうシーンが多いのは人間として当たり前の本能だもん。むしろ書かないほうが変だよ。じゃあ君は一生しないのかっ!!色欲は大切なんだぞっ!!(*´Д`*)抱かれたい、抱きたいと想わなくなったら、それは人として精神が病んできているんじゃないのかな。今BLが人気ですけど、あれもねリアルな恋愛が出来ない人が、男性同士の恋を楽しむんだそうですね。恋はしたい。でも抱かれたくない。リアルで気持ち悪いから。はーっ!!世も末ですな。だから子ども減っているのかね。あんなに楽しいものはないけどな。人を抱くのはエネルギーを分かち合う行為だと想うんだよね。だから雅夢は美香を求める。それは彼の生きるエネルギーを与えたいから。年をとっても恋愛ってするでしょ。恋をすると若くいられるんだってさ。私もずっとときめいていたいな~!((´∀`*))ヶラヶラきっと美香は今が一番幸せなんだろうな。24歳の若い旦那ですよ~!きゃああっ!!美人は得だね~!え?自分ですか?美人ですけど何か?(そこ!石投げないで)自分ナルシストなので。(おいおい)でも眼鏡ないと、もっと美人です。(木刀で殴らないでください)女は皆ナルシストなんだよっ!!'`,、'`,、 '`,、'`,、('∀`) '`,、'`,、 '`,、'`,、世の男性諸君。自分の妻に、いつも綺麗で若々しくいて欲しいなら今日も綺麗だねとか、素敵だねって言わなくちゃいかんのですよ!此処で書くって事は、相方、君にも当然訴えていたりする。(*´Д`*)私は我儘な女なので、常にちやほやされていたいんですな。とんでもねー女なのよ~!((´∀`*))ヶラヶラそれは君が一番よく知ってるか!相方!もうすぐ同窓会。うふふ!楽しみだな~!かつての悪がき達はどんな親父に、あの美人さんはどんなお顔になっているんだろうとか想像しては、ニヤリとしてます。おちびのお迎え宜しくね!車だから酒は飲まないけど、楽しいだろうな!え?口説かれたらごめんなさいって逃げろ?えー、そんなのつまんない~!(おいおい)いやいや、書いた事は冗談ですけどね。楽しみなのは本当です。私整形はしていませんが、小学校時代とかなり顔立ちが変化しています。小学校の同級生が、「だれ」と言ったくらい変わったみたい。しかも調子に乗った同級生が肩まで抱きおった。触るな~!ごら~!(怒)お前とは吊り合わんと想ったのは内緒だ!実に高慢な奴ですね、私。'`,、'`,、 '`,、'`,、('∀`) '`,、'`,、 '`,、'`,、エー女なんて、みんなこんなもんだと想いますけどね。本音なんてね出さずに、上手く振舞うもんです!肩を抱かれてたって他の男を想っていたり、なんか美味しいものご馳走してくれるかな?とか考えていたりするのよね。怖いね、女って。怖いのは私かっ!!(*´Д`*)さーて!相変わらず本音丸出しの、くだらん駄文ですがお話の続き、頑張りまーす!相方、ちゃんと読め!(命令かよっ!!)
2008/09/24
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宮城から帰宅後、雅夢が今日の夕食の買い物に行っている間、ブログを更新しようと、デスクに置いたノートパソコンを開いて気が付く。「これ・・なんだろ?」ノートパソコンについていた白い結晶。右手の薬指ですくい上げる。ざらざらとした、極僅かな少量の結晶。それはパソコンを開くと時折、手を置く部分に付いていた。以前から気が付いていたけれど、これってもしかして涙の跡なの?このパソコンに触れるのは、私と彼しかいない。だとしたら雅夢の?お気に入りの中から、フォルダを探し出し始めた。彼は何か隠してる。私のブログ、彼のブログ、リンクされている形跡はなくて、探しても探してもフォルダが多すぎて、タイトルからは見つからなかった。それならと、此処での彼のハンドルネーム「MIYABI・YUME」でGoogle検索。ヒットしたのは26件ほど。彼のブログタイトル「女王様と僕」、もう一つ結果にあったのは「愛する人との日々」という存在。これって、もう一つのブログなのかな。私に内緒で開設したの?パソコンの画面を前に、クリックするかどうか暫く悩んで、長い溜息の後「愛する人との日々」の検索結果の文字をクリックしてみた。タイトル「本音」これを書いたのは一昨日みたい。結婚式終えた後、私が睡眠薬を飲んで寝た後に、更新された日記。読み終えて想う。そうか君は、この日記を私に見せたくなかったんだね。だから新たな部分で・・・雅夢の本心が曝け出されている日記。何度も読んでいるうちに涙が溢れて止まらなかった。「雅夢・・・ごめん・・ね。君だって苦しいんだよね?」申し訳なさと、気が付いてあげられなかった彼の苦悩を想い、日記を前にして両手で顔を覆う。君もこうやって泣いていたの?夜中にパソコンの前で、聞かせない様に必死に声を押し殺して。苦しいなら一緒に泣いてよ!無理なんてしなくていいんだよ?君はまだ24歳なんだから。背負うには重過ぎる程の現実を、男だからって一手に引き受けなくていいんだよ。「何も心配いらないぞ。共に泣いて、共に笑って、時に苦悩し、喧嘩もするかもな。人間同士だからさ。それでもお前を離さない。最後まで。これから先どうぞ宜しく!」私のブログに、この言葉を書き込んでくれたじゃない!その通りでいいんだよ!もしかして私の存在が、重荷になっているの?だとしたら、そうだとしたら申し訳なくて、いっそのこと自分なんか、いなくなっちゃったほうがいいんだよ。どうせ先は長くないんだから。「ごめんね、やっぱり君とは、出逢うべきじゃなかったのかもね」BBSに書き込みをした後に小さく呟き、パソコンをスタンバイ終了させた。どうしよう、なんだか不安定だ。頭がズキズキと疼くように痛い。「明後日の検査入院、止めちゃおうかな」頬に流れていた涙を拭いながら、言葉に出してみる。少しふらつきながら、吐き気を堪えてデスクから立ち上がった。「ただいま!美香!あ・・れ?出かけてるのか?」家に帰るとマンションの室内は真っ暗で、ひっそりと静まり返っていた。吐き気が止まらないと訴える美香を部屋に残し、一人夕飯の買い物に出ていた俺。「美香?まさか風呂、じゃないよな」部屋中を歩き回って、風呂場、寝室と覗くけれど、何処にも彼女の姿は見当たらない。検査入院のバックも、寝室部屋に残されたままだ。酷く胸騒ぎがして、彼女の携帯電話に電話を掛けても、留守番電話になるだけで一向に繋がらない。「どうしたんだよ、何かあったのか?」一抹の不安が一瞬過ぎる。食材を全て冷蔵庫にしまった後、仕方なく大学病院で世話になっている、心療内科医の篠原医師に相談しようと思いつく。冷蔵庫に張ってあったメモ用紙を見て、彼女を診察してもらっている大学病院に電話を掛けた。電話を取った事務員は、事情を話すと、すぐに彼に電話を回してくれたようだ。「はい、篠原です」「あ、いつもお世話になってます。遠藤です。遠藤美香の」言葉を遮る様に、少し低い声が受話器から聞こえる。「あぁ!はいはい!遠藤さんのご主人ですね。どうかされましたか?」「あの、明後日検査入院なんですけど、美香が家にいないんです。体調良くないから、家に残していたんですけど、帰ったら何処にもいなくて」拙い説明に、時折相槌を打ちながら話を聞いてくれる、初老の男性医師。「そうですか、電話も繋がらないと。最近メンタルの方では変化ありましたか?」「いや、特に変わったところは・・結婚式も無事終えて、普段以上に元気でしたけど」「うーん、体調、今日はあんまり良くなかったんですね。そういう時は、気持ちが落ち込みますからね、行かれる場所の心当たりはご存知で?」「いえ、それが全く解らなくて。俺、彼女のことまだ良く知らないんです」それは事実だ。家族構成、兄弟がいるのかいないのか、知っているのは、美香に母親がいない事くらい。先生に聞けば、行き先のヒントが貰えるかもしれないと期待したのは、安易過ぎただろうか?不安な気持ちだけがただ焦り、部屋の中をうろうろと歩き回る。不安を察したかのように、先生は明るい口調で話す。「美香さんには、70歳になられるお父様がいましてね。もしかしたらそちらに向かわれたのでは?何でも相談できる方だと、御本人から聞いていましたから。住所と連絡先お教えしましょう。少し御待ち下さいね」「すみません、ありがとうございます!お願いします」礼を言って電話口で暫く待っていると、まもなく彼が再び出て、実家の住所と電話番号を教えてくれた。それを慌ててメモに取った。住所は千代田区神田紺屋町。ネットで調べようと、リビングに置かれた美香のノートパソコンを開く。「ん?何でパソコンの蓋が閉じかかってるんだ?美香、ブログ更新したのか?」独り言を呟きノートの蓋を上げ電源を入れると、スタンバイの状態だったらしく、すぐに起動した。確認すると、彼女のブログの更新はされていない。何気なくお気に入りを見たら、俺の秘密ブログの名前が追加されていた!「えっ!何で!まさかあいつ見つけちゃったのか!!」激しく動揺して、マウスを持つ手が震える!「やっべーっ!!ぐぐって見つけちまったのかもっ!!」ハンドルネームも本ブログと同じだったし、ましてや此処はアフィリエイトの関係上、集客力がある。一日一回程度の更新してれば、Google検索にヒットするのは確実だった。念の為、管理画面で秘密ブログを開いてみると、ブログの訪問履歴に彼女のハンドルネーム「美香2008」が残っていた。「あーっ!!やっちまったっ!!バカだ、俺っ!!」読んだのは間違いない!!同じところで、秘密ブログやるんじゃなかったっ!!「迂闊過ぎだぜっ!!」チッと舌打ちをして髪を掻き毟るっ!BBSには、彼女からの書き込みが残されていた。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・大好きな雅夢。秘密の場所に書き込まなくちゃならないほど、苦しかったんだね。ごめん。みんな私のせいだね。君の気持ちがひしひしと伝わってきてさ、涙が止まらなかったよ。「本音」以外は読んでいない。苦しくなりそうだったから。ね、パソコンにほんの僅かに残っていた、白い結晶。君の涙なんだよね?夜中に気が付かれない様に、声を押し殺して泣いていたの?その姿を想像するだけで、ホント申し訳ない気持ちで一杯になっちゃった。今日はあんまり体調が良くなくてさ、その為か悪いほうに気持ちが傾いちゃって、苦しいです。私、ちょっとの間君から離れようと想う。あまり雅夢に負担掛けたくないからね。実はがんの事、父親に話していなかったんだ。美香の母親も乳がんで他界しているからさ、父に言えなかった。母親に続いて娘までがんになるなんて、親不孝過ぎてね。雅夢との結婚の報告もしていなかったし、君は挨拶に行くって言ってくれたけど、二度目だし父には言わなくてもいいかななんて、考えちゃっていてさ。でも、帰ってちゃんと打ち明けてくる。男手一つで宮大工をしながら育ててくれた、尊敬する父親だからね。べらんめぇ口調の飲兵衛親父なんだけど、私と二つ下の弟には優しい父親です。弟がいることも言ってなかったね。彼は父の後を継いで宮大工やっているんだ。今は京都にいるからなかなか逢えないんだけど、姉弟仲は結構いいんだよ!私も人の子だからさ、人生経験の長い父に逢って母親が残した軌跡とか、写真とかを見て、そして何より母親を最後まで看病した、父の話を聞いてこようかと想っています。ごめんね、君だって苦しくて当たり前だよ。まだ若いんだもの。落ち着いたら連絡するね。暫くの間、私に電話しないでいいよ。私から必ず電話をするから、待っていて下さい。我儘言ってごめん。秘密ブログがそうじゃなくなっちゃったね。ホントごめん。 美香・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「謝らなきゃいけないのは俺のほうだよ、ごめんな」マジ情けねー。そうなんだ、親父さんもがんで、奥さんを亡くしているなんてな。美香、こんなときだから俺こそ、親父さんの話を聞かなくちゃいけないんじゃないのか?お前のお袋さんを最後まで看取った男の気持ち、自分こそ知らなくちゃいけないんじゃないのかな?想うと居ても立ってもいられなくて、一旦ブログを閉じた後、プリンターに用紙をセットして、MapFanから親父さんが住むという、神田紺屋町辺りの周辺地図をプリントアウトした。美香、お前と向き合わなくちゃ。苦しい時だからこそ支えたいんだ!妻の親父さんに、挨拶もしていない旦那なんて情けねえだろっ!!お前を追いかけて、これから実家に押しかけるからなっ!!美香が帰宅を拒んでも、何度でも何度でも足を運ぶから、情けない年下男を見限らないでくれよ!頼むから。地図が印刷されたA4用紙を乱暴に取り上げると、デスクに置いて、寝室のクローゼットに仕舞い込んだ紺のスーツを取りに行く。スーツに袖を通しネクタイを締めると、情けない俺でも、一端の強い男になれる気がした。待ってろよ!あんな日記見られちゃった後で言い訳がましいが、これでも気持ちの切り替え上手なのと、図太い根性だけは自慢なんだぜっ!!あの日記、秘密になんてしなきゃ良かったな。どんな本音でも、本ブログに書けば良かったんだ。見つけて読んだら美香が傷つくと、どうしてもっと早く気が付かないんだよ。落ち込んでいるであろう彼女を想い、心臓が締め付けられる痛みが走り、苦痛で唇をかみ締める。「美香、ホントごめんな!」口に出して彼女に謝罪。腕時計を見ると夕方の五時。携帯電話からタクシーを呼び、急いで逢魔が時に差し掛かった町に飛び出していった。オンナ心 父親へ
2008/09/23
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ちょっとっ!!美香、まるで俺が変態みたいじゃねーかっ!!男は皆笑ロいんだよっ!!ランジェは俺からのプレゼント。ちゃんと着てくれよ?特に紫のシースルー!結構真剣に選んだんだからなっ!!ああ!想像で鼻血がっ!!(おいおい)な、美香。此処からはマジ。お前が側に居てくれるだけで、俺も元気貰っているんだぜ。笑顔を見ているだけで心底幸せだって感じる。今日の美香は他の花嫁の比じゃないくらい、一番輝いていたんだ。俺、めちゃめちゃ誇らしい気分だった。お前を見て、他の新郎が振り返っているのには笑ったぜ!ありゃ一生、妻に嫌味言われるな。まあ、それ程美香が綺麗だったんだろうな!密かにガッツポーズしちゃったぜ!美香これから共に歩んで行こうな。美香が笑顔でいてくれる為に、精一杯支えてやるからな。何も心配いらないぞ。共に泣いて、共に笑って、時に苦悩し、喧嘩もするかもな。人間同士だからさ。それでもお前を離さない。最後まで。これから先どうぞ宜しく! 雅夢・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ん?無言でぐあああ~!と書き込んでいたので何かな?と思っていたら、あら~!嬉しいこと書いてくれているではありませんか~!ホント素敵な年下旦那です!もう、ぞっこんですっ!!マジなコメントありがとう!人´Д`*)ぁりがとぉ☆お返しに私もマジで書かなきゃ!((´∀`*))ヶラヶラねぇ、雅夢。私の生き方間違っていないよね?一番したくないのは後悔だよ。誇り高く潔くいたいんだ。私の軌跡をまとめるの、会社の方は小沢に任せたよ。彼も信頼おける有能な秘書だからさ。葬式はね、会社の人間は彼しか呼ばなくていいよ。今ね、人生最後のセレモニー、どう演出しようか考えてる。私の遺影は結婚式の写真にしてね!祭壇に飾る花は明るい花がいいな~!うーん何にしよう?それも楽しい悩みよね~!(*´Д`*)それと元気なうちに、ビデオ撮って欲しいんだ!来た人に見てもらう為にビデオメッセージ流すんだよ!「どうも~!遠藤美香でーす!皆さんお元気ですか」みたいな感じで、生前の感謝を言いたいんだよね。心から見送って欲しい人にだけ来て欲しいから、会社の人間は呼ばないの。そろそろ名刺から、呼びたい人間ピックアップしないといけないな~!やること多いね!なんだか近頃の私ってば、達観しているっていうか、あんまりくよくよしてないな。それはきっと、雅夢が側にいてくれている安心感と、心療内科の先生のお蔭もあるかもね。薬飲むのは好きじゃないけど、うまく付き合えば楽にもなるんだもんね!仙台から東京に帰ったらまた検査入院だね。首のしこりに、もう気がついているんでしょ?自分も気が付いたとき、結構冷静だったな。ついに此処まで来ちゃったか~!くらいの気持ちだったよ。ま、人間いつかは寿命で死ぬんだもんね!大事なのはどう生きたかなんだよ!それを教えてくれたのはこの病なのかもね。だから病にすら感謝だな!(*´Д`*)ね、雅夢。美香は此処で知り合った人達に逢いたいな~!って考えているんだけど、駄目?もちろんオフ会の時には君も一緒だよ!旦那様なんだからね!(。-∀-) ニヒ♪そうだな、時期的には入院終わったあとくらいがいいかな?それはまた二人でじっくり話しようね!あ、雅夢がパソコンに嫉妬の目線。(´Д`;)なので、今日はこれまで~!皆さんっ!!またねっ!!雅夢、あとで読んでね!(*´Д`*)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・明るげな美香の日記、彼女が眠りについた後、ベットの中で携帯電話から見ていた。「知ってたんだ、首のしこりに」呟いて左に寝ている美香を見つめる。睡眠薬の力を借りて熟睡中。気持ちよさそうに寝てる横顔は、まるで子どもみたいだ。なぁ、俺本当は、逃げ出したいくらい怖い。美香がいなくなるなんて現実を想像するだけで、焦りと絶望感に苛まれるんだ。一番お前がしんどいのにな。残される側は、失った後、いったい何を希望にして生きればいいんだよ。美香、俺さ、お前に内緒で、同じ場所にもう一つのブログ始めたんだ。俺の本音が沢山詰まった、気持ちのはけ口ってやつだ。そこはお前には見せられないよ。美香の前では常に強気で、笑ロい男でいたいからな。けど、支える側の苦しみを吐き出したくてさ、秘密の場所を作ったんだ。ごめんな。携帯電話を閉じて、美香を起さないように慎重にベットから降りた。ドレッサーに置かれたままのパソコンを起動させ、フォルダに入れておいた、秘密ブログにログイン。此処での美香のブログタイトルは「美香ちゃんの今日も頑張っていこう」(>д
2008/09/21
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相変わらず変なタイトルですみません。なんか身体のあちこちが痛い緋褪色です。こんばんは~!。゚(゚ノ∀`゚)゚。ァヒャヒャIZAYAさん、芽巳姫さん、quroerさんのところに届いたようですね~!良かった良かったっ!!(*´Д`*)自分、ものを作るの大好きなので、何か作り始めると寝食忘れて没頭するので、家族から嫌がられます。ね、相方!(。-∀-) ニヒ♪彼は最近ここを見てくれているので、ついこんな日記になる。今日はね、娘に髪を切ってもらったよ。私も娘の髪を漉いたよ。いい感じに仕上がりましたがな~!(*´Д`*)自分はけちなので、美容室代をケチるために、旦那の髪も子ども達も皆私が切っている。最近旦那は床屋だけどね。もう卒業というわけじゃないんだが、一応肩書きがあるからね。自分、ショートヘアーは久しぶりです。かなりクセの強い髪なので、うねる感じのロングヘアーが、ここ数年定着してたんですがたまにはショートもいいかな?なんて想いましてね、娘に切ってもらいました。うん!上手いもんだ!さすが私の子っ!!((´∀`*))ヶラヶラ月曜日22日は、息子が修学旅行から帰ってきます。また同時に、息子、長女の誕生日です。さて、ケーキでも作りたいのだが、オーブンが壊れてるんですが??。゚(●゚´Д)ノ。゚ヽ( )ノ゚。ヽ(Д`゚●)ノ゚。。゚ヽ(●゚´Д`゚●)ノ゚。ウワァァァン旦那~!どーしましょ~!゚。・゚ヾ(゚`ェ´゚)ノ。゚・。炊飯器、もしくは、パン焼き機でやるか??それともかろうじてトースターで頑張るか??ま、本年九月は例年に無いほどの経済危機。新規に買う物などありゃせんがなっ!!つーか、まずはパソコンなんとかせにゃ~!ですな。うちはCADやる関係上、XPじゃないと駄目なんだな~!相変わらず高いよね~!パソコン。いま使っているのはバイオなんだけど、なかなかよいな。これでMEじゃなきゃいいんだけどな~!これもフリーズしちゃうことが無ければいいんだが。このノートはキーボードのタッチが浅くてよいな。打つのが楽だ。そんな自分、実はブラインドタッチ出来ませんが、なにか文句あります??(>д
2008/09/20
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やっぱり痩せたな。裸のまま鏡を見つめて想う。時折全身を姿見に映して、身体を確かめる。解ってる。こんなの無意味だって。でも客観的にならないと、がんと戦っていけない気がした。いくら愛する人が支えてくれるといっても、自身に潜む病に立ち向かうのは、他でもない私自身なんだもの。胸から痩せちゃうんだな、女って。元々ふくよかでなかった胸は、微かなふくらみが残るくらいにぺったんこじゃん。あーあ、これじゃまな板だよ。「ごめんね、雅夢。魅力的な身体じゃなくて」呟いて一人で苦笑。胸の事を気にしているのを知っている彼は、慰める為なのだろう、こんな言葉で私に変な励ましをくれるんだ。「いいんだよ、俺は胸の小さな女が好きなの。それに一番大事なのは下のお口でしょ!」「もう、雅夢のえっちーっ!!でも、ありがと。下着買い換えないとなぁ~!」「じゃ、俺が選ぶっ!!シースルーなんてどう?これいいじゃん!美香に似合いそう」「えーっ!!紫?派手派手しいよ~!そっそれに・・・これってバストトップ見えてない?」「見えてる・・ね。それもセクシーでいいんじゃね?最終的には脱がしちゃうんだけどさ」「なんか、私達の会話、非常に笑ロくないですか?あっ!!これ素敵っ!!」「また黒~?たまには違う色のランジェ着てよ~!情熱の赤とか?」「赤はやーだっ!!せいぜい妥協して、さっきの紫のシースルーよ!」さっきまでベットの上で、通販のカタログを見ながら、二人でごろごろしながらしていた会話を想い出す。挙式後、ウエディングドレスのまま部屋に戻って、早速お姫様抱っこで寝室に連れて行かれた。立ったままキスをしながら、サテンのドレスをもどかしそうに脱がせて、白のガーターストッキングを見て、ちょっと照れたように笑った雅夢。「花嫁を犯すみたいでどきどきする。白の美香が俺色になったら、何色なんだろうな」「雅夢はきっと蒼だよ。私達が出逢ったのがBlue moonだから、ね?んっ!!」「すげーいいよ!見てごらん、美香。姿見に映ったお前の身体、めっちゃセクシーだぜ」一瞬でキスを奪い、私の背中を壁に寄りかからせ、唇から首筋にキスを繰り返しながら、ガーターストッキングを脱がしにかかる手。いつもより数倍温かく心地が良かった。立ったままの状態でさっさとショーツを脱がされ、右足を持ち上げられて、彼と一つになった。立ったままなんて初めての経験。いつもよりも激しく、私を求めるのはなぜだったんだろう。花嫁になったから?それとも特別な日だから?そんな事を考えながら、行為を味わっていたんだよね。抗う余裕などなく何度も快楽を味わう度、雅夢は意地悪な言葉を耳元で囁くんだ。「そんなにいいの?もっと声出して・・美香。ほら聞こえる?お前の此処の音。めっちゃ興奮しちゃうんですけど?」「あっ!!んンっ!意・・地・悪っ!ハぁ・・」声を上げないようにしても、いつもより情熱的なsexはそれを許さないかのように、更に深い処にまで入る彼。鏡に映っている私達の姿が視界の端に入る度、恥ずかしさでいっぱいになってしまう。顔を赤くすると益々嬉しそうな雅夢。「可愛いよ、美香。ぬれ顔がすっげー色っぽい!もっと夢中にならないと!鏡なんて気にしないの」「もうっ!!鏡の横で始めたの雅夢でしょっ!!」私の非難に小さく舌を出して、まるで悪戯っ子の表情をする。なんか悔しくなっちゃって、ピンクのマニキュアをした爪で背中を引っかいた。「イタタタっ!!美香っ!!痛いよ~!酷いなぁ~!止めちゃうぞ!」「鏡の隣では止めようよ~!ね?お願いだから?」「しょうがないなぁ~!ま、嫌だって言うのならしょうがないか」動きを止めて身体を解放した彼は、数回可愛いキスをくれた後、軽々と私をお姫様抱っこしてベットに運ぶ。その首に甘噛みして今度は私が意地悪すると、クスクスと笑い声を上げる。「美ー香っ!!くすぐったくて手に力が入らなくなっちゃうよっ!!よっと!」「君が意地悪ばかりするからでしょ!お返しよ!」!ベットにそっと下ろした雅夢がウインクして、私はあっかんベーで返す。まるで子どものような私達。「濡事の続きしよう!美香。お前の乱れる姿たくさん見たいな。今度は鏡無いから平気だろ?」「んも~!ホント閨事が好きですね、君は。ま、人のこと言えませんけど」もっとも、男の人で房事が嫌いな人はいないだろうけど。女だって好きなんだもんね。ふと考えて苦笑する私に、立っていた雅夢がベットに乗って、愛おしそうに視線を注いだ後、舌を絡めたキスをくれたんだ。その後はもう彼のペース。多分出逢ってから、一番求められたんじゃないかな。私が達する度にとても嬉しそうに微笑むんだもの、恥ずかしくなっちゃう。そういうものなのかしらね?男の人って。それにしても、雅夢ってばお風呂上がるの遅い。「どうしたんだろう?」独り言を呟いて、バスタオルを身体に巻きつけた後、寝室を出た。スイートルームの風呂の浴槽は広くていいよな。白の陶器で出来た、円形のジャグジー付きの浴槽なんて初めて入ったぜ。美香は一足先に上がったけど、くたくたの身体を休ませたくて、まだ風呂場に残っていた。時折、強烈な眠気が襲い掛かり、顔が湯船については目が覚める。「ヤベー!美香に見られたら寝ろって言われるな」つい独り言。「そうよ!寝なさい、雅夢。いつまでも入ってると身体ふやけちゃうよ!」バスルームのドアの外から彼女の声。「なんだ、居たの?もう一回入らない?美香」「えーいいよ~!私。もう髪も乾かしちゃったも~ん!」「なんだよ~!つれないな~!いいもん!強引に入れちゃうから。ほら!おいで!」湯船から急いで上がって、すりガラスのドアを手前に開けると、裸の彼女が立っていた。「なんだ入る気だったんだ。手、貸しな。万が一滑ったら危ないからな」小さく頷いて、華奢な右手を俺に差し出す。慎重にバスルームに足を踏み入れたのを確認し、美香のウエストに右手を添えた。痩せていく美香が気の毒で痛々しい。その部分は彼女が一番よく知っているし、俺も触れたくない。骨盤の骨がはっきり判るくらいだ。「入れるか?」問いにしっかり頷く。手を離すと少し笑い、浴槽の縁に左手を添えて、ゆっくりとした動作でジャグジーに入った。確認し俺も続く。「せっかくスイートに泊まれるんだもん、リラックスしたいもんね!」「同感。でかい円形のジャグジーってさ、セレブ気分じゃね~?あ、美香はセレブだっけ!」座りながら答える。「ごめん、セレブって言葉、あんまり好きじゃないよ。自分には似合わない言葉だと想ってるから」「ふーん。そうなんだ」特別視されるのが嫌なのかな。ま、俺にとっては、美香は美香でしかないんだけど。「ね、何でそんなに離れてるの?あ、襲われると想って警戒してるんだろっ!!」「そりゃそうよ~!雅夢は、発情期かっていう位激しいんだもん」「でも嫌いじゃないでしょ?こっち来いって。大丈夫、風呂場では襲わないから」上目遣いで軽く睨んで苦笑する彼女。ホント可愛い女だよ。「おいで。お前と寄り添って居たいんだよ」その言葉に頷き、対面に座った彼女は、湯船に浸かったままゆっくり身体を移動させる。その身体を背面からゆっくり抱き締めて、首筋に口づけた。「お前に元気を与えたいから、何度も何度も抱くんだぞ。解ってるよな?」「解ってるよ。ありがとね、雅夢」そう十分過ぎるくらい解ってる。君の気持ちも励ましもね。命を吹き込むような彼との交わりは、生きる元気を与えてくれている。力強い彼の腕から伝わる温もりは、挫けそうになる気持ちを支えてくれるんだ。「雅夢、ホント感謝してるよ。甘えちゃうばっかりになるけど、夫として最後まで支えてね」「当たり前だろ。お前の旦那だぞ。いっぱい甘えていいんだ。全部受け止めてやる。何も心配するなよ。美香は自分の事だけ考えればいい」そうさ、それだけでいい。美香が、一日でも長く命を繋ぎとめられるなら、何だってするよ。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・どうも~!美香ですっ!!ちょっと間が空いちゃったけど、更新です!今日は大好きな雅夢と、結婚式を挙げました。花嫁姿に、彼も嬉しそうだったな。参列者は彼のお母さんだけだったけど、幸せです!さっきお風呂から上がって、雅夢はベットでランジェリー見てます。え?なんでかって?それはですね、美香の胸がまっ平らになっちゃったからでぇすっ!!ああ~!ただでさえ貧乳なのにぃ~!雅夢のようなまっ平らです~!ブラ要らない?雅夢が気を使ってランジェ選んでくれているんですが、彼の選ぶものは、とっても笑ロティックなので、どんなものが送られてくるのか怖いです!一度に二十枚ほど注文すると張り切っています。なんだかえらく真剣なんですけどっ!!この際だからばらしちゃお~!彼はね、とってもえっちぃなんです。閨事大好きなんです。油断してると、昼も夜もあったものじゃなく襲われます。男の人ってそんなものなんですかね?それとも雅夢だけ?若いからか??あ、こっち見てます。手招きしてます。どうやらランジェ選び終わったようです。見てみましょう。って!!いやああああああああって感じのばっか丸がついてますっ!!雅夢に選ばせるとみんな超セクシー系ですっ!!しかもニヤッてしてますっ!!笑ロ~い!却下は受け付けないそうですっ!!ああ!もう携帯から注文を始めてますっ!!うああっ!!なんて男だ~!数日後に怪しげな下着が届くんだろうなぁ~!それを着させられてニヤリと笑う彼が想像できます。雅夢がパソコンよこせと言ってます。では此処からは、彼の書き込みです!雅夢君、どうじょ~!オンナ心 秘密の場所へ
2008/09/18
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15日にロー○ンで発送した例の物、30円の料金不足で戻って来ちゃった~!(>ддд
2008/09/17
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同じ志を持つ人がいるんですが、書き続けないと死んじゃうらしい。でもそれは私も同じだな。ただ言わせて貰おうか。どうすれば生き方に共感できるかなんて、考えないほうがいいよ。人は人。自分は自分。他人からの評価を期待してどうするのだろう。そんなの無意味なのに。ええカッコしいはいつかぼろが出る。綺麗に繕ってもそれが本性でなかったら、ばれた時人は腹を抱えて笑うだろう。無様だねって。作品には、その生きてきた過程が出ると考えている。丁寧に生きてきた人は作風は穏やかだ。私のように、ま、この年齢の割にいろいろあった人間は、作風も波乱万丈である。(。-∀-) ニヒ♪だから面白い部分もあるよね。ホント人にはドラマがあるのだなぁ~!とつくづく想う。此処じゃ書けないが(いや書きたくないが)実家もいろいろありましてね、しかも厄介ごとだし困ったもんだ~!(´Д`;)金が絡むと人間本性が出るよ。嫌なものだね。なくてはならないものだから、余計に固執するんだよね~!ああ!早くあの場所がなくなってくれないかなぁ~!いまだに怖くて行けない大嫌いな場所。禍々しささえ感じるその場所は、多くの負のエネルギーで満ち溢れている。足を踏み入れる度に何かが纏わりつく気がするんだな。命を吸い上げられそうな空間って、多分本当にあるんだろう。((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブルま、あんまり思い出したくないので止めておこう。本題に戻ろう。何を書きたいのか明確じゃないと、読み手には伝わらない。何度も繰り返し書いている。自身で作品と言うならば、読んで面白い物にしないとね。自己満足ならばそれでいいでしょう。ただ、それではプロにはなれない。いまだにリンクしていた人のことを、ぐちゃぐちゃと書いているみたいだけど、何で外されたままなのかご本人解っていても、まだ触れているんですね。本当にしつこいね。もう場所は見つけられている以上、へたな事は書かないほうがいいですよ。私も場所知っているしね。足跡であなたが此処に来てるのも知っているし、内容ももちろん読んでるよ。ま、名誉毀損にならない程度にやってください。誰のことを書いているのかなんて、自分にはよーく解っているけど。昨日はメール送信してやろうかと想ったぜ。私は自分のことでは切れないけれど、知り合いのこととか、尊敬している人のこととかを悪く書かれると、物凄く激昂するタイプ。まさに今、獅子の歯噛み状態だ!なぜそうなったのかは、全て自分のせいだって解ってるでしょ?病気になったって頑張っている人はたくさんいる。同じ病でもみんな必死に生きてるんだ。あなたに送りましょうこの言葉を。死児の齢を数える。意味は自分で調べてよ。広辞苑見りゃ載ってるさ。解る人には解る、緋褪色からの二度目の警告でした。
2008/09/16
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「ごめん・・ね。こんなのってらしくないよ。元気だけが売りなんだけどな」彼に貸してもらったハンカチを握り締めて、目元を拭う。あーあ、気合を入れてアイメイクしたのに、きっと落ちちゃっただろうな。「ごめん、私、メイク直してくる」皇牙君の胸から身体を離す素振りをすると、背中に触れていた大きな手が離された。「待ってますね」顔を見ないように答える。泣いた顔を見られたくないよね、こういう時。それに好きな人の泣き顔って、自身も凹んでしまう。パウダールームに向かう真里菜さんの背中を、シートに座ったまま見送った。雅夢さんのように女性を笑顔に出来るかな、俺。一般のお客でも上手く励ませられないのに、想いを寄せている人を笑顔になんて出来るのか?人を元気にさせるのって難しいよ。雅夢さんって凄いんだな。落ち込んでた美香さんを、ほんの1時間ほどで笑顔にさせちゃったんだもん。彼らの側に居たのに、ただ水割りを作り続ける事しか出来なかったんだもんな。どうやったら元気を与えられるのか?しっかり考えなくちゃ。ポケットの中から携帯電話を取り出して、イヤフォンを取り付けた。俺は音痴だからな、雅夢さんみたいに歌えないもん。せめて音楽で励ませたいんだ。耳にイヤフォンを取り付け選んだのは、YUIの「Rolling star YUI Acoustic Version~」この曲なら、凹んでる真里菜さんを力強く励ませそう!「うん、これがいい」独り言を呟き頷く。パウダールームから戻ると皇牙君が少し微笑んで、シートに座った私の耳にイヤフォンを取り付けた。流れてきたのは女性の声。「これって・・」言い掛ける唇に、彼は右手の人差し指を押し付け、無言のまま首を左右に振る。黙って聴いて欲しいってことね。目を閉じて音楽に意識を集中させた。これってBLEACHのオープニングだったな。確かYUIって女の子が歌っているんだ。アコースティックの音が心地いい。そうか、皇牙君なりの励ましなんだね。落ち込んだ背中にバイバイバイ・・か、ほんとそうだよね。目を閉じたままじっと聴き入る真里菜さん。俺からのエールです。不器用だから言葉じゃ上手く言えないけど、少しでも元気になって欲しいんですよ。落ち込んだとき、この歌を想い出して気持ちを切り替えていきましょう。俺もそうしてきたから。一つの歌が、俺と貴女を繋ぐなんて素敵じゃないですか?雅夢さんが美香さんを励ます為に、GReeeeNのキセキを歌ったように、落ち込んでいる貴女に聞かせたかった。それがこの曲なんですよ!イヤフォンを分け合いながら、目を閉じYUIの歌声に耳を傾けている僅かな時間。ずっと長く続けばいいのにな。いつの間にか口ずさんでいた私。歌えばもっと元気になれるような気がするね。ありがと皇牙君。君からの励まし、深く心に沁みたよ!曲が終わり、左耳に付けられたイヤフォンをそっと外す。「うん、今の気分にぴったりだね!ありがとう!嬉しいよ!私からもお礼させて」「お礼なんていいですよ!真里菜さん?んっ!!」!!!両頬を小さな手で包み込んだ彼女は、ただ唇を重ねるキスを一瞬で奪って、真っ赤な顔で俯いてしまった。驚いて瞼をパチパチさせる俺と、膝に手を置いたまま恥らったままの真里菜さん。うっ嬉しいんですけどっ!!つられて真っ赤になるのがはっきり判った!背筋を伸ばして周りをきょろきょろと見回して、他のホスト達を見つめる!皆接客に集中してるし、幸いシートの高さで誰にも気づかれていないようだ。つまり・・・これはチャンス?だよな??心臓はバクバクいってるのに、どこか冷静な感情。やっぱ俺も男なんだな。真里菜さんの手を取ると、弾かれたように困惑した顔を上げる彼女。手を離してされたときと同じように、彼女の両頬に触れてみる。潤んだ愛らしい瞳と、グロスをたっぷり重ねた可愛い唇に心が躍るよう!「先にキスを奪われるなんて、想像もしなかったな」そこまで言って優しく唇を重ねあう。もう今までみたいに、君の前で僕なんて言わないよ。あれはあくまで、接客の為に自身を表す言葉なんだから。「まぁ~!綺麗な花嫁さんだわっ!!美香さん、最高に綺麗よっ!!」「当ったり前だろっ!!俺の選んだ女なんだぞっ!!」もう、そんなに大きな声で言わないでよ、恥ずかしくなっちゃう!二度目のウエディングドレスを纏うなんて、考えてもいなかったよ。お化粧も綺麗にのって、鏡を覗いても健康体に見える。ありがとね、雅夢。最高のプレゼントだよ!口には出さないけど、精一杯私を支えようとしてくれている、年下の愛しい人。私が望むことをみんな叶えてくれそう!今日は病の事は思い出さないよ、最高の晴れの日だもんね!時折、慈愛の眼差しをくれる雅夢とお義母さんの会話を、チェアーに腰掛け微笑みながら見守る。マジ綺麗だぜ、美香。まるで少女のような微笑を浮かべる愛しい人。今を生きている命の輝きで、きらきらとオーラが煌いているように感じるよ。お前が笑顔になるなら俺、なんだって出来る気がする。たとえ死が俺達を別ちあっても、また来世で巡り合う。そう信じたから結婚を申し込んだんだぜ!これから先は想像以上に苦しい日々だろう。でも共に頑張っていこうな!美香。想いを込めて彼女に微笑むと、飛びっきりの笑顔で応えてくれた。「そろそろチャペルに行くか!セレモニーの始まりだ!」右手を差し出し声を掛けると、ゆっくりと頷いて手を握り締めた。「お前、出張中何処に行ってたんだよ?お前のお袋さんから、連絡がつかないって俺に電話があったんだぞ!」日曜日の昼間、昼食の準備中に背中から投げかけられる、旦那一弥からの非難の声。息子貴俊が、実家にいるせいもあって冷静だった。「別に。たまには羽伸ばそうと思って、お友達と会ってただけよ。何か文句ある?」キャベツを切る手を止めて答える私。「何だよ、開き直るのか?随分とふてぶてしいな。別に出掛けるなとは言わないけどさ、子どもを実家に預けてまで、行かなくたっていいんじゃないのか?」「冗談じゃないわよ。出張中女と会ってるくせして。私にはずっとおとなしく子どもの面倒と家事、仕事をこなしていればいいとでも言いたいの?」振り返って彼を睨みつけて答えると、その言葉に絶句する旦那。随分と正直な反応だわ!「知らないとでも想ってたの?とっくに知ってたよ。一弥に女がいるって。貴方の付き合っている女性は、とても嫉妬深い人みたいね。一日に何度も無言電話を掛けてくるわ。酷いときには一弥と別れてって、留守電に入ってたり、同じ内容のFAXを送ってきたり」「なんなら証拠見せてもいいわよ!全部残っているから」本当はそんな事実などない。だけど本気にした一弥は、動揺したまま言葉さえ出せずに立ち尽くす。素直な人ね、相変わらず。好きだったわ、以前はそんなところがね。でももう私の中で、貴方に対する想いは消えてしまったみたい「知って・・たのか」「知ってたよ。何処の何さんだか知らないけどね。長く一緒に居るんだもの、気が付かないほうがおかしいわ!一弥が私と別れたいなら別れてあげる。もうとっくに未練なんてないんだから」「ちょっちょっと待てよっ!!俺達夫婦なんだぞっ!!貴俊もいるんだ、そう簡単に離婚なんてするべきじゃないだろっ!!」「何言ってるのっ??不貞を犯しておいて今更なによっ!!縋り付くなんてみっともないわ!男らしくないよっ!!」つけていたエプロンを外し、彼に投げつけた!「私、実家に帰る!貴俊は一弥には渡さないからねっ!!さっさとその女のところにでも行けばっ!!もう馬鹿馬鹿しくてやってらんないよっ!!」テーブルに置いてあったバックを取り、中から車の鍵を見つけ出し、玄関まで早足で歩く。「待てよっ!!真里菜っ!!何処に行くんだっ!!」「一弥には関係ないでしょっ!!ほっといてっ!!」玄関まで追いかけてきて、肩を掴む彼の手を弾く!「言っておくけど、一弥の不貞が原因なんだからねっ!せいぜい、いい弁護士でも見つけておけばっ!!」よし!よく言ったぞ私っ!!ずっと我慢していたんだもん、これぐらい言わせてよっ!!唖然とした表情で玄関に立ち尽くす旦那を横目に、大きな音を立てて玄関のドアを閉めた。「これでいい。もう後戻りなんてしない」独り言を呟き、駐車場に置かれたワゴンRに乗り込んで、エンジンを掛けた。そうだよ、これからは正直に生きたいんだ。失うものは多い。だけど得るものだって多いはずだよね!皇牙君、私、思い切って一歩踏み出してみたよ!君の存在が私の背中を押してくれたんだよ!Rolling starの歌詞を口ずさむ。「もう我慢ばっかしてらんないよ 言いたいことは言わなくちゃ帰り道夕暮れのバス停 落ち込んだ背中にBye Bye Bye君のFighting pose 見せなきゃOh! Oh!」そうだよ、もう我慢したくない。女40歳。まだまだ枯れたくないんだよ!求めない人より、求めてくれる存在に寄りかかりたいんだ!美香、貴女もきっと同様の立場だったら、同じ決断をしたよね?運転しながら、尊敬し憧れの彼女を想う!オンナ心 君の支えにへ
2008/09/16
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IZAYAさん、芽巳姫さん、天の字さん、quroerさんへ私信です。本日発送いたします。無事に届くといいな!(*´Д`*)何分手作りの物なので、至らない部分等ありますが、どうぞお納めくださいませ!残念ながら面接した会社からは、連絡はありませんでした。ま、しょうがないな。幼い子がいると、就職させたくない企業も多いからね。ただ、幼い子どもがいるから就職させないと考えるならば、女性は子どもを産めないよ。ただでさえ日本経済おかしいんだもん。男性同様、子持ち女性も働かないといけないのにねぇ。これじゃ少子化はどんどん加速するばかりだ。白雅の会社はいい企業だったんだな~!。゚(゚ノ∀`゚)゚。ァヒャヒャ自分が就職したいくらいだっ!!本日は敬老の日。義母は同窓会で宮城に里帰りしております。お祝いしたかったんだけど、不在じゃしょうがないね。(´Д`;)久しぶりに物を作る作業をして、書くのも楽しいが、作成の作業も楽しかったよ!元々物を作るのは大好きなので、形になっていく光景を見ていると、うきうきするんだ~!アマチュアなので精度の高いものは作れないのだが、作る工程が楽しいいんだよね。本来ならこの部分を活かせる職業につきたいものだなぁ~!(>д
2008/09/15
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階下に下りた俺に、リビングにいたお袋は、顔を見るなり開口一番にこう言った。「雅夢。美香さんみたいなタイプ、私好きよ。あんたの選んだ人だもの、全身全霊を尽くし、彼女を愛してあげて。きっと彼女の望みはそれだけなんだと想うわ!」「なんだよ、いきなり。そんなのお袋に言われなくても、十分解ってるって」冷蔵庫から、缶ビールを取り出しながら答える俺。お袋は椅子に腰掛けたまま、黙ってその行動を眺めている。「美香との出逢いが、最初がホストと客の間柄であっても、俺は自分の仕事に誇りを持ってるから、恥じたりしないし、彼女もまた同様だと想う。今までずっと苦しくても何もかも抱え込んで、突っ走ってきたんだろうな。誰にも寄りかからずに」そういう女だ美香は。もうそんな辛い想いさせたくないよ。頼ってくれるよな?これから先は。お袋の言うとおり、年下だし頼りない部分も多々ある。だけど俺の中の男の部分を目覚めさせたのは、間違いなく彼女なんだ。立ったまま、プルタブを引き上げてビールを口に含む。子ども・・か・・。出来るなら欲しいよ。美香との子ども、可愛いだろうな。ぼんやり考えている俺に、お袋が再び声を掛けてきた。「ね、彼女の言う人生の総仕上げ、私にも手伝わせてね。遠藤家に縁した人なんですもの、大切にしなくちゃ。見送る側は、その人の生き様を後世に伝えなくてはいけないのよ」「私もお父さんとの事は、日記に書き留めていたわ。時折読み返しては涙したり、懐かしんだりしてる。過去を振り返り想いを馳せるの。そうすると、お父さんが側にいるような気になるわ」「生き様・・か。そうだよな」椅子を引きお袋の対面に腰掛ける。「な、今さ、美香に子どもが欲しいって言われた。日本じゃまだ代理母って認められていないだろ?姉貴のところに行けば何とかなるかな?」特に驚いた様子も見せない、俺の母親。少々のことにも動じないから助かるよ。「そう・・・美香さんが。そうよね、授かれるなら、それに越した事はないのですもの。花梨に聞いてみようか?」「うん。頼むよ」ありがたいことに姉は看護士。きっと力になってくれるだろう。問題は真里菜さんだ。彼女はOKしてくれるだろうか?いくら親友の為とはいえ、旦那のいる身分だし、そう簡単には返事は貰えないだろう。小さく溜息をつく。美香と雅夢さんが結婚したことも、二人が子どもを望んでいることも、何にも知らず普段通りの平凡な日々。ただ今までと唯一違うのが、旦那が出張で居ない時、実家に息子を預けて「Blue moon」に行く楽しみが出来た事。皇牙君は優しいし何より可愛い。すっかり虜になってしまっていた。今も、皇牙君に肩を抱かれ夢見心地。お酒の酔いもあるけれど、彼の言葉はあたしの心を酔わせるんだ。「皇牙君といると楽しいなぁ~!帰りたくなくなるくらい。このまま時間が止まっちゃえばいいのになぁ~!」思わず本音。「真里菜さんには、素敵なご主人がいらっしゃるんですよね?僕は、家庭を持っていないから解らないですけど、結婚ってどんなものなんですかね?」「うーん・・・なんだろうなぁ、空気みたいなもの?かな。必要なんだけど見えないもの。上手く言えないけどそんな感じ」「はぁ・・・皆さん同じようなことを仰るんですよね。既婚者のお客様は。僕は好きな人との結婚に、憧れを抱いてるんですけどね。真里菜さんみたいな、可愛い女性だったら一緒になりたいな」「上手いね~!皇牙君!ヮ(゚д゚)ォ!段々ホストらしくなってきたね~!同様の言葉を、何人に言ってきたの?」信じないよっ!!これは彼らの常套手段なんだからっ!!「酷いですね~!(>д
2008/09/12
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なんじゃ?ですね、このタイトル。いやはやなんだか最近物入りで、首がまわらんとですっ!!゚。・゚ヾ(゚`ェ´゚)ノ。゚・。デスクトップのパソコン、ハードディスクやられちゃったみたいです~!うがぁっ!!まだ買ってもらって三年くらいなのに、ありですかっ!!。・゚・(*ノД`*)・゚・。誕生日プレゼントだったのになぁ~!(>д
2008/09/12
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彼の自宅の和室で、お義母さん、雅夢、私の三人で夕食を取る。三人だけだけど、結構賑やかで楽しいひと時。お義母さんの作って下さったお料理は、どれも真心が込められていて食卓に並んだご馳走は、素朴だけどとても美味しい。根菜類がたくさん入っている御煮しめは滋味で、亡くなった母を想い出した。女性の早世の家系に生まれちゃったのかな、私って。頂きながらふと想う。「どうした?元気ないな、大丈夫か?」彼が気遣う。少し笑って「大丈夫」と答える。「本当にどれも美味しいです。私、小学生のとき母親亡くしているんで、こういうお袋の味って作れなくて。お恥ずかしい限りです」「そう、でしたか。この味はね、お嫁に来た時お姑さんが教えてくれたのよ。実は私、お料理苦手でねぇ、包丁すらまともに握れなかったのよ~!」「へー!お袋がねえ!だとしたら随分進歩したじゃんっ!!初めて聞いた、そんな話」「話したことなかったもーん!一応出来るようになったから、言う必要もないでしょ?」「ま、そうだけどさ。美香もあんまり、料理は得意じゃないんだって。才女だけど、こういう部分があるって可愛くねぇ?その分俺が、美香に美味いもの作ってやるんだ!」「ちょっと、ばらさないでよ~!女なのに恥ずかしいじゃない!しかもお義母さんに申し訳ないわ!」「あーら!そんなの気にしないわよ~!雅夢にやらしておけばいいのよ!この子、料理趣味だから。さっビールどうぞ!出来る事は出来る人に任せる。それでいいじゃない!」「あっ!すみませんっ!!」ちょっと肩を竦めて、手にしたグラスにビールを入れてもらう。瓶ビールは久しぶり。接客もしなくなっちゃったから、縁がなくなってしまった。よくこうやって、注ぎつ注がれつやったなぁ。懐かしいな。ちょっと口に含む。「そういえば美香さん、お仕事は何をなさってたの?代表者だったって伺って、びっくりしちゃったわ!」ああっ!!ついに来たっ!!この質問。雅夢にも話していなかった、私の正体。うわっ!!雅夢も興味津々で見つめてるしっ!!はぐらかすことは・・・無理そうよね・・少しの思案の後話し出す。「あ・・私は、人材派遣会社の、代表取締役をしていました。かっ・・会社名は○○○○○○○○です」「はあっ!!」きたーっ!!やっぱり二人とも、想ったとおりの反応だしっ!!「すみませんっ!!すみませんっ!!隠していたわけじゃないんですけど、ちょっと知名度が・・あっ有り?過ぎて言えませんでしたぁ」「ちょっとっ!!美香っ!!お前それを今頃言うなよなぁ~!マジびびったしっ!!つか、お袋っ!!あー駄目だっ!!固まってるしっ!!」「ごっごめんっ!!CMも流してる会社だから、さすがにまずいかなって思って」あちゃー!道理で金持ってるわけだっ!!上場一部の、派遣会社最大手じゃねーかよっ!!つーか、いいのか?俺、こんな人と結婚しちゃったけどっ!!美香は、申し訳なさそうな顔をして項垂れ気味。「ま、言えないのは当然だよな、元々客とホストの関係なんだもん、俺達は」ようやく口をきけるようになったお袋。溜息の後話し出した。「はぁーっ!!びっくりしちゃったわ~!大きい会社の社長さんだったのね!うちの子とは雲泥の差だわっ!!そう、店で知り合ったんなら、身分明かす必要ないですもの。ちょっとっ!!雅夢っ!!あんた、しっかり美香さんを支えてあげなさいよっ!!」「解ってるよっ!!ん?あそこまででかい会社ってことは?美香って、やっぱ高学歴?」「高学歴かはわからないけど、一応早稲田大学、政治経済学部が最終学歴。大学院行こうか起業しようか迷って、結局起業を選んだの」「早稲田大学かよっ!!高卒の俺とはえらい違いだな~!」本当だったらつり合うどころか、出逢いもしなかった女なんだな、美香って。これもキセキっていうのかな?一瞬見つめた後、ゆっくりビールを喉に流し込む。「学歴があるから、その後の人生安泰とも限らないわ。現に今の自分がそうだし。ただ、病気になって見えてきたものは沢山ある。今までの自分は、どちらかというと冷徹で傲慢だったし、あの会社で私にいい印象を抱いた人は、ほとんどいないんじゃないかしら」「常に第一線にいて、人を押しのけて蹴落としてきた。リストラもしたし、裁判も起されたり起したり。絶対に人に負けたくなかったから。起業者としては成功しても、人生では負け組みなのかもね」「美香」「・・・」「あは!白けさせてごめんなさいっ!!忘れて下さいね。それに今の自分、嫌いじゃないですよ!忙しく働いていて気持ちが刺々しかった頃より、雅夢さんと出逢ってたくさんの愛情と優しさ、そして労わりを貰って、とても幸せな毎日なんです」そう、偽りの無い本心だ。彼と出逢って多くを学び、何より強い愛情で護られている安心感に包まれて、精一杯生きている充足感を感じてる。多分生きてきた中で一番幸せな時間なんだ。私の言葉に、二人は心底ほっとした表情を浮かべた。「すみません、変なこと言ってしまって。もうちょっとビール頂いてもいいですか?お義母さんもどうぞ!」瓶ビールを持ち上げて、義母に促すと柔和な視線で頷く。「ありがとうね。うちの子はまだまだ未熟で美香さんを支えるだけの器量、親目に見てもあるとは思えないのよ。ただ、貴女を心底好きだという部分はよく解る。投げかける視線や仕草でね」「なんだかお父さんと過ごした日々、貴方達を見て想い出しちゃったわ~!人を好きになるって、しんどい時もあるけれど、互いが成長する為に絶対必要なんだと想うわ!二人とも頑張りなさい!」「おう!こいつの為だったら、なんだって出来るぜ!その覚悟が出来たからこそ、一緒になったんだからな。美香、何も心配しなくていいからな」軽く彼女の背中を擦る。「うん、ありがと」自分の母親の前でも、堂々と私に対する愛情を表現する彼。人前だと、照れたり恥ずかしがったりするのが男性なのにね。あぁ、駄目だ!泣けてきちゃったよ・・・お義母さんはタオルを差し出してくれ、雅夢は私の肩を抱き寄せる。二人は言葉を発しないけれど、彼らの優しさと無言の励ましは、何よりの勇気を与えてくれる。頑張らなくちゃ、私。こんないい人たちに巡り合えたんだもの。今出来る事を精一杯やらなくちゃね。「あ、ごめん!起しちゃったか?」引き戸の音に反応し、目を開けた彼女に謝罪。「ん、ううん・・軽くうとうとしてただけ。お風呂上がったんだね」「ん。寝ていいよ。疲れただろ?あさっての挙式に備えて、十分身体を休ませないとな。花嫁が一番輝く日なんだから」布団の中の彼女にウインクを送ると薄く笑う。学生時代に過ごした八畳の部屋。そこに二組の布団をひいて、先に風呂に入った美香が身体を横たえていた。ごしごしと濡れた頭を、タオルでこすりながら彼女を見つめる。少し眠そうな顔。珍しく睡眠薬を飲んだらしい。枕元には薬袋が置いてあった。「眠れないか?慣れない場所だから?」布団の側に腰を下ろした俺の問いに、笑って首を左右に振る。「ううん、そうじゃない。ちょっと自分の中で堂々巡りが始まっちゃってね。それを追い出す為に飲んだだけ」「不安事?話せるならちゃんと俺に言えよ?一人で絶対に抱え込むな。お前の旦那なんだぞ?」その言葉に動揺したように、視線が泳ぐ。何か想いがあると、プロポーズする前から悟っていた。ホストとして女の気持ちを見抜き、手玉に取ってきたんだ。見抜けないわけがない。やがて暫しの無言の後、躊躇いがちに口を開いた。「ね、雅夢。子ども好き?欲しいって想う?」「ん?俺?子ども大好きだよ。俺自身子どもだから、ちっちゃい子がいたら一緒に遊べるぜ!」答えにまた黙り込む。子どもが欲しいのだろうか?でも、今の美香じゃ、それが絶望的なことなど本人が一番よく解っている筈。投薬、放射線治療、抗がん剤で一進一退のがんとの闘病生活。到底不可能なんだ。だから俺も子どもについて、何も言えなかった。彼女を苦しめると十二分に解っていたから。考えていると再び美香が話し出す。その声に耳を傾けた。「あのね、狩野と離婚したのは、彼との間に子どもを授かれなかったからなの。調べたら私には問題は無かったけど、狩野はSamenが少なかったの。おまけに子どもがあまり好きじゃない人だったのね」「25歳で結婚したんだけど、彼との気持ちのすれ違いは、生活を続けていても全く埋まらなかった。妊娠させるリスクが少ないものだから、彼は女遊びが激しくてね、それが原因で仕事を失ったり、所属事務所を解雇されたり、ま、いろいろとやってくれたわ、彼ってば」「しょーがねー男だな、美香の元旦那。お前も苦労したなぁ~!んで?本題は君が子どもを授かるためにどうしたらいいか?なんでしょ?」「話を理解するのが早くていいね、雅夢。私ね、27歳のときから埼玉県の病院で、自分の卵子を冷凍保存してるの。がんが発覚するまで毎年続けてた。問題は私には産めないって部分。でもどうしても子どもが欲しいの。ね、雅夢どうしたらいい?」縋り付くような視線。でもその中には何かしらの秘めた想い。背中を押して欲しいんだろう、でもそれには女性の許可が必要になる。「お願いしたいのは真里菜さん、なんだろ?」ゆっくり頷く彼女。代理母かよ・・・参ったな。日本じゃ認められていない部分だ。でも、美香の願い、叶えてやりたいよ。「美香。俺、いろいろと調べてみる。幸い俺の姉貴アメリカにいるし、もしかしたら向こうでなら、可能かもしれないだろ?大丈夫だ、俺に任せろって!」ずっと考えていたんだろう。打ち明けた後の俺の言葉に安堵の表情。「何も心配いらないぞ。お前は自分の身体のことだけを考えろ」そこまで言って、髪を撫で彼女にキスをした。ありがと。もう・・胸が一杯で言葉にならないよ!頼りないどころか、格好いいくらいに男らしいよ!君ってば!布団の上から優しく抱き締めてくれる年下君は、ゆっくりと身体を解放して、私の一番好きな笑顔をくれる。「今日は抱かないぞ、美香眠そうだから。でも、結婚式終えた後の夜は眠れないぜ~!覚悟しておけよ!おやすみ、奥さん!」「やーね!でも、ありがと。聞いてくれて。雅夢・・・大好きだよ」「俺も。ゆっくり休め。愛してるよ、美香」照れくさくても本心だもん、伝えないとな。立ち上がる前にもう一度キスをして、部屋の明かりを消した後、引き戸を閉めてお袋の居る階下に下りて行った。オンナ心 真里菜へ
2008/09/10
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宮城県仙台市。駅前の栄えている所から、車で約20分の距離。仙山線が近くに走る、仙台東照宮のすぐ側。それが俺の実家のある場所。車と電車どちらにしようかと思案していたら、美香は迷わず車がいいと提案した。「時間が掛かっても、車がいいな。雅夢は運転上手だし、もしも具合悪くても病院に行けるしね」「でも長旅だよ!七時間ほど掛かるぞ?大丈夫かよ?」「平気!向こうで、車でぶらぶらしたいんだもん!仙台は仕事でしか行ったことないし。観光気分もいいかな~って!」屈託の無い笑顔を浮かべて言う。「じゃ、そうするか!時間が掛かっても、電車よりは俺も楽だ」同意をして、たんまり東京土産を持ち、入籍したばかりの彼女を伴って一ヶ月ぶりの里帰り。お袋には事前に美香と入籍したと、電話で伝えておいた。故郷に錦を飾るってわけでもないけど、俺の所有する、白のベンツE320は近所の注目の的だ!女に貢がせた車だけど少し誇らしい気分。だけど何より誇らしいのは、妻になった美香が、他の誰よりも美しい女だからだ。運転席を降りて助手席のドアを開けて、美香をエスコート。その様子を、俺を昔から知っている近所のおばちゃん達が、唖然として見つめている。降り立った彼女は動じることなく、微笑で丁寧におばちゃん達にお辞儀で返す。さすが元社長!振る舞いも堂々としてる。かっこいいよ、美香。「お袋が待ってる。家に入ろうか」声に少し顔を赤らめて「はい、あなた」なんて答えるんだもん!マジどきどきしたぜ!ヾ(;´Д`●)ノぁゎゎでも気分はめっちゃ嬉しかったり。改めて夫婦になったんだなって感じさせるよ。彼女も、その気持ちを伝えたくて答えたんだろう。美香の右肩を軽く抱いて玄関のガラス扉をスライドさせた。「ただいま!お袋!帰ったぜっ!!」つい声が大きくなっていた。和室に通されて正座をする。お茶を出してくれた雅夢のお母さんは、想像以上に明るく楽しい人で、初めて会って緊張気味の私に明るく声を掛けてくれた。「まあぁ~!ほんとよく来たぁっちゃぁ~!あんらーすっごいびっじんだこと~!ちょっとぉ雅夢っ!!あんだ随分めんこい嫁さんば、つかまえたっちゃぁ~!」((藁´∀`)) 「あんっ!!俺が選んだんだぁ~!たりめーだろ~!つか、訛るからやめてくれっ!!お袋!!俺もう!東京人なんだからなぁ~!って直らねーしっ!!」(>дд
2008/09/09
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その日の俺は、執拗に美香を何度も求めた。彼女の脳裏に、俺との記憶を刻み込みたかったから。ベットだけじゃなく黒の皮製のソファーでも、風呂場でシャワーを浴びながらも美香を攻め続けた。時に激しく淫らに乱れる、可愛い女。愛し合う行為は、俺のが出なくなるまで続いたんだ。もう、くたくたになるくらい多くの快楽を味わって、最後には酷く腰も痛くなるほど愛し合った。その後美香を抱き締めて、先に眠りにつく彼女。その右の扁桃腺付近に、小さなしこりのようなものを見つけた。「えっ!!これって・・・」嫌な予感が胸を貫く。彼女を起こさないように、そっと触れてみる。「リンパに転移が始まっているのか?嘘・・だろ?」リンパに転移という事は、まもなくがんが全身にまわるという前触れだ。「美香・・・」最悪の想像が頭を過ぎる。もしも今後、脳に転移したら彼女は、彼女でなくなるのだろうか。以前は穏やかだった、同じがんと戦う中年男性が、抗がん剤の薬の副作用のため、病院の待合室で攻撃的な言動をして暴れているのを見た。もしも美香がそうなってしまったら・・・いや、そんなはず無い!美香はそうならないっ!!しっかりしろよっ!!俺っ!!一番しんどいのは美香なんだぞっ!!ただ、悟った。俺達に残された時間は、そう長くはないと。軽い寝息を立てて、気持ちよさそうに眠る彼女。その髪を撫でながら頬にキス。ベットの中に入る前、密かに決意していたことを美香に伝えた。男としての俺の決意であり、きちんとけじめをつけたかったからだ。触れながらその出来事を思い返す。行為が終わって、裸身のまま彼女はピアスを外しに、ドレッサーの前に腰を下ろした。それを横になりながら見守る俺。鏡に映り込む綺麗な身体。また痩せたみたいだ。見つめる視線に気がついたのか、鏡の中の彼女は柔和な視線で微笑み返した。俺も美香にウインクで返す。艶のある自慢の黒髪を、丁寧にブラシで梳かしている。少しずつ髪が抜ける量が増えてきて、ドレッサーの前で不安そうな顔を浮かべている姿を見るたびに、ベットで見守る俺は心が痛くなるんだよ。「美香、ごめんな、何もしてやれなくて」声を掛けると無言のまま、作り笑いをして首を左右に振る。「雅夢、そんな顔しないで。大丈夫だよ!私は強いんだから!ねっ!!」「ばっかやろー!たまには苦しいって弱音を吐けよ!強がりは損するぞ!」ベットから立ち上がって美香を背中から抱き締めると、軽く鎖骨に頭を預けて甘える仕草。「もっと我儘言ってくれよ、美香」「うん・・・ありがと。正直ね、不安になる時もあるよ。だけど君が側にいてくれるから、勇気を貰える。こうやって抱き締めてくれる仕草一つ一つが、生きる希望になっているんだよ」「希望?」「うん。好きな人の愛情で、包まれているっていいね。あったかい・な。身体だけじゃなく心も満たされていくよ・・・」「ん。そうかも。抱いてる俺も満たされてくよ。お前の温もりで」彼女を看取ると決めてから、いつしか美香をお前と呼ぶようになった。好きな女を、最後まで護り抜きたいと考えたからだ。俺達の終焉が生死であっても、最後の瞬間まで彼女と共に戦い抜きたかった。自分なりの決意ってやつだな。「な、美香。俺と結婚式挙げない?お前にセクシーなウエディングドレス、着させてあげたいんだけどな。美香、最高の花嫁になるんだぜ?」「っ!!私が?雅夢と結婚っ!!」「なんだよ!そんなに驚くか?ふつー!こういう時って、感涙に咽んだりするもんじゃねーのか?ちゃんと夫婦になって、美香と戦っていきたいんだよ。そんなのって変か?年下だけど、俺、男なんだぜ?好きな女を、護りたいって想うものだろうが!」「はっはぁ・・」なんじゃその返事っ!!「なんだよ~!その反応~!(>д
2008/09/08
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「うーん・・・我儘ねぇ。じゃあね、ツーリング行きたい!十里木まで!近場だからすぐに行って帰って来られるもんね!これでも単車の免許持ってるのよ!」((藁´∀`)) ヮ(゚д゚)ォ!「美香ってもしかしたら、子どもの頃、すげーおてんばだっただろっ!!」「ふっふっふ!その通り!おてんばより、じゃじゃ馬って言われてた。今でもじゃじゃ馬です!可哀想ねー?雅夢~!恋人がこんな女で!」「そのじゃじゃ馬を、手懐けるのも男の楽しみだっ!!襲っていい?つーか、お前のその姿、色っぽくてもう限界っ!!」(>д
2008/09/08
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こちらで仲良くして下さっている、さんから、またも素敵イラストを頂いてしまいました~!ただいま連載中の「オンナ心」の雅夢と美香でございますっ!!( ´,_ゝ`)ィ ヒ!うふーん!なんとも、大人な雰囲気を醸し出しておりますなぁ~!うっとりです~!はぁはぁしちゃいますなぁ~!ワオ~!( ´,_ゝ`)ィ ヒ!雅夢が大人っぽいわ~!素敵です~!美香も甘えた表情でよいわ~!∩(´∀`∩)ヮショーィ(∩´∀`∩)ヮショーィ(∩´∀`)∩ヮショーィ うーん!素敵過ぎる~!quroerさん、本当にありがとうございますっ!!次の回は結構生々しいので注意して下さいね~!(。-∀-) ニヒ♪ちょっとリアルでいろいろありまして、凹んでおります。というかナーバスになっているのかな~!時には、人に支えて欲しいと想ったりもするんだな。私は次女だからね、甘ったれなんだ。ホントは。相方の些細な言葉で一喜一憂。バカだな~!って想う。ただ好きな人の言葉って、それだけの力を持つんだよね。それを忘れてはいけないって想う。絶望を与えるのは容易い。希望を抱かせるのは困難。私はそう想ってる。励ましって必要なんだよ、元気になるから。心に寄り添ってくれた君、嬉しかったです。ホント感謝。初めて見せた自分の醜態を、驚きながらも受け止めた君。まるで雅夢のようだと感じたよ。詳しいことは別ブログをごらん下さい。でもリンク外したから見つけられないかもね。つーかあんまり見て欲しくないけどね。らしくなくて。あんなの自分じゃないもん。私はそんなに強くないよ。どちらかというと支えられたいほうだもん。しっかりもしてないしね、おっちょこちょいだし、抜けてるし。職場でつけられた「さざえさん」ってあだ名がぴったり当てはまる。ちっとも嬉しくないけど。Σ(`oдО´;)そうそう!ちょっと楽しみな出来事が先に待っています。憧れの人に会えるんですわ~!人物は内緒だけどね~!(。-∀-) ニヒ♪楽しみ~!たくさん語ってこよう!いひひ!一方的に喋ってそうだな~!私~!(迷惑)終始にやにやしてそうでイヤンだな~!変に想われないだろうか?個人的な相談等々あるので、身近な人物じゃなく、客観的な意見を言ってくださる方じゃないとだめなんですね。そうじゃなくちゃ意味を成さない。その上で自分で結論を出そう。この先の自分の人生を。
2008/09/06
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ども、緋褪色です。面接行ってきたです。感触・・・びみょー(´Д`;)やりたい職種なので雇って欲しいんだがなぁ~!ぜひ看板作らせて欲しいな~!もうちょっと得意なこととかアピールすればよかったかな~!なにをするかというと、事務もしくは企画である。企画のほうは建築資材の看板を作るのだよ。カッティングシートを使って。文字を入力しプリントアウトして、それを看板に貼るんだって。楽しそうでしょ?いかにも自分が好きそうな仕事だ!それに微妙にリアルでの仕事でも絡むからな、その技術是非身につけたいんだ。面接してくださったのは専務。まだ見た目40歳くらいかな。声が素敵な方でした。はて、自分はどのような印象を持たれたかな。((藁´∀`)) 来週までには採用だったら、連絡くれるそうです。雇ってくれ~!他の業種はどこも面接してないんだから~!。・゚・(*ノД`*)・゚・。なんじゃこれ、今日もぼやき日記じゃんっ!!つまんねーっ!!最近の自分はなんだか人恋しい。同じ志を持つ人と、交流できたらいいなって考えてる。ジャンルは違っても、凄い人は影で一生懸命努力してるんだよね。凄いなって想うんだ。頑張っている人を見ると、自分もやらなきゃって刺激を受けるんだ。私はかなりの負けず嫌いなので、競争心も強い。ついでに気も強い。あんまり女としてはどうよ??って感じだがな(´Д`;)でも、好きな人の前では可愛く甘えたいな~!'`,、'`,、 '`,、'`,、('∀`) '`,、'`,、 '`,、'`,、一応、女だから。ただ時折無性に、男になりたかったなとしみじみ想う。護られるより護りたい側なんだな、自分。そんで励まされるより励ます側なんだ。そのほうが好き。励ますのって悪くない。自分も元気が出るもんね。今の私はもう独りじゃない。支え、時に衝突し、笑いをくれる家族が出来た。かけがえのない存在だ。過去は、出来るだけ思い出したくないくらい悲惨だった。自分の意思はどこにあったんだろう?まるで絶対服従のロボットみたいだった。ピアノ、習字、剣道、水泳、バトミントン、オルガン、絵。これ全て、過去にやった習い事。どれも嫌いでいやいややってたから、何も身についていない。親でも子どもの意思を尊重させるべき。お父さんが言ってくれていたなら変わっていたのかな。だとしたら、今の自分はきっといないのだろう。高校では信頼していた人に、ある日突然シカト。某超有名アニメ監督の姪御。あの人はイラストレーターの夢叶えたのかな。それ以来友人と呼べる人間は、全て偽りなんだって思った。卒業したけど、ちっとも面白くない高校三年間だったぜ!(>дд
2008/09/06
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「よかったのに、ごめんね、払わせちゃって。ありがと、ご馳走様でした」「気にすんなよ。俺だって男なんだぜ?ホストの時には客に払わせても、プライベートで付き合ってる女に、金払わせたりなんてしないさ。男の甲斐性見せないとな!」「そういう、男気のある雅夢って好きだよ!益々惚れちゃいそう」もうベタ惚れだけど。手を繋ぐ私達。時折微笑みを交し合いながら、新丸ビル内を歩く。「ね?君は何でホストになったの?その動機、知りたいな~!」「話してもいいけど、多分美香に凄く呆れられそう。それでも聞きたい?」「聞きたい」呆れる?はて?そんなに変な動機なのかな。ちょっとドキドキしちゃう!「金が欲しかったっていうのはもちろんなんだけど、ホストになれば、いろんな女とヤれるかなって想ったの。そしたらこの世界違うんだもん~!」+゚(。pдq)+゚。エグッ... (゚д゚屮)屮「はぁっ!!それが動機なのっ!!」ぽかんと口を開けて彼を見るっ!!「そっ!それが動機。俺さ、男子校だったから、女との接触なくてさ。東京出て来るまで、女と付き合ったことすらなかったんだよ。男ばっかのところにいたから、こうっムラムラっとしても抜けないわけよっ!!性少年なのに~!」゚。・゚ヾ(゚`ェ´゚)ノ。゚・。「なんて子だ~!ひどーい動機ね~!ま、ある意味、本能に忠実ってことか」雅夢が笑ロい訳、何となく納得。「で、ホストになってみたら違ったわけね」「ん。客に手を出しちゃ駄目って言われて、期待してたから超がっくりした。しょうがないから、そこらにいる軽そうな女をナンパして、酒飲ませて寝てるうちにヤっちゃった。それが初」(>дд
2008/09/05
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ども、緋褪色です。ついに危惧していた事態がやってきてしまいました。メインで使っていたPCの電源、入らんとです~!゚。・゚ヾ(゚`ェ´゚)ノ。゚・。P○デポで、旦那さんが誕生日プレゼントに買ってくれた、デスクトップで、テレビも見れるものなんですが、最近調子が悪くて急に電源が落ちたり、起動出来なくなったりしていたんですよね~!騙し騙し使っていたけど、今日は全くあきまへんっ!!(>ддд
2008/09/05
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「そう・・だったの。まだ若いでしょうにお気の毒に。アンタ昔から面食いだったもの、綺麗な女性なんでしょうね」「ん・・惚れ惚れするくらい、いい女だよ。まるで女優みたいなんだ。そんで、すげー意地っ張りで頑固。でもマジ惚れてる」いいよな、たまには惚気たって。だってほんとにお前に惚れてんだもん。「そう。かーさんはさー、亡くなった旦那に、猛烈アタックで落とされて結婚したからさ。アンタのそういうところ、お父さんに似てるわ。平気で人前でも愛してるって言う男なんて、そういないじゃない?日本男児たるものなのに」「でもね、かーさん、そういうお父さん大好きだったよ。だから、最後まで看てあげられたんだから。女ってね、一番好きな人にいつでもどんな時でも、好きって言って欲しいものなんだよ。その言葉があれば辛くてもしんどくても耐えられる、それが女って生き物よ」お袋の言葉は実感がこもってる。そりゃそうだよな、経験者だもん。差し出された、親父の使っていたガラスの焼酎グラスに手を添える。「サンキュー・・・」呟いて正面に座った母親を見つめた。「ねぇ、雅夢。貴方の悔いの無いように、そして彼女にも想い遺すことの無いように、毎日を丁寧に過ごしなさい。そして、出来るだけ多く側に居てやりなさいよ。看てる人間が苦しくても、病と闘っている人の苦しさと比べれば、そんなの比較にならないのだから、ね!」「その女性と付き合うと決めたならば、何の悔いも残らぬようにしなさいよ!お父さんを看取った、母親からのアドバイスはそれだけ。さ、乾杯しよう!お帰り!アホ息子!アンタとその女性、一日でも幸せな日が多く続きますように!」「アホ息子かよっ!!なんじゃそりゃ?そんな乾杯の音頭ないだろうよ!」軽くグラスをつき合わせ、二人で笑い合う。さすがお袋だよ。俺が美香に出来ることを、さりげなくアドバイスをくれるなんて。そうだよな、俺が彼女にしてあげられるのは、多くの幸せの記憶を、共に作ることだけなんだから。無言で焼酎を口にし、少し前の出来事を想い返してみる。恩師の訃報をお袋から連絡をもらい、すぐに仙台に駆けつけた。世話になった監督の葬儀に、共に参列した俺達。遺影は生前の監督そのままで、小学校時代の厳しくも優しかった彼だった。帰りのタクシーの中で監督の病を、涙ぐんだままのお袋が話す。「スキルス性の胃がんで、もう、発見した時には、リンパに転移が始まってたそうよ。若いから転移が早かったのね。奥さん泣かずに葬儀でも気丈だったわ。まるで、自分の過去を見ているみたいだったな・・・」小さな呟きのようなその言葉に、うろたえて何も言えなかったんだ。その時からお袋は、俺から何かしらの心情を感じ取っていたんだろう。監督が同じ病だったなんて。背けたい現実を、強く突きつけられたような気がしたよ。お袋が呟く。「いつになく神妙ね、私達。今日は監督に対する弔い酒だわ。陽気な人だったから、想い出話は楽しかった事を話しましょ」「そうだな。しかし俺、ほんとよく怒鳴られたな~!親父以外で、怖い存在が出来たのって監督ぐらいだろうな!」思わず本音を言うとお袋が軽く笑った。その後も監督の想い出話と、生老病死について熱く語る、お袋とのつかの間の時間は、深夜二時まで続いた。うーん!窓から入る陽の光に気がつき、軽く伸びをしてベットから起き上がった。「あ~!結構寝た!」今日はなんだか体調も、気分もいい感じ!寝室においてあるドレッサーを覗くと血色もいい!嬉しくなって軽くハミング。今出来ること、何でもやってみたい!大好きな雅夢も今日帰ってくるし、今日は久しぶりにワインでも飲みたいな!ふとそんな事を考えていたら、持っていた携帯電話にメールが届いた。ただいま!美香!今、新丸ビルにいるんだ!出て来ない?一緒に飯食おうぜ!俺、何も食わずに宮城出て腹ペコなんですけど~!(ノÅ`泣)・゜・。5階で待ってるから来て~!「もーっ!!雅夢ってば!」内容に笑ってしまう!「行く行く!待っててね!」独り言を呟いてクローゼットの中の服を物色する!今日は天気が良いから明るめの服にしよう!メイクも、涼しげな薄いブルーのシャドウをつけて。好きな人に逢える!それだけで心が弾むよ!ドレッサーに映った表情は、まるで恋する乙女みたい!ううん!私、現在進行形で恋をしてるんだ!「雅夢、大好きだよ」この言葉を呟くと、自分、もっと綺麗になれる気がするよ。「美香!こっちこっち!」小走りに駆け寄ってくる彼女に、手を上げて合図!群衆の中にいても恋人だもん、すぐ判る。嬉しそうに腕を取る表情は、いつもより顔色もよくて、ほっと胸を撫で下ろした。「おっ??美香、今日はいつも以上に美人だね!ちゃんと薬飲んだんだね!偉い偉い!」「うん!頑張ったよ!雅夢がいなくてもお薬飲みました。ね、何食べる?」「君の食べたい物でいいよ!」言葉に微笑む彼女。マジこいつ可愛い。すぐ此処で抱き締めたいくらい。今までに感じた事すらない感情だよな?客以外でこれまで交際してきた女は、年上が多かったけど、どこか自分の中で打算で付き合っている部分があったよ。デートに行けば、全部金を出してくれる年上の金持ち。そんなのばかり選んでた。求められれば身体も応じる関係。でも人に縛られるのが嫌だったからな、適当に付き合って飽きれば携帯にも出ない。そうすれば自然に関係は消滅。それで済んでいたんだ、女との関係は。なのに、美香は全てを変えちゃったよ。女に対する価値観全てを。なぁ、美香。君がいなくなったら、どうなっちゃうんだ?お袋が、あまりの悲しさに、親父の亡くなった直後にしか泣けなかったように、俺もなっちゃうのか?こんな想像などしたくはないのに。急に不安になって彼女の手を強く握る。「どーしたの?雅夢?そんなに強く握ったら痛くなっちゃうよ!」でも嫌いじゃない!彼の強い力が、元気を与えてくれるようで。だけど、私の顔を見つめる瞳に、一過の切なさを感じ取った。「お願い、不安な顔、しないで?君にはいつも笑っていて欲しいよ!」笑って!お願い。見つめたまま彼の手を私も強く握り返した。「ごめん。俺の気持ち、美香には悟られちゃうんだな。まるで占い師みたいだ」「そうよ!女はね、好きな人の心を、いつでも見抜こうと必死なんだから。ね、5階のヴァンルージュ・ヴァンブランに行こう!欧風料理が食べたいな~!」「了解!じゃそこにしよう!」返事をして、美香のウエストに手を回し歩き始めた。店内に入って席につくなり、美香は店員を呼んですぐに注文。「四千円のコース二つ下さい。あと、シャンパン パイパー エドシック ブリュット。とりあえずそれで」どうやら、もう注文するものは決めていたらしい。頭を下げて席を後にする店員を見送り、彼女に話し掛けた。「来た事あるの?なかなかいい店だね」「そうでしょ?此処でよく秘書とランチとったよ。内緒だけどワインとか飲みながら」「悪いな~!社長!仕事中酒飲んじゃ駄目じゃん!」肩を竦めていたずらっぽく舌を出す。「秘書って男?」 「そうよ!小沢って言うの。結構いい男なんだよ」「なーにそれ!美香!俺の前で他の男の話する?普通?」実に面白くないって!美香から他の男の話を聞くと。知らなかった、俺、結構嫉妬深いんだ。「もー!そんな顔しないの!でも可愛い!雅夢!仕事だけの関係よ!やきもち焼かないの!」可愛いんだから。ふくれっつらしちゃって!目は嫉妬心丸出しだし!テーブル越しにその頬をつっく仕草をすると、ちょっとだけ柔和な視線になった。やきもち焼いてくれるなんて、素直に嬉しいよ。「ところで美香。酒飲んで平気なの?なんか難しそうな名前のワイン、注文してたみたいだけど」あれ?そういえば、美香の素性全く知らないんじゃん?店でも何も言わなかったし。「美香、俺、社長だったっていう以外、君の事何にも知らないんだけど?」「ん?知りたいの?止めといたほうがいいよ!女の正体、知らない方がミステリアスじゃない?話したくないわけじゃないけど、今は教えてあげない!」(。-∀-) ニヒ♪*゚Д゚)*゚д゚)*゚Д゚)エエエエェェェ「そりゃないよっ!!酷い女だな~!」店員が運んできた難しい名前の酒。店員は丁寧にコルクを抜き、二つのグラスに注ぎ入れる。その様子を彼女は片肘をついて、グラスに視線を送る。もう身体の関係だってあるのに、教えてくれたっていいじゃんか。あ、なんか、軽く凹んでく。「もう!そんな顔しないで!飲もう!このシャンパンはね、マリリンモンローが溺愛した、一級品のフランス王室御用達シャンパンなの。コクがあって美味しいんだよ!飲もうよ、雅夢!」ほんと可愛い!ちょっと笑って、シャンパングラスを持ち上げると、同じ仕草で返す彼。「大好きよ、雅夢!乾杯!」「乾杯!」仕草に応えて苦笑。含んだシャンパンは、とても上品な味がした。まるで美香みたいに一級品だと想う。1. シェフおすすめオードブル盛り合せ2. シェフのおまかせサラダ3. 鯖の燻製4. チーズの盛り合せ5. 一口カニクリームコロッケ トマトソースベビーリーフ添え6. 骨付仔羊カレーフリット マディラソース7. 本日のパスタ 8. 本日のソルベこれが四千円のコースの八品。どれも美味しくて、腹ペコだった腹を満たしてくれた。すっかりと平らげて、すっげー幸せな気分。目の前の美香もなんだか嬉しそう。「雅夢の食べっぷり見てると、体育会系だって判るね。見てて気持ちがいい」「ん?そう?お袋からは、ガツガツしてるだけって言われるけど。そろそろ出ようか?美香、何処行きたい?」「君となら何処でも!」ウインクで返す。ほんと、何処でもいいんだ!大好きな貴方となら。先に立ち上がり、私の横に立って手を差し伸べてくれる仕草。軽く手を添えイスから立ち上がる。手を繋いだまま、先に立って歩く彼。まるで、父親に手を引かれている子どもみたいね、私。レジに立ってバックから財布を取り出すと、彼が首を左右に振った。「でも」「いいの」それ以上何も言わず、黙って一万円を店員に渡した。オンナ心 キセキへ
2008/09/03
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お名前は出せないんですけどね、オンナ心で出てきた、美香と同じ病で亡くなったというシニアの監督、実在した方なんです。近隣市でシニアの監督をされていた方で、まだ本当にお若いのに物腰は丁寧で、野球をとても愛されていた方でした。息子と同じチームに所属していた子の、お父さんだったんですよね。背も高く国士舘出身のその方は人望も厚く、立派な人だったんです。言葉を交わしたのは一度だけなのに、年下の私にも、○○さんと丁寧にお辞儀をなさるんですね。お通夜には教え子達が、会場に入りきらないほど並び、監督としてのその功績が入り口に飾られていました。今後のお話に(無論フィクションですが)反映させたいと思います。多かれ少なかれ、私の書く話には実在する人物、身近な人物にモデルがいます。もちろん年齢も性別も、地位も変えていますけどね。あとは体験したことがらも少々。自分の立場はちょっと明かに出来ませんのでぇ~!三多摩地区で会社名から追うと、自分が何者だかばれてしまうっ!!(怖)ついでに義父の名前なんてばれようものなら、もっとやばいっ!!力のある人なので、この業界では名前が知られているんですよね。さーて、今週の土曜日、その義父を支えてきた、義母の還暦祝いをするそうです。でも場所が決まっていないらしい。(なんじゃそりゃ??)しゃちょーっ!!しっかりしてくださいっ!!ヾ(;´Д`●)ノぁゎゎところで、還暦祝いって何をあげたらいいのだろう。赤いちゃんちゃんこ着たくはないだろうな、義母。むむっ!!しかもどこに売ってるんだ?一通りなんでも持っている人なので、多分欲しいものが無いような気がする。嫁に来て13年。いやはや紆余曲折ありましたよ。この年齢でそうは体験しないだろう?みたいなこともありましたしね。お陰でネタにはほんと困りません。ァヒャヒャ(ノ∀`*)ノ彡☆リアルでお会いしたら、お話しましょうね!(聞きたくないか!)そろそろオフ会とかしてみたいな~!でもさ、この辺り、カラオケBOXどんどん減ってるんですけどっ!!お人形仲間さん達は、どこでオフ会してるんだろうといつも疑問。あんまり光当てないほうがいいから、お外もねぇ。(´ω`ι)どこかいい場所はないものかねぇ。(>ддд
2008/09/03
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私のブログに、雅夢からの書き込み。「嬉しいよ!」小さく呟いて、パソコンの画面をなぞっていく。読み終えた後、じんわりとした温かさに包まれるよう。「まるで、雅夢の身体の温もりみたい。意外に男らしいんだね」一人微笑む私。美香。君のブログ見たよ。あと、携帯に最高に可愛い写真、サンキュー!(。-∀-) ニヒ♪早速、新しい待ち受け画面に設定しちゃった!なんだかさ、読んでて切なくなっちゃったよ。まるで、最後のお願いみたいなんだもん。君がいなくなるなんて、これから先も意識したくない。元旦那って、俳優なんだね。女たらしって言ってたけどさ、君の結婚生活ってあまり幸せじゃなかったのかな?それが結果的に身体を蝕んだとしたら、俺、正直、狩野さんを許せない。つーか許さない。顔見たら殴っちゃうかも。殴ってもいいよな?美香。俺から大切な人を奪う、きっかけにさせたかもしれないんだ、当然だろ?怒らせると怖いんだぜ!女には優しいけどな!(笑)男の腕は、女を抱く為にあるんじゃない。女を護る為にあるんだ。少なくとも俺はそう考えてる。その為に力も強く、逞しい身体をしてるんだからな。美香、君が望むなら、何度でも愛してやる。そして共に、病とも戦ってやるからな。苦しい時は決して無理すんなよ!この間みたいに、弱音だって吐いていい。それで楽になれるなら。全部受け止めてやる、俺って存在が。今日は外出先から、君のブログ何度も何度も見てた。美香の言葉を繰り返し反復しながら。明日には仙台から帰る。遅くなりそうだったら、ちゃんと寝て待ってろよ!眠れないかもしれないけど、それでも横になってろ。言うこと聞かないと駄目だぞ!俺は甘えんぼ系だけど、好きな女には小煩いんだぞ!もし起きてたら、たくさんキスして虐めるからな!(。-∀-) ニヒ♪美香の好きな茶碗蒸し、明日一緒に作ろうな!これでも料理上手いんだぜ!意外だろ?誰よりも、美香が好きな俺からのメッセージ。起きた後でゆっくり読んでくれよ! 雅夢。待ちきれなくて、先に読んじゃった。ストレートにガツンと届く言葉、嬉しいよ。ね、雅夢。私頑張るよ!最後まで生きること諦めない。絶対投げたりなんてしないから。だから最後まで一緒に居てね!「お休み、年下君」彼の言う通り、ちゃんと寝なくちゃ。パソコン画面の時間は夜11時過ぎ。深い溜息をついて、パソコンの電源を落とした。携帯電話から、ありがとうのメールを送って、ベットに身体を滑り込ませる。「お葬式か・・・」なんか葬儀って暗い感じがする。彼は、小学校時代の恩師の葬儀に参列する為、故郷宮城県仙台市まで里帰り。ちょっぴり寂しいけど仕方ない。しかもその方は、私とほぼ同じ年齢で、同じ病だったなんて、何たる皮肉なんだろう。まだ42歳のシニアの監督、若すぎるよね。死を嫌でも意識する出来事。憂鬱にならないわけじゃないけど、何とかメンタルを保ちたくて、携帯電話から自分のブログを閲覧していた。彼からのメッセージで、元気をもらいたかったから。死っていったいなんだろう?生きるっていったいどういう事?最近の私は、自分の生きる意味について、思考を巡らせる時が多い。宗教は持っていないけど、何とか心の救いが欲しいよ、特にこんな一人の夜は。雅夢と離れていると、とたんに弱気になるなんて、弱いな、自分。彼が私に贈ってくれた、Cartierのクロスのネックレスを握り締め、不安な気持ちを押し殺す。嬉しかったな。お礼に彼には、JUSTIN DAVISのKEY PENDANT。私の大好きなブランドのお返しに、雅夢はとても喜んでくれた。KEYを選んだのは、再度この世に生まれ出たら、もう一度彼に出会って、私の心の鍵を開いて欲しいから。そんな乙女みたいな願いを込めたんだ。同時に買ったロックモチーフは、自分の携帯電話に付けている。瞼を閉じても眠気が襲ってこない。「駄目だ~!眠れない~!」目が冴えちゃって、眠りたいのに寝付けない。仕方なくベットから抜け出して、睡眠薬を飲みにキッチンに向かった。薬を前に溜息。「睡眠薬、あんまり飲みたくないな」薬が大嫌い。雅夢は治療薬すら飲みたがらない私に、口に水と薬を含んで強引に飲ませた。彼が仙台に向かう前日、私は彼に、酷すぎる醜態を曝してしまったんだよね。手にした錠剤を見てその出来事を想い出す。「駄目じゃん、美香。ちゃんと薬飲め!飲まないとマジ怒るぞ!」「やだ~!飲みたくない!副作用で吐き気が強くなるんだもん!」駄々を捏ねても、彼は許してくれない。困り果てた雅夢が考え付いたのが、口移し。少し怖い顔をして、彼が用意した水と三種類の薬を口に含んだ。何をするのかと唖然とする私に、強引に両頬を挟み込んで薬を飲ませたんだ。された時は、とにかくびっくりして、身体が硬直してしまった!嚥下したのを確認して、君はすまなそうに口を開いた。「美香、ごめん。でもこうでもしないと、薬飲まないだろ?頼むよ。俺の為に苦しくても飲んで!」懇願する表情に、胸に棘が刺さったような痛みを感じた。「苦しいんだよ?猛烈な吐き気。君に解る?」泣き言を言う私の背中を優しく擦って、ぎゅっと抱き締めてくれるのに、どうしようもなく感情が抑えられなかったよ。ただ、正直な気持ちをぶつけたかったんだ。「解るよ、美香が苦しいなんて。ごめんな?でも一日でも長く、俺の側に元気で居て欲しいんだぞ?それって俺の我儘なのか?お前は俺の為に生きてくれないの?」見つめる瞳には、見守る側の苦悩が垣間見えるよう。「ごめん、でも苦しいの!この薬、嫌いっ!!」彼を突き飛ばして、持っていた薬を奪い、壁に薬を投げつけるっ!!「なんで?なんで、私ががんにならなきゃいけないの!?仕事も軌道に乗っていたのにっ!!まだまだやりたいこと、たくさんあったのにっ!!」とにかく無性に悔しくて、しゃがみ込んで、子どものように大声を出して泣いた。背中に触れられる手が、そっと宥めるように撫でてくれる、優しい彼。我儘だって解ってても、言いたかった。「健康体の君には、病に苦しむ患者の気持ちなんて解る筈ないっ!!」少しの沈黙の後、「美香。ごめん。苦しいよな。でも見てる俺も苦しいんだ。お前の痛みが解らなくて。泣いていいよ、思いっきり。あんまり吐き気辛いようなら、主治医と相談して薬変更してもらおう?次の診察、俺もついて行くからさ。美香が言えないなら俺が先生に言ってやるよ!」泣きじゃくったままの私。その後、雅夢は黙ったまま気持ちが落ちつくまで、背中に手を添えてくれていたんだよね。ひとしきり泣いたら、彼に対する罪悪感と、申し訳なさで一杯になっちゃったんだ。でも、彼は優しく微笑んで、背中を抱き締めてくれた。馬鹿だな、私。「ごめんね、雅夢。これからは、ちゃんと一人で薬飲むからね」心配させちゃいけないよ、一番好きな人なんだから。「美香、頑張れ!」自分に叱咤。やっぱり睡眠薬飲むの、止めよう。彼のこと考えていたら、眠れるような気がしてきたよ。胸のネックレスに手を当てて、離れてる愛おしい彼を深く想う。実家のベットで寝転びながら、彼女を想う。薬、飲んだかな?常に気になるのはそこのところ。一緒に時間を共にするようになって、見た目通り、結構頑固で気が強いと解った。気が強く聡明な女は俺好み。落とした後、とたんに甘ったれになるから。美香もかなりのツンデレ系。店で振舞う様子と、プライベートで見せる表情全く違う。それが彼女の魅力でもあり、俺の独占欲を更に駆り立てるんだ。最終的に、俺は美香とどうしたいんだろう?結婚?おいおい、俺、まだ24だぜ?でもそれが、彼女にとっての希望になるとしたら?美香はどうしたいんだろう。ただ、このままの関係でいたいのも本音。きっとまだ自分には、誰かを一生涯支える位の、覚悟など無い気がする。ずるいな、俺って。人から奪うだけで、何かを与える側にまだなれないんだろうか。男なのに。「亡くなった親父にどつかれそうだな。こんな事想ってたら」小さく苦笑。するとドアをノックする音に気がつき、「あー?何?」そっけない返事を返す。「何じゃないわよ!久しぶりに帰ってきたと思ったら、葬儀の後、さっさと部屋に籠るんだもの!全く!馬鹿息子っ!!アンタ、東京で真面目に働いてるんでしょうね?」「やってるよ!これでも。なんか用?眠いんだけど」お袋に背中を向ける。「雅夢。久しぶりなんだから、お酒でも付き合いなさい!お父さんの代わりに」「んー?」軽く返事をして「しょーがねーなー」と言いつつ起き上がった。親父が亡くなって、姉貴も結婚して家に居ないんだもん、仕方ねーかと思う。階下に降りると和室には、親父の使っていた焼酎グラスと、二階堂が和卓に置いてあった。「なに?俺とそんなに飲みたかった訳?お袋?」座りながらの問いに嬉しそうに笑う。「当たり前でしょ!お酒一緒に飲む相手亡くしてるのよ?かーさんも寂しいのよ~!あーあ!旦那に先立たれ、未亡人の私って切ないわ~!」「その割には楽しそうですけど?」ちょっと皮肉。軽く睨みつけるお袋を見て、肩を竦めてごめんの仕草。脳梗塞で倒れた親父を、俺と姉貴の手を一切借りず、半身不随になった、親父の介護をやり切った女。それが俺の母親だ。さすがに歳は取ったけど、いつも楽天的で、物事にくよくよしない。こんな母親だったからこそ、親父も最後まで、安心して身を任せていたんだろう。な、美香?俺はこのお袋みたいに、君を最後まで支えられるんだろうか?ぼんやり考えていたら、心を見透かしたように笑いかけるお袋。「雅夢、アンタ、好きな人出来たでしょ?以前より精悍な顔してるわ!男はね、護りたい相手が出来ると凄く良い表情になる。人生経験長いんだからね、解っちゃうのよ!」「うえーっ!!マジですかっ!!」そう、お袋には隠せない。どんな出来事も。思わず苦笑。「話してみな!どんな人なの?」親父のグラスに二階堂を注ぎながら、視線をグラスに向けて静かに話しかけてくる。「ん・・・いい女だよ。年齢は上だけど。人材派遣会社の女社長だった人」「あらま~!アンタ逆玉の輿??やるわね~!」なんで、そんな言葉知っているんだって、突っ込みを入れたくなったぜ!(>д
2008/09/02
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シリアスなお話って好きなんだが、その為か書く話もえらいシリアスだな~!(´ω`ι)昨日の文字数も9000文字以上で、リンクさせるために行間を減らしたり、絵文字カットしたりと、結構面倒くさい。うん!やっぱり恋愛物は書いていて楽だ。(。-∀-) ニヒ♪友情物も青春物も悪くないが、人生には恋が必要だよ!うん!(´∀`*))ァ'`,、 仕事見つけなきゃいけないのに~!なんだか書くのが止まりません。これはきっと中毒じゃっ!!(>д
2008/09/02
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「皇牙君。美香最近店に来てる?」問いに正直に答える。「いえ、来てないですよ。美香さんと連絡とってないんですか?」頷く真里菜さん。「あのね、美香、仕事辞めたってメールをくれただけで、音信不通なの。此処に来れば、情報得られるかと思ったんだけど」深く溜息。「あれ?雅夢さんも今日いないね?」フロアを見渡せど、個性的な茶髪の姿はなかった。「雅夢さん、長期の休暇取ったんですよ!さすがにうちのナンバーワンですからね、鳳オーナーも拒否できなかったらしいです」幼顔の年上の女性を見つめる。その表情はひどく不安そうで、心底美香さんを心配していると解る。「もしかして、二人一緒なのかもしれませんよ?雅夢さんの携帯電話の待ちうけ画面、美香さんとのツーショット写真でしたから」「あー!もしかして皇牙君、二人の事?」うっかり口を滑らせてしまうっ!!「しーっ!!店では内緒ですっ!!客に手を出したとばれたら、解雇ですからっ!!」ヒソヒソ声で耳打ちして窘めると、軽く肩を竦め、舌を出す彼女に苦笑する。「ごめーんっ!!知ってたんだ、皇牙君。美香には内緒にしててって言われてたからさ~!」私も彼につられて苦笑い。あたし、ほんとは美香をだしに、この彼に逢いたかったのかも。なんだか仕事でもミスの連続で、美容師辞めちゃおうかな?なんて想ってた。でも、目の前の青年に逢ったら、そんなマイナス気分もどこへやらっ!!やっぱ、単純だ~!「どうしたんです?顔紅いですよ?あれ、俺水割りの分量間違っちゃったかな?真里菜さん、平気ですか?」「うーん!駄目かも~!ちょっとふわふわする感じ~!でも悪くない~!」((藁´∀`)) 酔った勢いで皇牙君の肩に額をつける。どーしたの?今日のあたし、めちゃ大胆じゃんっ!!「真里菜さん、可愛いですね。年上の甘える女性って、僕結構好きです」「営業文句だって解ってても、素直に嬉しいな~!」美香もこんな気分だったの?雅夢君に肩を抱かれているとき?元旦那以外の、しかも年下君に肩を抱かれて、不安とか疚しさとかって感じなかったのかな?旦那・・・か・・・アイシテルとか言ってくれる訳でもない。求めてくれる訳でもない。あたしっていったい彼にとって、なんなんだろう。やばっ!!不覚にも涙が頬を伝ってるっ!!(>д
2008/09/01
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「ね、雅夢。私ね、考えていることがあるんだ!貴方にも協力して欲しいんだけど」「ん?俺に出来ることなら」寝転んだままの彼女の話に耳を傾ける。「自分の軌跡を、何らかの形で残したいの。生きた証を。だからね、ブログやってみようかなって考えてるんだ。ブログって、世界中の人がネットを通して見られるでしょ?」「私と同じように病と闘っている人、大勢いるじゃない?自分の体験を書いて、そういう人達と、交流できないかなって想ったんだ。それでね情報交換や、時にはオフ会開いたりして、元気をもらったり、与えたり出来ないかな?って」彼女は希望を見い出した様に、瞳をきらきらと輝かせ嬉しそうに話す。「いいじゃない!是非やってみようよ!で、協力って?」「雅夢も、同じところでブログ始めてもらえないかな?ブログってやった事なくてさ、勝手が解らないんだもん。会社のHPだって業者に頼んでるし、ネットの知識もいまいちなのよね~!」「そういうことね。了解!構わないよ!美香はパソコン持ってるよね?ちょっと開いてみようか?」彼女の額にキスをして、白のバスローブを身体に掛けてやると、にっこりと微笑んで頷いた。優しいね、雅夢。起き上がって、彼に掛けてもらった、バスローブを身につけながら想う。本心を出さないように、クールに振舞う私とは対照的ね。甘え上手の年下君。女ってそういう子に弱いんだよね。意地っ張りの私だけど、君になら素直に甘えられるよ!「ね?ベットからから離れる前に、もう一回キスして!」求めに微笑んで応じてくれる。「こらー美香、そんな可愛い顔してっと、もう一回脱がしたくなる!つーか我慢できねーから襲っちゃうっ!!」ああ!駄目だ!理性に歯止めが効かねーよっ!!可愛い俺だけの女!少しでも長く、肌を触れ合わせていたいんだ!バスローブを乱暴に脱がし再び肌を重ねあう。「もーっ!!甘えんぼ~!でもそんな君が大好きだよ!」くせっ毛の茶髪の彼。優しいキスを注ぐその表情は、とても無邪気で、見つめる私にも自然に笑みが浮かぶ。微かに漂う、私と同じ香水はBVLGARIのBLACK。いつの間にか揃えていてくれたんだね。好きな人が同じ香りを纏わせている。女にとってこれほど秘密めいて、嬉しいことなんてきっとないよ!好きって言葉の代わりに、彼の柔らかな髪を撫でると、鎖骨に優しいキスをしてくれた。雅夢、君と一緒なら、たとえ先に死が待ち構えていても、一日一日を、希望を持って生きられるよ。だから元気なうちに何度も抱き締めて。未来に持って行けるのは、きっと人を愛し、愛された記憶だけなんだから。数日後、月一の重役会議の場に、私はいた。提案した社長退任発言ににどよめきが上がる。「退任なんて、社長いったいどういう事なんですか?」 口々に挙手をして、私の退任理由について尋ねてくる。「何度も申し上げている通り、私的な事情の為です。それ以上もそれ以下でもありません」「しかし」「皆様には大変ご迷惑をお掛けする事は、重々承知です。後任の方の選抜は、皆様にお願い致します」ざわめく声を聞きながら、席を立つ。これでいい。自分に言い聞かせながら。会議室を出ると、背中から秘書の小沢が声を掛けてきた。「社長!!待って下さいっ!!退任なんて、いったい何故!?」「ん?ちょっとね、疲れちゃったのよ!口煩い重役たちにも、我儘な派遣社員にも。小沢君、今までありがとうね!」 「社長・・・」スタスタと歩く横を、まるで犬みたいに、まとわりつくように歩く小沢。「貴方みたいな優秀な秘書がいたから、女でも社長やってこれたんだよ!心底感謝してる」「美香さん・・・俺」気持ちを吐き出しそうな彼に、先に牽制。「ちょっと!此処は仕事場よ!私的な感情は無し!」本当は知っていた。彼の気持ち。だけど結婚していた私には、火遊びする余裕も時間もなかった。だけど唯一、本心を曝け出せる腹心は、小沢しかいなかったね。旦那にも話せない本音や、働く女の苦しみ、耳を傾けてくれたのは10歳年下の彼だった。聡明でいい男だけど、彼だって既婚者。子どもだっている相手を、自身の寂しさを埋める為に、振り回したくなどなかったよ。だからずっと彼の気持ちに、見て見ぬ振りをしてきたんだから。傍らで黙りこくる小沢の横顔を見つめる。「小沢君。私の会社を興した経歴とか、経営手腕とか、貴方が一番よく知ってる。最後のお願いと我儘、聞いてくれる?君にしか出来ないことだから」「やめて下さい!縁起でもない!まるで今日明日にでも、死ぬ人間の言う言葉みたいじゃないですか!」彼の非難に苦笑。「そう。私、長くないんだ。スキルス性胃がんで、余命半年の患者なの。若いから侵食も早いんだ~!それが退任の理由よ!他の人間には黙っててよ!信頼できる貴方だから話したんだからね~!」支えてくれる雅夢がいるから、今の私、待ち受ける死ってものを、冷静に受け止められるんだね。改めて恋人に感謝。愛しい彼を想い浮かべ微笑んでいると、小沢は絶句して立ち止まる。気がついて振り返った。「美香・・さん?嘘、・・・ですよね?」「嘘じゃない。本当のほんと。腹心に嘘ついてどうすんのよ~!詳しい事情は社長室で話そう!退任理由、他の人間に知られたくないから、重役達に曖昧に返事したんだからね!」言葉に狼狽して、眼鏡を掛け直す彼。「そんな・・・信じられません・・・」「ちょっと~!私の事情なんだから、そんなに落ち込んだ顔しないでよ~!有能な秘書なんだから、しっかりして!貴方にお願いしたいこと沢山あるのよ!小沢!」言葉を交わし、再び社長室へと歩みを進める。そう、彼にも手伝ってもらわなくちゃ。私の生きた証を残す為に。美香の想いを残す為に、俺は時間がある時にブログに向かう。俺の更新は殆んど昼間で、彼女は夜。彼女が更新すると、携帯にメールが届く。それを見て、客に気づかれぬよう、適当な理由を言っては席を外し、厨房で携帯を覗く。今までも客とのやり取りは携帯だから、誰も不審に思わない。唯一気がついたのは皇牙だった。「雅夢さん。最近美香さんと会っているんですか?あまり此処にも顔を出さなくなって、僕も寂しいな。彼女楽しい人だから、お客じゃなく、友人とか恋人になって欲しいタイプですよね~!」「なんだよ、お前。美香に惚れてんの?客に惚れたら駄目だぜ?俺ら、女を楽しませるプロなんだからな!」ちょっぴりやきもちも入っている、俺の牽制。こいつも結構いい男だからな、美香の気持ちが揺らがないって解ってても、結構不安。俳優を目指して、オーディションを受けまくっても、落ちるばかりで自信を無くしてた十代。演技の勉強のために入ったのが、此処「Blue moon」だ。オーナーは女で元女優、鳳 詠美。そんな人の下なら、人間の心の機微を学べるって考えた。実際に働き出して、鳳オーナーの女心のレクチャーを受けるたび、成績は伸びていく。マジすげーって想った。それが面白くて、だったらこの世界で、ナンバーワンになってやるって考えたんだ。「単純だよな、我ながら」苦笑して呟く。「どうしたんです?雅夢さん。ぼーっとして?美香さんは僕には高嶺の花ですよ~!頭いいし、男の心理よく知ってますもん!あんな聡明な女を口説けるのって、そうはいないんじゃないですか?」「そーかもな」同意して頷く。美香、俺、あんまり頭良くないけど、お前に出逢ってから、経済新聞と一般紙三社、契約したんだぜ!大好きなお前につり合う男になるために。この業界でだって、プロになるなら相応の投資と努力が必要だもんな。説教めいたことなど、美香は言わないけど、彼女も事業主。 「どの業界でもプロに徹するって大事よね。雅夢もホストの中でナンバーワンになったら、私、客としてこんなに誇らしいことないよ!」彼女の言葉は、強く向上心を煽るんだ。想いあっているからだけじゃなく、美香の生き方や人生観は、人の心を強く揺さぶるだけの力があった。そういう女に、今まで出逢った事なかったな。病と戦いながらも、自分のスタイルを一切妥協しない女。それが美香。そんな彼女でも、俺の前ではまるで猫みたいな表情を見せてくれる。大好きだったタバコも、俺の咎めに 「雅夢が、毎日愛してるって言ってくれるなら止める」なんて可愛い事を言う。「そんなのは普通に言うよ。君の身体が心配なの。ただそれだけなんだ」その一言で、持っていたタバコの箱を俺に手渡した。「そうだよね、ありがと、雅夢。何となく吸い始めたタバコ、止められなくて本当は困ってたんだ!君のお陰で止めるきっかけが出来たよ!でも、口寂しいな~!」「我慢出来なくなったら、その時は俺がキスしてやる!だから堪えろよ!」不器用な励ましにも、笑顔の彼女。「ほんと?じゃ、絶対止める!これでも私、意思強いんだよ!雅夢、だーいすき!」店とプライベートで、全く異なる表情の美香。演じ分けてるとよく解る。束の間の素の自分に戻った時、君との会話を想い出すんだよ。携帯の画面を通しブログを見る。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・どーも!美香でーす!皆様お元気?今日はね、美香にとって大きな出来事がありました~!詳しいことは書けないけど、会社辞める事にしました!結構頑張ってきたし、もういいかな?って感じです!自分が起した会社だけに、愛着がないわけじゃないけど、引き際って大事じゃないかな。それに代表が健康に不安があったら、裾野の人まで迷惑掛かっちゃうじゃない?だから、もう終わり。今まで我慢してきたことや、出来なかったこと。残りの時間めい一杯使って、楽しむよ~!大好きな雅夢!最後まで、私にお付き合い下さいね!あはは!これじゃほぼ私信じゃん!ブログ初心者だから、見た人許してね~!・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・これを、どんな顔でブログに書いていたんだろうね?はにかんだ表情?それとも照れくさそうな表情?どちらにしても可愛いだろうね!美香の顔。携帯画面を見ながら笑う俺を、皇牙がきょとんとした表情で見つめていた。オンナ心 メッセージへ
2008/08/30
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美香の声が時折シャワーにかき消される。その度に可哀想になって、抱き締める手が緩んでしまう。彼女、宣告された余命より、持たないかもしれない?心に浮かぶ一抹の不安。かき消そうと、行為に集中しようとするのに・・・「雅夢、怖がらないで。大丈夫だから。苦しくないよ」「嘘ばっかり、無理してるように感じるよ」身体を解放すると、美香は浴槽から手を離して、俺と正面から向き合う。見つめるその瞳には大粒の涙。ちくりとした痛みが感情を突き抜けるよう。「どうして?私が病人だから?それとも客だから、応えてくれないの?」「違う。違うよ。決してそうじゃないんだ。ただ行為が、君の命を縮めてしまいそうで、どうしようもなく不安になる」「平気だよ!それで自分の命が短くなっても、決して後悔しないから。今出来ることをやっておきたいの!お願い・・・」身体に縋る美香を突き放せない。小さく溜息をついて、彼女の唇を塞ぐ。「解った、じゃせめて此処じゃなくて、ベットに行かない?」両手で彼女の顔を包み込み、親指で涙を拭ってやる。頷いて泣き笑いの表情。無理しちゃって。君の表情を見る度に、切なくなってしまうというのにさ。風呂場から出て、棚から白と濃いブラウンのバスローブを取り出し、ブラウンのバスローブを手渡してくれた。「サンキュー」「女には準備があるのよ。先に寝室に行ってて!此処から、一番近い茶色の扉が寝室よ」「ん、解った。先行ってるよ。ごゆっくり」彼女の頬にキスをして脱衣所を後にする。彼を見送って鏡を覗いた。「やっぱり少し痩せた、私・・・」頬に両手を当てて、感触を確かめる。「お願いだから、これ以上痩せないで」小さく呟いて、化粧水と乳液を丁寧に肌に染み込ませて。そして、手先から足の指の先まで、丁寧にボディーローションをつける。心の中で『雅夢、貴方の記憶の中に、美香を繋ぎとめて。それだけでいいよ。それだけで救われる』最後に君に贈りたい、言葉を想いながら。「早かったね。もっと時間掛かるかなって想ったよ」「遅かったら、貴方が退屈しちゃうかなって、ちょっと早めに支度しちゃった」寝室に入った私に笑いかける彼。ベットに腰掛けて視線を交わす。頬に差し伸べられる細い手。「ん!」唐突に塞がれる唇。柔らかい舌がゆっくりと絡まる。KISS、上手いんだね、美香。熱情を煽る深いKISSの誘惑に負けて、白のバスローブを脱がしていくと、柔和な瞳で見つめ返す。唇を放して、クスクスと笑いながら、「大好き!」と呟いて、俺のバスローブを脱がしていく仕草。丁寧に優しく。女から求められるのって、悪くないな。考えていると「雅夢?いい身体してるね。綺麗に腹筋がついてて美味しそうだよ」「俺、高校まで野球やってたの。今でも毎朝10キロ走ってるよ」「ふーん。逞しい身体って好き!」話しながら何度も可愛いKISS。雅夢、私を憶えていて。これが私にとっての、生涯最後の恋になるから。「ね、あれしよっか?」「あれ?」「そう、あーれ!」耳元で囁くと可愛い年下君は、瞬間ドギマギした表情を浮かべた。 なんつー大胆な!「うあー美香っ!!笑ロっ!!でも嫌いじゃない~!そういう女」「でしょ?雅夢も、いかにも笑ロそうだもんね~!」美香が妖艶な瞳を輝かせる。「求めるなら応えないとね。美香おいで、最高に感じさせてやる。何度もイかせてやるから覚悟しろよ」横向きに態勢を入れ換えて、ゴールドのアンクレットをつけた、長く綺麗な足をそっと割った。彼女は分身をゆっくり口に含む。何の躊躇もなく。感じる度に美香は俺を解放して、甘い溜息交じりの声を上げる!何度も何度も。少しハスキーな声が一段とセクシーだ。いいよ、久しぶりの大胆なオー○ル。綺麗な女と出来るなら最高さ。「雅夢、素敵!ハァン・・・」「いいっしょ?結構上手いんだぜ?でもそろそろ美香の中に入りたいな!最初は君が上だよ!いっぱい感じて!」言葉に素直に応じ、可愛い唇は俺を解放した。少し高揚した頬は、バスルームで見た表情と異なって、血色がよく見える。「美香、綺麗だよ。さ、おいで」両手を伸ばすと、胸に顔を埋める仕草をする。「大好き、雅夢」愛の言葉に、小さく頷いてくれる年下君。彼の身体をゆっくりと跨ぎ、中へ誘う。今は自身に巣食った病に、意識を向けたくなどない。彼は私を求めてくれた。それが素直に嬉しいよ。静かに身体を動かす私に、時折心配そうな表情。「平気だよ」笑顔を浮かべると、微笑み返してくれる。君がくれる笑顔が癒しなんだよ・・・綺麗な形の膨らみに、上体を上げてそっと触れてみる。固くなった先端を舌で味わうと、膣が強く収縮する感じ。「此処が弱いんだ、美香。もっと乱れていいよ!俺も・・・凄い気持ちいい」「うん」素直に頷く君。抱いていてただはっきりと解るのは、この人に、少しでも元気でいて欲しいという気持ち。「美香、解る?君の身体から、たくさんの愛液が流れ出してる。それ程、俺を求めてくれるなんて嬉しいよ」「だって、雅夢、凄く・・上手・・・もっとイかせて・・・」私の好きなように、囁きをくれながら、ウエストを支えてくれる若い彼。その腕は逞しくて細くなっていく私の腕とは対照的で、生きる力を与えてくれているみたい。熱い溜息をつきながら、何度も高みに誘われる感覚を、心に刻み込んでいく。いっそこのまま死ねたなら。ううん!まだ死ねない!彼とやりたいこと、たくさんあるんだもん!時折軽く頭を振りながら、静かに乱れる君。それを眺めてると無性に嬉しい。「何度イッたか、数えてれば良かったな~!残念!美香の乱れる表情そそられるし。それに弱いところも解っちゃった!」息が上がって、倒れこむようにして重なる華奢な身体。その首筋に優しく甘噛み。軽い悲鳴を上げて、身体を捩らせる様子に愛おしさが浮かんでいた。「解っちゃったの?弱いところ。雅夢笑ロいから、何度も執拗に攻めそうだよね?」彼は苦笑いをして背中を擦る。「な、交代しよう、今度は後から攻めてあげる!つーか、俺が美香をいっぱい感じたい。君の綺麗な身体を。きっと今日は朝まで寝られないぜ?覚悟しろよ!」「望むところだ~!受けて立ってやる~!男は女を感じさせて、初めて一人前よ」ウインクで応える私。「もーっ!!可愛い奴だな!お前は!」ウエストを支え、四つん這いにさせて一つになる俺達。まるで猫が伸びをしている姿勢!BOXシーツを強く掴む手が、微かに震えていた。表情が見えない安心感だからだろうか、喘ぎは美香が上の時よりも少しだけ大きい。「いいよ!凄いセクシーだ!ところでつけてないけどよかったの?」「つけたら気持ちよくないんだもん!雅夢・・上手・・・よ・・」たくさん私を味わって!君の為だけなら、私は娼婦にだってなれるよ。「美香、そろそろ波が来そうなんですけど?美香が、俺の仕草で喘ぐ顔を見ながらイきたいな~!駄目?」「もうーっ!えっちね~!じゃあ交代!ちゃんと私を最後にイかせてね!」身体を解放して、いたずらっぽく微笑む茶髪の青年を見つめる。「お望みとあらば、何度でも。姫は強欲ですね。違うな、美香は色欲だ!」ウインクをして唇を奪う。俺の力が君の命に届け!逢った時よりも、幾分細くなった美香の太腿を持ち上げて中に入った。マジ気持ちいい!「いいよ、その表情。淫らで綺麗だ!」惚れ惚れと表情を眺め、可愛い唇から直接喘ぐ声を感じたくて、KISSを繰り返す。「雅夢の意地悪~!でも嫌いじゃないよ!私ってもしかしたらMなのかなぁ~?真里菜からは姉御って言われてるのに~!」ちょっと泣きまね。「そうなの?俺からすれば、美香は完璧Mだね~!つい虐めたくなっちゃうくらい可愛いよ!」横たわる美香の手を、強い力で握り締めた。「この仕草ってさ、今身体を重ねてる俺達みたいじゃない?女とする時、手を握るのが好きなんだ。好きな女と一つになってるって気分になるよ」「ふーん!雅夢って、恋愛経験多そうだね?やな感じ~!」彼の頬を抓る真似をすると苦笑顔。額にはうっすらと汗。それを髪をかき上げて手の平で拭う。感覚で悟る。そろそろ最後が近いんだ。目を閉じて、全身全霊を身体に集中させよう。「雅夢・・・素敵・・・アァ・・・」強く収縮する内部と泣きそうな声。「美香・・・俺・・もう・・・」細い首筋に甘噛みをして、強く腰を振り、一番深いところで終焉を迎えた。脱力して、覆い被さる背中に回された細い腕が、ひどく力なく感じられるよ。「美香・・・」君に生きる希望、与えられたかな?閉じたままの美香の瞳からは、一筋の涙が零れ落ちていた。美香、正直、まだ君の病、受け止め切れてないみたいだ。現実から逃げたいのは、俺のほうなのかもしれないよ。唇を塞ぎながら考える。本心を奥底に封じ込めていこう。こんな事、一番辛いはずの美香に言えない・・・考えながら彼女の涙を、そっと人差し指で拭った。オンナ心 軌跡へ
2008/08/29
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店に来て三度目。閉店まで残っていた彼女に、部屋来るように誘われた。男だもん、悪い気はしないけど、少しばかりの不安を抱かないわけではなかった。店のルールとしても、業界としても、客に手を出してはならないから。でも縋るような表情を見ていると、どうしても断れなかった。「美香、本当にいいの?」俺の問いに、彼女は優しく微笑みを浮かべる。「いいの。私、自分の選択に後悔したくないんだ。それは仕事でも、男でもそうだよ。私が雅夢を選んだ。ただそれだけ」「それに一番綺麗な時を、君に憶えていて欲しい。雅夢、あのね、最後の瞬間まで精一杯生きるよ!遣り残した事がないように。だから見守って」「何で俺なの?」「ん?君が気に入ったから。それじゃ変?」俺の腕に腕を絡ませたまま、顔を覗き込む。「変、じゃないよな?うん、変じゃないよ」彼女はほっとした表情で少し俯く。歌舞伎町からタクシーに乗って、丸の内まで。新丸の内ビルほど近くの高級マンションが、彼女の住まい。「いいとこ住んでるね~!」率直な感想に苦笑。生活のレベルが違うぜ!「これでも、一部上場企業の経営者ですから!儲けさせていただいてます!ね、少しお腹に何か入れるもの買って行こう!お腹空いちゃった」「こんな時間に食べたら太っちゃうよ?でも、食欲があるうちは、君が元気だって証拠だからいいか!いいよ!ローソンで何か買っていこう」嬉しそうに頷く美香。かごを片手に店内を物色する俺達。彼女は消化のよさそうな食べ物を中心に、かごの中に次々と放り込む。「そんなに買うの?」「おかしい?買い過ぎかな?だって雅夢も食べるでしょ?」「うん、まあ」曖昧な返事をすると、口を尖らせる。「んも~!雅夢君は若いんだから、食べなきゃ駄目よ~!華奢な男の子は好きだけど、痩せすぎは良くないよ~!自分が今あんまり食べられないから、食が細い君を見てると不安になっちゃう!」「解った解った!ごめん、そうだったよね!」宥めるように頭をいい子いい子して、沢山の商品が入ったかごを受け取る。「美香、俺が持つ。無理しちゃ駄目。君は体調良いと、すぐ無理するんだから」「ごめん」肩を竦める私。これじゃどちらが年上なのか判らない。年下の雅夢に熱を上げてしまった。不思議と彼に出逢ってから、体調が良かった。きっと元気をくれるからだよね?雅夢。かごを持ってくれる。そんな些細なことでも嬉しくて、心が暖かくなるよう。ねえ、君は私に勇気をくれる存在なんだよ。レジに商品を持っていく、彼の背中を見つめる。「待って!」駆け寄って彼の腕にしがみ付く私に、慈愛の視線を注いでくれる雅夢。ねえ、恋って、こんなにも元気を与えてくれるんだね。君がいれば、今の自分、何にも怖くないよ。私は彼に、何を残してあげられるだろう。会計を終えて、レジ袋を下げた横顔を見つめる。「どーした?美香。何だか嬉しそうじゃん?そんなに俺と一緒にいるの、楽しい?」「うん!嬉しいよ!雅夢大好き!」素直に気持ちを伝えたい。生きている間に。ホストと客の関係であったとしても、それでもいい。美香のマンションに着いて、その部屋の広さに唖然とする。どれぐらいあるんだ?玄関から、一番奥の部屋まで続く大理石の床、おそらく天然のものだろう。「くあ~!まるでセレブの住む部屋だね」感嘆の溜息をつく俺に、玄関のロックをした彼女は、キスを求めて首の後ろに手を回す。突然の行動に、ローソンの袋を落としてしまう。熱の込められた甘いキス。小さなキスを繰り返しながら、うっとりとした表情を浮かべる彼女。「此処、玄関だよ?」「知ってる。でもすぐにキスしたかったの。ね、一緒にシャワー浴びよう!雅夢と一分一秒でも早く身体を重ねたい」「せっかちだね。でも積極的な女って好きだよ。特に、君みたいに綺麗な女なら尚更ね。バスルーム連れてって」言葉に素直に頷く、はにかんだ少女のような人。「これで君の体調が、少しでも良くなるんだったら、何度だって抱いてやるよ」向かいながら話し掛ける。「ほんと?」「マジで。それで元気になるならいいじゃん。俺、年上の笑ロい綺麗な女、大好物だしね!」「好き者だって想われちゃってもいいから、いっぱいしようね!」だって私には時間がない。雅夢に憶えておいてもらえるなら、今の地位も、お金さえも惜しくはなかった。記憶に留めてくれるなら、それだけで満足。そう言い切れるよ。白い扉の先には八畳ほどの空間。白で統一された清潔な脱衣所には、作り付けの棚。乾燥機付洗濯機が無ければ、まるでパウダールームのよう。「ホテルみたいだ」「そう。此処はね、中古で購入する時、全面的に大掛かりな改装工事したの。仕事でくたくたになっちゃうんだもの、自宅は最高に寛げる、ホテルみたいな部屋にしてって頼んだのよ!」「納得。随分綺麗にしてるね、ハウスキーピング入れてる?」「入れてるよ。自分で綺麗にしてる時間無いから。それにね、あんまりお掃除得意じゃない」「だーめじゃん!女なのに~!」「いいの!出来る女でも、得意、不得意あるもんでしょ?ね、お風呂入ろう!雅夢」熱っぽい視線で見つめられる。「ん。じゃ、脱がしちゃお~!」唇を塞いで、白のブラウスのボタンに手を掛ける。露になった白い肌は滑らかで、黒いブラがその白さを引き立てている。アイボリーの、タイトな膝上のスカートのファスナーに手を掛けると、現れたのは黒のガーターストッキング。これを着こなせる女はそうはいないだろう。現に俺は、一度も抱いた女の中で、ガーターストッキングを身につけていた女はいなかったな。「すげーセクシーなんだけど!久しぶりにムラムラする!」「そうでしょ。雅夢に喜んで欲しくて、通販で買っちゃった!」屈託の無い笑顔を見せる美香。もうたまらなくなって、思い切ってガーターを外す。彼女は俺のシャツに手を掛けて、少しもどかしそうに脱がしたあと、スラックスのベルトを外しに掛かった。すっかり一切を纏わぬ姿になると、彼女は乳白色のすりガラスで出来た、バスルームの扉を押す。彼女に手を引かれたまま後ろに続いた。シャワーのコックを捻ると、気持ち良いくらいの温度と勢いのシャワー。彼女の細いウエストに手を添え、キスをしながら体を添わせる。「綺麗だよ、美香」唇を解放する度、耳元で何度も囁きながら。「ね、もう限界なんですけど?お嬢さん、此処でしちゃっていい?」 「我慢出来ないの?しょうがないな~!」苦笑する顔が愛おしい。自ら浴槽の縁に両手を掛けて、受け入れる体勢をする。俺は細いウエストに手を添えて、ゆっくりと美香と一つになった。声が浴室に反響する。少しだけ怖いのは、行為が、彼女の身体に負担を与えないかという部分。「美香、大丈夫?無理しないでよ」「大丈夫、大丈夫だから、もっと強く抱いて。無理はしてないよ。雅夢、すっごくいいよ!アァン、変になっちゃいそう・・・」彼の優しい仕草に身体を預けていく。「ねぇ雅夢、身体も言葉も、それから仕草も私の記憶に焼き付けて。人に愛された記憶、それがきっと、私と雅夢を繋ぐ絆になるから」これから先、何度貴方に抱いてもらえるか自信ない。神様、お願いだからもっと時間を頂戴。彼から愛される、命を吹き込む大切な時間を。行為に溺れながらも、願わずにはいられなかった。オンナ心 命に・・・へ
2008/08/28
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「雅夢、私の事情、真里菜には黙っていて。あの子知ったら多分凹んじゃうから。お願いね、絶対に内緒」耳元で囁く「解った。体、大丈夫なの?今日は少し顔色がいいね。安心したよ、美香」「今のお薬合ってるみたい。張るタイプの薬になったんだよ。ずっと雅夢に逢いたかったのに、逢いに来られなくてごめんね」思いっきり彼に甘えたい。私は彼の肩にこつんと頭を付ける。今の私には貴方しかいないんだよ、雅夢。親友にも打ち明けられない秘密を、彼は理解してくれていた。「美香、俺さお前の事本気だよ。ずっと支えたいって、想ってるんだからね」どんどん痩せていく彼女。俺はただ、見守ってやることしか出来ないなんて。ホストになって三年。初めてあった時、顔色が悪くて酷く落ち込んでいた女性。とても美人なのに暗い印象を抱いた。「初めましてお嬢さん」初心者の皇牙に乞われて、席についた彼女に笑いかけると微かに頷いた。「お酒飲みたいんです。付き合ってもらえますか?」「もちろんですよ。元気ないですね、大丈夫?貴女のお名前は?俺は雅夢って言います」「美香って呼んで。雅夢君って言うんだ。宜しく。若いね、それにとってもかっこいい」無理に微笑を浮かべる彼女が儚げで、少しばかりの同情を抱いたんだ。そう!客に本気になるなんてありえない。彼女に出逢うまで、そう想っていた。No、1になるまで、俺に貢がせた女は、両手の指に収まらないほどだ。俺にとって金持ち客は大事な金づる。さんざん大金持っていた女に貢がせてきた。俺を気に入る女は、大概年上の女。ベンツ買ってもらったり、ブルガリの時計を買ってもらったり、金銭感覚が狂ってしまうくらい札束を稼ぐ俺達。這いつくばって、そこらの企業に勤めるなんてごめんさ。歌舞伎町で一番に成り上がってやるって、それだけを目標に、此処で必死になって働いていたんだ。当然、この女も金づるになる。想っていたのにな。「どうしたんです?そんなに顔を見つめないで下さいよ!貴女のような美人に、見つめられると照れちゃいますから」ほんの社交辞令のつもりだったんだ。彼女は一瞬目を大きく見開いて、瞳に大粒の涙を浮かべた。少しうろたえて、胸に入れてあったハンカチを差し出すと、小さく礼を言って受け取った。「何かあったの?俺でよければ話を聞くよ?」項垂れた彼女の頭を撫でた。「雅夢君・・・」 「ん?」 「私、スキルス性の胃がんって診断されちゃった」「!!」絶句する俺に言葉を続ける。 「とても一人で受け止め切れなくて、倒れそうになりながら、此処まで来たの。誰かに話を聞いてもらいたかった」「美香・・さん」「弱いよね。一人でいられないなんて。ついでに旦那にも、離婚届出してきちゃった。彼に最後を看取って欲しくなかった。何の愛情も抱かない人に。だってもう長く生きられてあと、半年なんだよ?それならその間に、もう一度恋をしたいって想ったの」なんだか切なくなって、彼女の肩を抱いた。「ごめんね、美香さん。俺上手く言えない。でも君の気持ち受け止めるからさ、苦しい胸の内、吐き出しちゃいなよ」「ありがと、雅夢君」「雅夢でいいよ。俺も君を美香って呼んでもいい?今日は気持ち、いっぱい吐き出して、元気になって帰ってもらうからね」俺を見つめる彼女。いくつなんだろう。グリーンのアイシャドウが印象的な、聡明さを感じさせる、涼やかな目元。綺麗に彩られた薄いベージュの唇が、ゆっくりと開かれた。「ありがとね、雅夢。でも怖くってたまらない。死ぬってどういうこと?今確かに、私は此処に存在してるのに、後半年でこの肉体は無くなってしまうの?」「美香。不安だよね。先を考えると。不安を抱くくらいなら、今を精一杯楽しもうよ。そうすれば不安に支配されなくなる。それに今をしっかり生きれば、死ぬって意味も、自然に答えが出てくるかもしれないよ?」「本当?」「うん。美香。君はとても綺麗だ。それに病気ってね、笑いがあると治癒力が増すんだよ。ナチュラル・キラー細胞がね、活性化するんだって。笑うと元気になるでしょ?だから美香、俺にもっと笑顔を見せて」「こう?」ぎこちない笑顔に俺もつられそう!「もっと笑って!美香」俺は彼女の口角に人差し指を当てて、笑い顔を作る。「ほーら!美香が笑い顔になった!」「やだ~!酷い!メイクが落ちちゃうじゃない~!もう雅夢の意地悪!」いたずらっぽく睨みつけて、小さく笑う彼女「怒ったの?でもそんな顔も可愛いよ!美香」年上の女性を何人も見てきたけれど、これほどの美人は久しぶりだった。身につけているものも高級品だ。薄いグレーのスーツに身を包んだ、年齢不詳の女性。つけている香水は、BVLGARIのBLACK。ふーん、結構顔は俺好み。ぷいと横を向いたままの、彼女の頬につんつんと指を立てて、構っての仕草。「んも~!雅夢って人の顔触るのが好きなの?もしかして甘えんぼ系?」「そっ!!俺、甘えんぼ系!ついでに言うと、年上好み。美香みたいなクールな美人、俺好きだよ!」「あら!嬉しいこと言ってくれるじゃない!私も雅夢みたいな無邪気な子、好きよ!話していたら、少し元気が出てきたな~!雅夢、ドンペリ頂戴!今日は飲むよ~!」「良かった」ほっと胸を撫で下ろす、俺の顔を見つめて、美香が屈託の無い笑顔を浮かべたんだよね。彼女の肩を抱いたまま、出会った過去を考えていた。美香、君を最後まで見守るから。二人だけの時間がもっと欲しいんだ。願った分、大切にした分、君の命が一日でも長く、続く気がするよ。オンナ心 願いへ
2008/08/28
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ども。緋褪色です。チビから風邪をうつされて、吐き気と胃痛に悩まされております。でもそれでもブログは休まないという。(苦笑)昨日は皆さんにご心配させてしまい、ほんとごめんなさいね!体調が悪いと、気分まで塞ぎ込んでしまうよね。そんな中お話を考え付いた、オンナ心の連載です。ちょっと悲しい話になるかな。私にしては二回目の泣ける話だ。ノエルとルーク以来の悲しい話。でも読んで良かったと思えるようにしたいな~!ルークは戦場で、命落としたカメラマンのストーリーだったから、書いていて結構凹んだ。今はもうリセットしてしまったから、そのお話はもう見れないけれど。ちょっと残念だったりするんだわ~!(>ддд
2008/08/28
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私は気がつかなかった。美香の変化に。親友なのに。貴女は私に何も打ち明けてくれなかったんだね。いつも明るくて、ほんと姉御みたいに、のんびり屋の自分に根気強く付き合ってくれる彼女。美香はメイクを終えると、自慢げに微笑みかけてくれた。「いいじゃん!さっすがあたしっ!!ほーら真里菜、すっごい美人さんに変身したよ!鏡見てみな!」言われるがままに、パウダールームの鏡を覗き込む。「これ・・・?私なの?」「そーだよ!アイライン入れるだけで、かなり目力増すでしょ?少し垂れ目ちゃんの真里菜でも、くっきり目元美人に大変身しちゃうんだよ!さ!行くよ!これで今日のアンタ、モテモテ色女になっちゃったからね!」ウインクする彼女。美人に言われれば、満更でもないよね!なんだか少しうきうき気分!来た時と同じように、美香にしがみ付きパウダールームを後にした。「あれ?美香、前よりウエスト細くなったよね?」「いひひ!ばれたか!実は好きな男できたんだ~!さっきの雅夢、あの子あたしの彼氏なんだ!かなりのイケメンでしょ?もうメロメロよ~!でも店の連中には内緒だよ!」「すごーい!旦那と離婚して、もう彼氏見つけちゃったの?やるね!美香!」「当たり前でしょ!誰だと思ってんの?美香女王様を侮るなかれ!」(´∀`*))ァ'`,、 彼女とあたしはさっきの席に腰掛けた。席につくなり、雅夢さんが彼女に水割りを作ってくれる。フレッシュジュースを運んできた皇牙さんは、私に爽やかに笑いかけ、コースターの上にジュースを置く。「あっありがとうございますっ!!」「いえいえ!緊張してます?真里菜さん。あ、メイク変えられたんですね?さっきも素敵だったけど、目元が強調されてもっと美人になりましたね!」「解るんですか!」嬉しくなって皇牙さんを見つめると、優しく微笑み返してくれる。「もちろんですよ!女性って、メイクで全然印象が異なりますからね!隣、座ってもいいですか?」「あ、どうぞ。皇牙さん、おいくつなんですか?まだ20代ですよね?」いかにも問いがおばさんっぽい!(>д
2008/08/28
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マジ、どうしたらいい?正直辛いよ。凹むくらい。あたし、そんなに強いわけないじゃん。誰かに縋りたいって、甘えたいって想うの、悪いかな。ずっと支えてきた人間が心の拠り所を求めるの、おかしいかな。苦しくて、ただ、苦しくて。でも、叫びは貴方に届かない。見ないよね、きっと。心の内側なんて。だって見せないようにしていた。でも、もう限界・・・かも。あたし、強くなんかない。もう限界・・・絶対に届かないメッセージだね・・・・泣き言、らしくない。解ってるそんなの。でも、苦しくて、吐き出さずいられないよ。誰か教えて!心の葛藤を昇華する術を。自身が自信に変わる術を。
2008/08/27
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「ちょっとちょっとっ!!此処ってホストクラブじゃんっ!!」「あ?それが何?」事も無げに言い切る美香。「ホストクラブで、ぱーっとやるのよっ!ホスト達と遊ぶの、楽しいよ~!奴らプロだからね!いい男に囲まれて、甘ーい言葉をいっぱいもらうと、元気が出るぞ~!ほらっ!!行くよっ!!」*゚Д゚)*゚д゚)*゚Д゚)エエエエェェェ「って早っ!!美香~!置いていかないで~!」んも~!私の制止なんて聞いちゃいないしっ!!看板を見ると、店の名前は「Blue moon」蒼い月か。ホストクラブなんて、入った経験ないのにな。これでも、純粋培養バリバリの生活を送っていたあたし。旦那以外の男と、付き合った経験も皆無。無論、浮気なんてしたこともない。「いらっしゃいませ、お嬢さん方!当店に足をお運び下さり、心より感謝いたします」「皇牙君こんばんは。また来ちゃった!雅夢いる?」入り口で向かえる男性に一瞥して、彼女は店内を見回す。名前の通り、店内は蒼い照明の光に溢れていた。ちょっと緊張して、私は美香の腕にしがみ付く。 「どした?怖がらなくて平気だよ!あ、この子、ホスト初めてだからさ、あんまり虐めないでね!あっ!!雅夢っ!!美香、友達連れて来たよ~!」(´∀`*))ァ'`,、 「美香さん、いらっしゃい!もう、全然電話しても来てくれないんですもの、寂しかったですよ!俺、嫌われちゃったのかと想いました!あ!お友達連れてきて下さったんですね!嬉しいな!お嬢さん、初めまして。俺、雅夢って言います。貴女のお名前、伺っても宜しいですか?」はああっ!!なんつーイケメンっ!!返事もできず、緊張が更に強くなって、美香の背中に隠れるようにして彼を見つめる!「あれ?俺怖がらせちゃってます?ごめんね!」「雅夢はカッコがね、ヤンキーみたいだから怖がってんのよ~!茶髪、前みたいに黒髪に戻しなよ~!」「この子、真里菜って言うの。あたしの大親友!可愛いでしょ?ホスト初めてだから、おとなしい子に席につかせてね!笑ロも駄目よ!免疫無いから。行こう!真里菜。大丈夫だよ、此処のホスト、皆プロだからね!」美香の宥めにこくりと頷いて、男ばっかりの花道の中、私は彼女にしがみ付いたまま、足をもつれさせながら歩く。雅夢さんに通されたのは、一番店の奥のL字席。これって一番、上客の席じゃなかったっけ?促されるまま、私達はソファーに腰掛けた。美香は綺麗な足を組んで、ゆっくりと雅夢さんに視線を注ぐ。彼との会話から、もう彼女が、この店の常連だとすぐに理解できた。堂々と振舞う女王様のような美香と、対照的におどおどとしている自分。しがみ付いたまま「美香~!」泣きそうな声を出すと一瞥して苦笑顔。 「情けない声出すんじゃないの!女は堂々と振るまいな!私らは客だよ?精一杯彼らに尽くしてもらって、最高の時間を過ごすんだからね!」゚。・゚ヾ(゚`ェ´゚)ノ。゚・。でたっ!!女王様美香の本領発揮!羨ましいくらいにかっこいい!「でも怖いんですけど~!」やっぱり小心の自分!つくづく嫌になっちゃう!つД`)・゚・。・゚゚・*:.。..。.:*・゚「真里菜さん、初めまして!僕、皇牙って言います。まだホストになって三ヶ月なんで、至らない部分たくさんありますが、今日は楽しんでいって下さいね!」席についてくれたのは、出迎えてくれた、いかにも若そうな男の子。男の子と表現するあたり、いかにも自分、おばさんじゃんっ!!(>дд
2008/08/25
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「あーあ!嫌になっちゃう!もう今日で40よ!適齢期過ぎてシングルってどうよ?」美香のぼやきに苦笑する「なーによ!仕事も成功している社長がぼやかないの!」宥める私の顔を覗き込む。 「貴女はいいわよ~!素敵な旦那様捕まえて、可愛い子どももいて、でも私には何も無い気がする~!切ないって言うかなんというか、何なの?この空虚感って?」「私からすれば、美香が羨ましいけどな?バリバリ仕事して、おばさんくさくなくって、いつも洗練されてかっこいいんだもん!こちとら、まるで家政婦みたいだって感じる時があるよ!働けど、感謝の言葉なんて吐かれないんだから~!」美香は人材派遣会社の女社長。美人で頭も良くって、ついでにスタイルもめちゃくちゃ良い。同性からみても魅力的。彼女の友達である私は逆に、顔にも自信がなく、スタイルもがーんとするくらいぽっちゃり系。彼女は私の持ってないもの全て手にしていて、ほんと羨ましい。「結婚、しなきゃよかったな。なんで今の旦那に妥協しちゃったんだろ?」「あーっ!!真里菜、問題発言よ~!いい人じゃん!葛西君!あんなに優しい旦那で何が不満なの~!」美香が口を尖らせる。そりゃそうか、彼は美香の元彼なんだもんね。彼女が振ったあと傷心の彼にアタックして、できちゃった結婚した、私と旦那。もう冷め切った関係。ついでに言うと体の関係も随分なかったりする。そんなに私って魅力ないかな?美香を見て深く溜息。「どうしたのよ?真里菜。もしかして夫婦の危機?(。-∀-) ニヒ♪ 「そんなんじゃないけど、もうマンネリ。ついでに倦怠期なんてものが、ずーっと続いてるの。あーあ!あたしも美香みたいにスタイル良かったらいいのにな~!顔もさーまん丸でお団子みたいって思っちゃう!駄目だ、落ち込んできた・・・」「ちょっと!しっかりしろ~?アンタ昔から、マイナス思考ばっかり!私から見れば、真里菜はもっと自信を持てば、魅力的になれるよ!保障するって!」自信満々の美香「うえ~そうですか?なりますかね?このたるみきった身体も、緩みきったまん丸顔も?」問いにニヤリと笑う彼女。「なるよ~!でもその為には荒療治が必要ね!こいっ!!真里菜っ!!いいところ連れて行ってあげるっ!!今日はパーっといくよっ!!今日は私のおごりだっ!!」元気だわ~!(´ω`ι)そうでなきゃ、会社社長になんてならないか!私は少し呆れつつ、彼女の後ろについて歩いてく。「どこ行くの?」 「内緒~!」(。-∀-) ニヒ♪彼女は、私のおねーさんみたいだってつくづく思う。同じ歳なのにね。しっかり者の彼女と、のんびりやの私。対照的だからこそ、結構仲がいい。彼女は喫茶店のコーヒー代も私の分まで払って、さっさと店を出て行く!「待ってっ!!美香」「アンタからは受け取んないよ!儲かっている方が払う。それでいいじゃん!」小銭を差し出す私に、きっぱりいい切る。「でも」 「いいの!いう事聞きな!真里菜!」「ごめん、ありがとう」 「どーいたしまして!今日はたまの外出なんでしょ?たくさん楽しもう!私もアンタに逢えて嬉しいしねっ!!」「うん。美香っていっつも元気だね!それにとってもポジティブで感心しちゃう!私と全然違うんだもん!まるで姉御みたい」「姉御かよ~!あんま嬉しくないぞ~!せめてハンサムウーマンとか言ってくれ~!」まるで男のような口っぷり。でも彼女のそんな部分、嫌いじゃない!ううん!結構好き!「いくぞっ!!真里菜!女は磨いてこそ女だぞっ!!走れっ!!」工工工エエエエエエェェェェェェ(゚Д゚)ェェェェェェエエエエエエ工工工「待って美香っ!!ヒールで走るなんて反則だよ~!」走る彼女を慌てて追いかける!いったいどこに連れて行くつもりなんだろう??オンナ心 魔法へ
2008/08/25
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終わったぜ~!番外編!リンクして下さっている、ながさわひろさんからの依頼で、番外編書きましたが、依頼がなくとも離婚後の彼らを、描きたいと考えていました。女性は幸せにならんといかんとです!つくづく想います!世の女子、強くなるべし!本来殿方より、ぜったいタフなんだよ!女ってね!だって未来に遺伝子を、引き継ぐ役割を担うんだもんね!以前から自分を知っている方は、本来ストーリーのブログじゃないと、知っているんですわ~!作った物とか、DIYのご紹介だったんですね~!((藁´∀`)) それがいつのまにやら、ストーリーオンリーにっ!!もともとはまり性なので、今このような状態になっております。表現は拙くて、国語の基本すら、もう想い出せない。だけど自分だけしか出来ない表現って、あるような気がします。それを模索しながら送る日々です。難しい言葉を並べた文章が、優れているとは想った事ないな。そんなの自己満足じゃないだろうかね。読み手に、ストレートに伝わる表現が出来て、初めて作品になるんじゃないだろうか。申し訳ないんだが、自分かなり辛口なので、中途半端な表現者には興味もない。それに、物書きのプロを目指すと、家族に宣言した以上、もう後戻りはしないよ。まだ仕事は決まっていないんだけどさ、そろそろマジで見つけなきゃ!自分の夢はね、一番大好きな人に「今日の作品良かったよ!この台詞、グッと来た!」そう言われたい!だから書き続けるんだ!いいよね、自分が自信を持つ為に、賭けに出たって!とりあえず、今日はさよなら!また、明日にお会いしましょうね!最後までお付き合い下さり、読んでくださった方々、心より感謝!人´Д`*)ぁりがとぉ☆
2008/08/23
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「待てっ!!愛美っ!!座って飯食えっ!!こらーっ!!何でこんなに落ち着きがないんだ??愛美はっ!!」染姫に愛美を預けられた初日、俺は慣れない育児に四苦八苦!育児って・・・地獄だ(>д
2008/08/23
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