Mar 21, 2020
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テーマ: 読書(8226)



著者は“糖質制限”の本を多数書かれている宗田哲夫先生。

タイトル通り糖質が中毒になるという論を展開しているのですが、その中で、日本食が日本人長寿を支えているという、世界的な常識を否定。食事の西洋化によって、平均寿命が延びたのだというトピックスが。

これはインパクトが大きかったです。


いつものように学びが多かったので、備忘録。




「甘いもの」は「麻薬」である
いわゆる「覚せい剤」などの「ハード・ドラッグ」ほどではないものの、「甘いもの」には依存性があります。甘い砂糖やごはんなどに含まれる「糖質」は、私たちの意志に関係なく、脳に直接働きかけて糖質過多になるように誘うことができる物質(マイルド・ドラッグ)なのです。



食べ始めの赤ちゃんは、おかゆを嫌がって食べたがりません。

中略
赤ちゃんが最初から好んで食べたがるのは、じつはお肉(魚介類を含む)です。
中略
なぜかというと、お肉こそが私たちヒトの本来の主食だからです。そして、一番主食から遠い食べ物がお米だからでしょう。



「食べ過ぎ」ではなく、ヒトは「糖質過多」で太る



遺伝子など研究しなくても、栄養指導さえ徹底すれば肥満は解消できる



コーンシロップ
米国で農業系巨大企業は強い政治力を持っています。米企業の利益のために、私たち日本人は知らないうちに糖質過多になるように利用されているといったら、少しうがち過ぎでしょうか。



砂糖と白米も麻薬と同じく、脳内のドーパミン報酬系を強く刺激します。だから、本人の意志とは無関係に依存症になってしまう危険性が高いのです。



「味覚=脳神経」を操る植物の生存競争
20万~30万種といわれる植物には、それぞれ今日まで生存できた理由があるでしょう。動物を魅惑するような、しかも動物自身には決して生み出せない麻薬成分や医療成分、香りの成分、そして栄養素を植物が持つようになったのは、より確実に、より広く繁殖するためなのかもしれません。



より動物に好まれる実や葉になろうと進化した結果、一度食べた動物を熱烈なリピーターにしょうと、さまざまな麻薬成分を持つようになったとして何の不思議もありません。



グレート・リフト・バレーでの進化
食べ物が豊富で、なおかつ自然の放射能が非常に多いことが大きな要因だったとされています。この地域では、新しい哺乳類が他地域に比べ高頻度で誕生していたともいわれ、首の長いキリンや鼻の長いゾウといった多様な変異と同じように、ヒトの進化も促されたのでしょう。



明治から大正、昭和になっても、日本の農業はお米を全国民に十分に行き渡らせるほどの生産力を持ち合わせていませんでした。じつは、お米が日本人の「主食」になったのは第二次世界大戦後のことなのです。






稲作は長く見積もっても3000年の伝統しかなく、なおかつお米が十分に普及してから60年しか経っていないのです。



日本中が日本食を食べていた時代は長寿ではありません。長寿になったのは近年のことであって、端的にいえば、肉をより多く食べるようになってからのことです。じつは、最近の研究でも「欧米型の食事のほうが長生きする」ということが明らかになっています。




「酸化」= 錆びる老化
●酸化とは、糖質などがエネルギーに変換されるときに発生する「活性酸素」が原因。活性酸素は、本来有用だが、多すぎると有毒物質になる。

●インスリンが増えることが、活性酸素が増える大きな要因でもある。

●細胞を劣化させたり、遺伝子情報を傷つけ、老化を加速させる。



「糖化」= 焦げる老化
●糖化は、血液中のブドウ糖と細胞や組織を構成するタンパク質が体温で加熱されることで結びついて起こる。

●インスリンを多く分泌させる糖質過多が、糖化を招く。

●糖化が進むと、「AGE(終末糖化産物)」が発生し、皮膚や骨、血管などの弾力を保つコラーゲン繊維が切断され、細胞の劣化を起こす。



明治時代の糖尿病治療は「デンプン、砂糖の禁止」 
概して物事は螺旋的に進展するともいわれます。その意味では医学において、ひと昔前に戻るようなことが起こっても不思議ではありません。



ヒトは数百万年にわたる肉食中心の歴史を持っているわけで、そこに欧米人・アジア人という区別はありません



今日の糖尿病の治療は、ごはんなどの炭水化物を食べさせ続け、血糖値を上がる状態にしておいて、薬で血糖値を下げるというものです。これは私にいわせれば、じつに愚かなマッチ・ポンプ(自分で火をつけて、自分で火を消すこと)でしかありません。



ヒトの体を構成するために不可欠な「必須栄養素」は、9種類のアミノ酸、3種類の脂肪酸、そしてビタミン類、ミネラル類、この4つなのです。そこに糖質は含まれていません。



糖尿病の専門医たちの多くは「ガイドラインそのものが間違っているのではないのか?」という、極めてシンプルな問いを発することをしません。それはなぜか。ひと言でいえば、患者の命を守るはずの「ガイドライン」が、じつは医師の身を守る「ガードレール」になっているからだと思います。つまりガイドラインを守っているのだから、たとえ成果が上がらなくても、自分たちには一切責任がないと「言い訳」が立つわけです。



がんのエサはブドウ糖だけです






医療費の構造
患者の病気をよくすると儲かるというシステムではなく、悪いままキープすると儲かるというシステムになっているわけです・・・。



糖質制限に反対なのは、農業関係者や食品業界もそうです。お米や小麦、イモ、砂糖などを食べるなというわけですから、それこそ直接的に「儲け」にかかわります



人間の行動というものは「知れば変わる」のです



糖質もアルコールと同じように、処理できる体質をできない体質があって、糖質を処理できない体質の人が高血糖によって健康を害するわけです。

中略
実際に何度か飲んでみれば「体質的に弱い」ことを自覚できるお酒と違って、糖質のほうは何度食べても自覚できないわけです。そう気づくのは、ようやく体調が悪くなって、病院で糖尿病と診断された後のこと。



お米がヘルシーというのは、何度も繰り返しているように、医学・栄養学的には「神話」でしかないのですが、その神話は赤ちゃんの頃からの食習慣によって、頑なに信仰されているようです



原始的な生命体は、鉄が酸化したり還元したりする力、つまり鉄イオンでを使って誕生しました。そのため、現存するほとんどの生物の中には鉄分が入っているわけです。私たちは鉄分なしでは生きていけません。



長続きする食事法
糖質制限によって体調が格段によくなるため、また元の不調な状態(たとえば肥満)に戻りたいと思わないので、ほとんどの人が甘いものを摂らない食生活を喜んで継続するわけです



ブドウ糖は「体内でつくられるから、体外から摂取する必要がない」わけです。なので、必須栄養素にはなりえません。




いやいや、本当に学びの多い一冊なのでした。




それでは・・・・。







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Last updated  Mar 21, 2020 06:00:07 PM
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