*ひまわりになったら*

2006/06/08
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言わずと知れた、あのドラマの原作本。


いやいやいや。ちょっと待て。
めちゃくちゃ面白いじゃねーか、オイ。


もしかすると、ドラマより面白いよ、これ。
いや、ドラマはドラマでよかったけど、
心を揺さぶられるのは絶対にこっちだ。

原作に、山ピー演じる草野彰は出てこないし、
野ブタも女の子じゃなくて明らかに気持ち悪がられるようなデブ男。
ラストも、ドラマとは違ってハッピーエンドではないけれど、
最初から最後まで面白くて、引き込まれるように一気に読んでしまいました。


帯に斉藤美奈子さんという人の、
“「セカチュウ」で泣いている場合ではない。「野ブタ。」を読んで笑いなさい。
それだけでも日本はだいぶよくなります。”というコメントが載ってるんだけど、
ほんと、まさにその通り。
若者たちよ。恋愛小説なんかにうつつをぬかす前に、こういう本を読みなさいよ。
世界が変わるよ。


でもね、私はあんまり笑えなかったな。
たしかに著者が若い人だから文章も現代っぽくリアルで、
笑えるポイントもたくさんあるんだけど。
それ以上に、自分を見透かされているようで怖かった。
今の自分の環境を、「それ、錯覚だよ」って修二に言われてるような気がした。
よく考えたら、私の周りは錯覚だらけだ。
この本を読まなかったら、きっと気づかなかった。
誰からも愛される天性の無邪気さを持った人なんて、世の中にはいない。
そんな人は、傍から見れば人間らしいかもしれないけど、
万が一そんな人がいたとしてら、その人は全然人間らしくないはずだよ。
誰だって愛されたくて、嫌われたくなくて、
どこかで予防線はってテキトウに愛想笑いしてる。
それが生きていく上で避けては通れない暗黙のルール。
本当の気持ちなんて二の次。自分を頑張って飾ってないと、不安で仕方がない。
そういう弱い生き物が、人間なんだから。


若者だけじゃなく、今の社会に対するメッセージすら感じられる。
この本を日本のすべての人が読んだら、
もしかすると本当に世の中変わってくるかもしれない。本気でそう思える。

めちゃくちゃ衝撃的だ。
なんか、これからどう生きていけばいいのか分からなくなった気もするけど、
このまま気づかないままで生きていくよりはずっとましだっただろうな・・・。


改めて、桐谷修二という役が亀梨君にピッタリだった事を知る。
無難で、普通より割と上で、普通っぽくて。
それがみんなが求めてる理想像。

修二がマリ子の大切さに気づくところ、泣けました。
テスト中にこっそり合図を交わすあたり、すごく良かった。
白岩玄って人、すごく描写が上手。
だから余計に引き込まれたのかもしれない。

そしてドラマをもう一度見たくなりました。
原作、マジでたくさんの人に読んで欲しい。





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Last updated  2006/06/08 04:19:50 PM
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