メートル・ド・テル徒然草

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エルネスト1969

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Aug 16, 2005
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 フランス料理店のテーブルへ着くと卓上に様々な食器(什器)が並んでいます。ナイフ、フォーク、スプーン、グラス、見せ皿、パン皿などなど。レストランは「ハレ」の場ですのであえて銀製品などの非日常的な「道具」を使っているのも確かです。
 そのため、「使いにくそうだ」とか「どうしてよいのか分からない」とこれがフランス料理店の扉を開ける時に二の足を踏む要因となっていることも事実です。

 まあ、そういった思いを打破しようじゃないかという目的もあって、こういった形での「テーブルマナー講習会」が開かれて、まぁ私のような者でもお呼ばれに預かったりするのですが、、、

 レストランでは一皿ごとに、ナイフ・フォークのシルバー類が交換されます。オードヴルにはオードブル用の小ぶりなナイフ・フォーク、スープにはスープ用のスプーン、魚料理には魚用のナイフ・フォーク、お肉料理には肉用の大きめのナイフ・フォークが用意されます。

 これは、とりもなおさず、個人の技量に関わらずとも、道具を変えることによって、料理を食べやすくするという目的があったからなのです。
 先にも述べましたように、「テーブルマナー」は外交上の食事儀礼、「プロトコール」がその基本となっています。と、いうことは歴史、風習、価値観の違う人どおしが食卓を囲むにあたって、いろんな人が存在することを大前提に誰もが食事できるように変遷を重ねてきた結果なのです。

 日本ではお箸をみんなが使えますが、お箸を扱う事は結構技術のいることなのです。でも「みんな」できるから、と日本人が考える事に対して、西洋ではヨーロッパもアメリカもイスラムも含めての「みんな」がもともと一緒で無い事から思考は出発するのです。
 西洋の文化で言う「みんな」とは、日本で言う「世間一般」では無くて、「社会全体」であったからです。

 テーブルにナフキンが置いてあるというのも、人が食事をすると手や口元を汚してしまうのは当たり前である、という発想からです。歴史を遡ると、もともとは全員で囲んだテーブルのクロスで口元を拭いていたものが、個人用に分かれてナフキンになりました。
 ナフキンはふたつ折りにして使用します。以前は折り山を手前側にして膝に置いたのですが、最近ではもう少し簡略化されて山側を向こう側にして置くことが主流です。いづれの場合も拭くのは裏側で。他の人に汚れた部分が見えないようにします。

 卓上のナイフ・フォークの類の提供のされ方はレストランによって変わってくることがあります。一皿ごとにナイフフォークを入れ替える形式と、宴会時のようにあらかじめ使用するものが決まっている場合などは何種類かのフォークナイフが並べられている場合とがあります。
 いくつかのナイフ・フォークが並べられている場合は外側から使用します。
 えっ?オードヴル、魚料理、肉料理と進むにしたがって、だんだんお皿が大きくなってきますので内側から使って場所を空けるんじゃないの?、、、というのはマチガイ。
 お皿を下げた時の卓上が間伸びした感じにならない様に、と、まだこの後もお料理が続きますよ。という合図のため大きなナイフ・フォークは最後まで残るようにされているのです。

 さて、卓上に配置されているこのナイフというものは、現代では形状が、昔に比べて雰囲気が随分変わったようですが、本来は獲物を取る時に使用する非常に危険な道具でした。本来が危険な道具であったことから、その取り扱いに注意をしていた事がテーブル上のマナーとして現代も残っています。
 ナイフを卓上で立てるような仕草は挑発的な野蛮な行為のためしてはいけない事となっています。また、落した場合自分で拾っちゃいけないのは、テーブルに隠れてよからぬ事をさせないためでした。

 実際にナイフ・フォークを落としても、間違っても、さりげなくサーヴィスマンが交換してくれます。予備のシルバー類は飲食店ができる程あるはずなのですから。

 眼の前に並べられたグラスは、右側から順に使います。いちばん左手にあるグラスが水の注がれるグラスとなっていますので、先に飲むであろうと考えられる飲料のグラスが右側に配置されています。
 さて、飲料が注がれる時はグラスを持ち上げないで下さい。お客様の話を中断したりしないようにサーヴィスマンは気を使っておりますので、お客様にグラスを持たせるのは、サーヴィスマンがお客様に気を使わせている事になるからです。

…どうぞお気づかい無く。お客様には気を使って頂くよりも、お金を使って頂く方がお店にとっては嬉しいのですから。






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Last updated  Aug 17, 2005 02:02:46 AM
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背番号のないエースG @ チョコレート 「風の子サッちゃん」 ~ Tiny Poem ~…
坂東太郎G @ 「辛味調味料」そして考察(01/16) 「石垣の塩」に、上記の内容について記載…
エルネスト1969@ Re[1]:ホスピタリティは「人」ありき(10/04) はな。さんへ コメントありがとうございま…

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