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母の入院


奇跡的な母の腫瘍発見で、それを父にどう告げるか、もしくは告げないのか。
とても悩みました。

いくら、現実的なこと、今のことをはしから忘れていく、とはいっても、事が事だけに、どう告げるのか…。
告げたあとのフォローはどうするのか。
また、母の入院・手術に伴って父のケアを誰がどのようにするのか。


結局父には、母が少し体調を崩したので、強制的に入院させる…ということにしておこうと決まりました。
病院の先生方も、ハッキリ現実を知らせない方が本人のためだろうとのことで…。
受け止めるだけの体力・気力が今はまだ無いからという事です。


父にそう告げると、もともとよく入院していた母なので、父も疑うことなく「そうか…しっかり直して来いよ」といって「さびしなるのぉ」と、ちょっと寂しそうな感じでしたが、しかたありません。


そして、2002年6月、母は入院しました。


最初は検査検査…が続きます。

わたしや、弟夫婦(母の入院前に急遽結婚式をあげました)や伯父が介護だったり、様子見にチョコチョコ行きましたが、自宅から約60キロにある病院です。
ハッキリ言って通うことも大変でした。
時間が掛かるので、高速に乗って通いました。
最初は、100キロなんて…ととても怖かったのですが、何回も高速に乗って、いつの間にか高速での速度が怖くなくなってしまいました(^^;ゞ


入院数日後。先生より詳しい話が本人と家族にありました。
かなり大変な手術のようです。
時間も24時間近くになるだろうとのことでした。

リスクも大変大きいものでした。
もしもの時のこともありますとまで言われました。
それでも、同じ手術で成功した経験のある先生です。
お任せするしかありませんし、穏やかな、あたたかな感じの先生でしたので、とても信頼出来ました。

脳の真ん中ということで、側頭部から頭蓋骨を切って、中の腫瘍を取り除くそうです。
考えただけで怖くなってしまいます。
母本人は、本当に怖かっただろうと思います。

わたしたちはというと「絶対にうまく行く」と、自然に考えていました。
いま思うと、ここで心配ばっかりしていると、引き寄せてしまったかも…と思って怖いですが、漠然と「大丈夫」と信じられました。


母の入院中、父には、時々誰かが顔を見に行くという程度で、ほとんど病院にお任せになってしまいました。

この時には、弟嫁に本当に世話になりました。
義理の父親の、顔をタオルで拭いてくれたり、ヒゲを剃ってくれたり…。
弟との付き合いが長かったとはいえ、結婚して嫁になったばかりだというのに、本当に、よくしてくれました。

わたしや弟が母のところに行ったり来たりの間、彼女は不安だったろうし、寂しかっただろうと思います。
新婚なのに、だんな様は義母の介護で泊まり込んだりしていて、すれ違いの生活だったのですから。


父は全く疑うことなく「母さんは元気か?」というくらいで、わたしたちの前では、あまり寂しそうな様子を見せませんでした。
意地、なのか、そういう部分が飛んでしまって、いま現在に気持ちがないのか分かりませんが、わたしたちを困らせることは全くありませんでした。


そして、手術の前日。
母は頭髪を剃りました。手術のための坊主です。
─わたしの感想…なんか、、かわいい…でした。(^^


────

母の方は、とても書きやすいと言ったら変ですが、本当に、いまは、手術したことが信じられないほど、普通に生活しています。
ほんの少し目が不自由なくらいで、傍目にも全く分かりません。
レイキのおかげもあって、風邪知らずにもなりましたし、いつもニコニコしていて、若々しい感じにもなってきています。
もともととても心配性だった母も、いまでは、心配するとネガを引き寄せるから…とくよくよ考え込むこともなくなったようです。
娘から見てもイキイキしています。



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