まっぺいの下町ラジオ

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(1)脅威の小島 シンガポール3


その1例として、英語の普及率を上げたが、他に例証できるものがいくつかある。

まず、シンガポールには、「汚職がない」と言われる。
確かに「言われて」いるだけなので、実際のところは良く分からないが、東南アジア諸国では当たり前のタクシードライバーによる悪質な運賃ごまかしや飲食店でのぼったくり等は、ここシンガポールにおいて、今まで私は見たことがないし聞いたこともない。

その代わり、交通規則などに代表される罰則は、かなり厳しいと聞く。
どんな例外も、ほとんど認められない。

例えば駐車違反。
「たった2分止めただけじゃないですか」こんなの絶対にアウト。
ドライバーはいつでも駐車用の切符を用意しておかなくてはならない。
そして、彼らもまめにきちんとルールを守る。

これがマレーシアやインドネシアだと、まず警官が車を止める。
「あんた違反してるよ」と言う。
こちらが現金を渡すと、「よし行け。」これで終わりである。
実際そんな場面に遭遇すると、唖然としてしまう。
地元の人間に理由を聞くと、「警官が国からもらう給料が安いから、彼らはああやって生活の足しにするのさ」という答え。
呑気なものである。

また、シンガポールでは、麻薬を国内に持ちこむと、なんと「死刑」である。
おいおい死刑はないだろうと思われる方も要るだろうが、命の危険を冒してまで麻薬をシンガポールに持ち込むやつは皆無だろう。
シンガポールでは警官は「ギャング」と渾名されている。
みんな少し不平を言いながらも、別にフラストレーションにまでは至らない。
恐らく警官も、公務員も、会社員も、そして恐らく政治家も潔白だからと推測できまいか。
そしてこれも、教育をしっかり施されているからだと言えまいか。

ある国民をしっかり教育するのに、3世代はかかると言われる。
時間だけではない、その費用も莫大であるし、しっかりとしたコンセンサスも必要になってくる。
3世代と言うことは、そのもう1つ前の世代が教育を施すわけだから、少なくとも延べ約100年という計算だ。
また、ある国において教育に時間とカネが費やされるようになるには、その国にかなりの経済的な余裕がないと難しい。

教育は莫大な時間と金がかかる割に、その効果が出るのに随分と待たされる。
発展途上の国にとっては、教育に使う金を、先進国が持っている技術の導入に投資するだけで、しっかりと歳入が得られるのだ。
「明日の1000円よりも今日の100円」とはよく言ったものだ。
我々日本は、幸いちょうど我々の祖父母の世代が、かなりのレベルまで教育を受けているため、戦後のどん底から復興することもできたし、我々の世代もこうして質のいい教育を受けられたのだと私は考えている。

シンガポールはその点、国が小さいというハンディキャップを逆手に取り、本来100年かかると言われるこの教育の問題を、建国後わずか30年で片付けてしまった。
これで、少なくとも他の東南アジア諸国は、うかつにシンガポールと言うこの小島に手を出せなくなった。
教育水準のきわめて高い人間が300万人も、この島に乗っかっている。
つまり、これは、周辺諸国にとって、100年、良く見積もっても50年はシンガポールに追いつけないということなのだ。


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