2010年11月30日
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「坂の上の雲」第2部、第6回「日英同盟」の主役は、やはり広瀬武夫であったと思います。

 原作ではあまり登場することのない広瀬武夫ですが、ドラマでは島田謹二著「ロシアにおける広瀬武夫」を参考にしてメチャクチャ気合が入って描かれています。

 考えてみれば、正岡子規とか秋山真之とか言っても全国的には知名度が低くて、軍神となった広瀬に敵うわけもなく、広瀬を描く方が視聴率を稼げるのかもしれません。


 1901年(明治34年)の秋、広瀬はついに帰国命令を受けます。

 サンクトペテルブルク(ロシア帝国の首都)のアパートメントで物思いにふける広瀬は、さすがに憂鬱そうです。

 アリアズナとの思い出が広瀬をさらに憂鬱にさせるのでしょう。


 何時のことだったのか、2人は夜明け前の湖畔にたたずんでいます。

 アリアズナに好意をよせるロシア海軍士官のボリスが猟銃を持って遠くから2人を見つめいています。

 朝食を用意しているメイドは何か嫌な予感がしたのでしょう。

 ボリスに声をかけますが、ボリスは上の空です。


 極寒の湖の水平線すれすれに黒い雲が流れて行き、その合間に朝日が浮かび上がります。

 アリアズナはボートの桟橋を歩き始め、アリアズナの手を取った広瀬は湖水の中を歩いていきます。

 こんなに美しい目をみはるような情景は、そうそう観れるものではありません。


 『力が強いだけでなく心が優しい

 それが日本の武人の理想です

 君がよく使うロシア語で言えばグマナスティという言葉』

 『グマナスティは人が人を思いやる優しい心』

 『いつか必ず私と君の国はそれでつながる』

 『切にそう祈ります』


 そして、静かな湖畔に一発の銃声が響きわたり、水鳥がざわめき飛びたったのです。

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最終更新日  2010年12月01日 00時19分51秒
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