マックス爺のエッセイ風日記

マックス爺のエッセイ風日記

2007.06.07
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 東京国立博物館東洋館の軒先にあった石棺が気になっている。明治期に破壊された一塚古墳から出土したものであることは分かったが、何故あんな所に「放置」されていたのだろう。答えは簡単。あの博物館にとっては、あまり重要な展示物じゃないからだ。限られたスペースの収蔵庫に入れるのさえ勿体無い石棺とは何だか哀れだ。

 ざっと見たところ材質は軟らかそうで、凝灰岩で出来てるような感じだった。2方向に「取っ手」がついていたので、「長持ち型石棺」と言う形式のものだと思う。確かに細工は丁寧ではなかった。仙台平野に進出した豪族の片割れの墓だろう。ある資料を作る必要があって「図説宮城県の歴史」河出書房新社1988刊を見ていたら、古墳の名前は「長町一塚古墳」となっていた。また近くにあった二塚古墳は「長町二塚古墳」で、私の推察どおり前方後円墳であることがわかった。

 権威ある国立の博物館があんな場所に石棺を「野ざらし」にするなんて、私にはとても信じられない。博物館にとっては学問的な価値が低い展示物の一つかも知れないが、あれは紛れも無く私達東北人の先祖の一人が眠っていた文化遺産だ。もっと丁寧に扱って欲しいし、出来れば仙台市博物館からでも返還願いを出して欲しいほどだ。墓は永遠に眠るための「施設」で、興味から暴かれる性質のものであってはならない。

 「東京喜多マラソン」でも気になることがある。ゴール後にくれたリンゴとバナナとポカリスエットだ。あれを呉れるくらいなら、レースの最中にエードとして出して欲しかった。炎天下で走るランナーにとって、どれだけエネルギーになったか分からない。エントリー代金は5千円で水しか出ない大会は珍しい。私は要項を取り寄せた時に、余ったお金はラジオ体操連盟の活動資金になるのだろうと思ったくらいだ。

 会長の挨拶の話だと、あの河川敷で大会を開くには国土交通省の許可が必要らしい。ゴミ収集車を河川敷に入れるのは許可されないと話していたが、同じあの河川敷を利用した「谷川真理ハーフマラソン」が好評なのは、運営やエードがしっかりしていることも原因だろう。他のレースで出来たことが、高いエントリー料の大会で出来ない理由はない。

 朝はスタッフの人が大勢いた。だがレースが始まると、いつの間にか給水係の人しかいなくなった。たった1人炎天下で選手達への給水作業を黙々と続けるスタッフも気の毒だと感じた。ゴミが散らばるのを恐れるのであれば、江北橋下の本部前1か所だけでもリンゴやバナナやスポーツドリンクを出せるのではないだろうか。

 帰路大宮に向かう車中から、旧岩渕水門が一瞬だが見えた。私は今日あそこを走ったのだと懐かしかった。これからも東京へ向かうバスの中から、荒川の河川敷を見ることがあるかも知れない。きっとその時は「東京喜多マラソン」のことを思い出すと思う。だが、私がこのマラソンへ出ることはもうないだろう。たった1回だけ走った暑いレースよ、永遠にさようなら。





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Last updated  2007.06.07 18:39:31
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