マックス爺のエッセイ風日記

マックス爺のエッセイ風日記

2007.07.05
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 雨が降り続いている。もうどれくらい降っただろう。今朝第1現場の屋上に登ると、石油貯蔵タンクの下にかなりの水が溜まっていた。そして水路にはアヤメのような草が生えていた。僅かに溜まった土の上で奇跡的に芽を出した植物。何故こんな所に生えたのだろう。可哀相だが引っこ抜いた。私の仕事柄そのまま見過ごすわけには行かないのだ。

 1階の吹き抜けには7mほどの樹が植えられている。どんな季節でも緑の葉をいっぱいつけている美しい樹だ。根元には潅水装置があって、2、3日に一度自動的に水が撒かれる。この樹は春になると葉が落ちる。遅番の同僚は春に葉が落ちるのはおかしいと思ってるようだ。確かに秋に落葉するのが一般的だが、ユズリハとかクスのように春になって次の葉が芽吹くと、古い葉が落ちる樹もあるのだ。ユズリハは名前の通り次の葉に世代を譲り、「楠落葉」は春の季語になっている。

 6月の末に株主総会があった。その時に上層部の人事案件も承認されたのだろうが、7月に入ってからビルの偉い人2人の顔が見えない。黒塗りの車で送られて来る偉い人の表情が厳しくなった。そして黒塗りの車も1台減った。屋外の喫煙所で煙草を吸っていた女性も来なくなった。総合職の人と思われたが、彼女の会社では以前時ならぬ時に採用面接をしていたので、あれは彼女が辞めた後を補充するものだったのかも知れない。

 もっとも、あるフロアにある会社ではしょっちゅう顔ぶれが変る。電子機器を販売する会社のようだが、若者が短期間にしかも大量に入れ替わる。それだけノルマが厳しいのかも知れない。何時ぞやは隣の会社から壁越しに気勢を上げる声が煩いので注意して欲しいとクレームがあったくらいだ。喫煙所の椅子を乱暴に扱って私に注意された若者もとっくに辞めた。朝出会っても挨拶もしない若者達。彼らも日々の営業に苦しんでるのだろうけど。

 管理会社の若い職員が最近良く居眠りする。兄貴分の責任者の方が居眠りが得意だったのだが、親会社から離れた現場なので油断しているのだろう。吸い始めた煙草は私が注意したら止めたが、今度は朝から居眠りだ。警備を担当する私達の士気にも良くないし、突然来訪者があった時などとても困っている。話題も合わない、自分の子供よりも若い監督者を、つい昔の癖が出て、管理職の目で見てしまう。

 現場にほど近い街中の本屋が先月末に廃業した。帰り道に寄って「ランナーズ」などを買っていた本屋で、県内では郷土史を発行する貴重な存在だった。今、漫画とか週刊誌とか「軽い」ものしか売れず、学術書の売れ行きはさっぱりとか。資本力のない小さな書店は、そんな時代の波をもろに被ったのだろう。どんな郷土史が残っていたのか、閉店する前に確かめなかったのがとても残念だ。





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Last updated  2007.07.05 15:41:02
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