マックス爺のエッセイ風日記

マックス爺のエッセイ風日記

2007.09.02
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<フィナーレの時> 

 懇親会は8時から食堂で始まり、私達のテーブルには雲峰さんやクニさんも集まった。今回クニさんは不調で伴走はせず、途中リタイヤされた由。それにしてもあんな厳しい登山道を、盲人ランナーも伴走の方も良く登られ完走されたのは奇跡に近いと思う。H多夫人はコースの途中でフラフラし出し、リタイヤされたとか。それにM仙人共々、腕時計の電池が切れたそうだ。レース当日に仲間の2人が同時に電池が切れるとは、何という偶然の確率だろう。

 私はE子ちゃんを探して食堂の中をほっつき歩いた。だが何度見回しても見つからない。走ってる姿は知ってるが、しっかり顔が確認できた訳ではなかった。さて、トップ到着で紹介された選手はまだ若いランナーだった。第10回記念大会の副賞として、カリマンタン(ボルネオ)島キナバル登山マラソンへ2名の招待が決まった。確か東南アジア最高峰で4千mクラスの山だったと思う。

 疲れと酔いで雷鳥荘の1階をフラフラ歩いていた時E子ちゃん発見。仲間の男女8名と同室とのこと。私がゴール出来たのは、彼女のペースが参考になったのに加え、最後まで走ろうとした姿を目にしたからだ。お礼の積りで握手しようとしたら、彼女の両手は生憎懇親会の余った「つまみ」で塞がっていた。仕方なく彼女の手に軽く触れたのだが、果たして私の気持が正しく伝わったかどうか。(笑)

 深夜2時、K合さんが静かに部屋から出て行った。そのまま何時まで経っても帰って来ない。てっきり雄山からのご来光を観に行ったのかと思い、すっかり眠気が醒めてしまった。彼が戻ったのは2時間後。照明を消し、温泉の中から夜空の星を眺めていた由。とても星がきれいで流星が4つも見えたと嬉々として語る彼。それを聞いてM仙人とD口さんも未明の温泉に入りに行った。

 その間私はK合さんと様々な話をした。山の話、古い道の話、宗教の話、アイヌや沖縄の話、歴史の話など話題は尽きなかった。K合さんと話すのは今回が初めてだったが、とてもユニークな視点を持った人だと言うことが直ぐに分かった。

 夜が明け、私は建物の外へ出た。雲峰さんは既に散歩をされていた。リンドウ池から血の池方面まで歩く。眼前には雄山の雄姿。昨日レースで登った時はずいぶん急峻に感じたのだが、正面から見ると稜線が緩く見えるのは何故だろう。初めて妻とここへ来た時、ミクリが池越しに望む山々にはとても感激したものだ。あの素晴らしい光景を、今回はランナーとして眺めることの不思議さを思う。

 バスで室堂を立つ時、車窓からスタッフの人が掲げるボードが見えた。そこには「第10回記念大会の感激をありがとう」と書かれていた。「ありがとう」と言うのは私達ランナーの方だ。私は急にウルウルし、危うく涙が流れるところだった。厳しくもかつ素晴らしい体験をした今回のレース。63歳の私には一抹の不安もあったが、やはり挑戦して良かったと思う。

 驚いたことにM仙人は金沢に1泊し、翌日は白山登山に挑戦される由。腰を痛めながらの登山行には頭が下がる。D口さんは金沢へ、K合さんは富山空港へ向かい、私とH多夫人は富山からほくほく線経由で越後湯沢へ向かった。2時間の旅の途中に、私達は夢中で色んなことを話した。65kmで3003mを駆け登る「立山登山マラニック」は、どうやら私の脳裏に強いインパクトを与えたようだ。<完>





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Last updated  2007.09.02 11:24:32
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