マックス爺のエッセイ風日記

マックス爺のエッセイ風日記

2009.10.15
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カテゴリ: 健康
警備員をしている第1現場のビルに、笑顔の素敵なヤングミセスがいる。警備員の爺さんには挨拶などしない人が多い中で、とても爽やかで感じの良い美人だ。その彼女が足を引きずりながら歩くのに気づいたのは今年の春先。そのうち姿が見えなくなったと思ったら、1ヵ月後に義足をして出勤して来た。

タクシーで出社することが多いが、稀にご主人が送って来ることもある。同じ会社の運転手さんに話を聞いたら、膝関節の内膜に出来た腫瘍を切除する手術を受け、痛む膝に直接重力がかからない特殊な義足を履いてるのだとか。「頑張ってますね」とたまに声を掛けるのだが、最近笑顔が少なくなったのが気がかりだ。

その彼女の病気を教えてくれた運転手さんの姿が見えなくなって2週間過ぎた。話によれば、勤務中に救急車で病院に運ばれ、緊急手術を受けたとか。病名は心筋梗塞。かつてはボーリングの選手として国体へも出場したほどのアスリート。だが、第2の職場では社長付きの運転手になって気苦労が絶えなかったようだ。

「今朝は社長が全然話に乗ってくれないんですよ」と、良く愚痴をこぼしていた彼は、医者からタバコを止めるよう勧告されてもいた。1ヶ月ほど病休するようだが、それを聞いた出入りの個人タクシー運転手が曰く。「これはチャンス。もっと仕事が増えないかなあ」。仙台は人口に比べてタクシー台数が日本一多い都市。まんざら冗談でもなさそうな口ぶり。世間とは全く厳しいものだ。

清掃夫を務めている第2現場には、30歳代の女性がいる。休憩時間になると黙って携帯の画面を眺めながら袋菓子をパクパク、1リットル入りのジュースを直接紙パックからゴクゴク。体重は90kgはあるだろうか。あまりにも太り過ぎてしゃがめないため、彼女が出来る仕事の内容はごく限られている。

仲間との会話は出来ても、挨拶は出来ない。彼女は知的障害者としての雇用で、市から補助金が出ているため不都合があっても辞めさせられない由。他人と上手にコミニケーションが取れないため常にいらいらして、人が見てない所では電気掃除機を蹴飛ばして困ると責任者が話す。

最近ここに60代の女性が手伝いに来ている。彼女が以前社内広報誌に書いた文章を読んで驚いた。まさに非の打ち所の無い完璧な文章。やはり私の予想通り、大学卒とのこと。だが、採用後の2年間で4度目の配置換えとはどうしたことだろうと疑問も。最近になって、ようやくその謎が解けた。とにかく話好き。それも仲間に話題を合わせるのではなく、自分の人生観や自慢話が多い。

亡くなった「ご主人」とは不倫同士だったこと。退職金を3千万円以上もらったこと。マンションは2千万円を即金で支払ったこと。ベランダだけで35坪あること等々。彼女が女性職員達に話したことが、全て私にも伝わって来る。話したことが第3者に漏れるなんて、彼女はきっと考えたことがないのだろう。

ベランダだけで35坪のマンションが仙台のどこあるの? もしあったとしても2千万円で買えるの? 35坪って、1戸分の広さだよ!! 彼女の欠点は誰にでも見境なしに自分の話を吹聴することのようだ。管理会社からクレームが来たと言うのも何となく分かりそうな気がする。

私が直接聞いたのは趣味が乗馬であること、祖父が名誉町民だったこと、そして1年間で地球1周分歩いたことなどだ。全国の地理に明るいのは、勤めていた東京の会社でしょっちゅう出張に行ったからだとか。なるほどねえ。でも、1年間で地球を1周するには、1日平均110km近く歩かないと無理。「俺は35年間も走って、まだ地球1周半だよ」と答えたら、彼女は黙ってしまった。

話好きなのは良い。自慢話もたまには許せる。だが、それが単なる「眉唾」だとしたら一体どうなるか。人は話好きと言うより、いつか嘘つきと評価するのではないだろうか。完璧な文章を書く高学歴の女性清掃員。彼女の心に果たしてどんな闇が潜むのか、興味を持って観察中の私だ。





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Last updated  2009.10.15 19:39:27
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