マックス爺のエッセイ風日記

マックス爺のエッセイ風日記

2011.03.23
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○3月17日(木)<震災7日目ー2>

 勤務後、一番町の裏通りに行く。ここでは何か食べられると聞いたからだ。今日はまず腹ごしらえをし、米屋の行列に並ぶ積りだ。なるほど幾つかの店が開いていた。電気と水が復活したのは分かるが、燃料はプロパンガスなのだろうか。小さなお握りが2個で200円。店内でしか食べられない所、お持ち帰りが可能な所など様々。

 私が入った店は焼きそばとトン汁のセットで400円。それでは量的に足らないため、別の店からお握りを買ってきて食べた。少量のキムチがついていた。かなりかかってトン汁。次いで焼きそばが目の前に。どちらも良心的な内容で、今この値段なら直ぐに売れ切れてしまうだろう。近所のオフィス街からどっとサラリーマンが押し寄せ、狭い店内に活気があふれる。

 帰宅がてら寄った米屋は、残念ながら既に本日分は売り切れ。明日も売る予定だが土曜日は不明とか。毎日一定量しか売らないため、どうしても欲しい人は6時頃から並ぶ。まあ仕事をしてない人しか無理かも知れない。諦めて帰る途中、近所に卵屋さんがあることに気づき、ついでに訪ねることにした。卵は妻も欲しがっていたからだ。

 販売機には無かったが、裏の建物に行列。ちょうど良いタイミングで売り出し始めたばかり。少しだけ待って10個入りの袋を2個買えた。値段は400円だから安いもの。ただし餌が不足しているので、いつまで鶏が卵を産むか分からない由。ともかく貴重な卵をゲットして意気揚々と帰る。あっと言う間に長くなった行列。あの分では買えない人が出るはず。激しい生存競争だ。

 妻の昼食はお好み焼きだった由。粉もあったし熱源としてホットプレートが使える。昼寝を1時間したら少し体が楽になった。隣町の集会所で20リットルの水をもらって帰宅する途中、同じ路地の人がここでも水が出てることを教えてくれた。その家ではかなり前から出ていた由。ええっ?と驚く。ようやく町内会の役員が連絡に来たのは、かなり後になってから。

 水圧の関係で屋外の水道が出ると聞き直ぐに試す。確かに出るがまだ濁りがある。家の中でも出たが、まだ僅かなものだった。それでも我が家にとっては朗報。あれほど苦しんだ水の運搬が無くなればかなり楽になるからだ。最悪の場合、トイレ用の水は近所の川から汲もうと思ったほど。

 夕方の散歩時に歯医者に寄り、診察の予約をした。やはり痛みに耐えられなくなっていたのだ。後で家に電話をくれるとのこと。外水道でバケツに2杯汲み、風呂を掃除して水を出した。最初はきれいに見えた水が、増えるにつれて底に茶色い下り物。長い間使用してなかったため、水道管の鉄錆が出たのだろう。ガッカリしてそのまま放置。2階のトイレは落差の関係で全く問題外だった。

 歯医者に行く際に卵を持参した。驚く奥様とスタッフ達。こんな貴重品をどうやって入手出来たのか不思議だったようだ。先生の診察では、インプラント部分の下2か所に炎症がある由。口内の歯周ポケットに薬を注入し、抗生物質の処方を受ける。

 この日安否確認の電話をいただいたのは、愛媛時代の部下だったA馬さん、愛媛の走友のIスポーツ店主。筑波時代の麻雀仲間のT村さん、K間さん。徳島時代の知人Y田さん。こうやってわざわざ心配してもらえるのは有難いことだ。

 夜、市内の温泉の営業開始のニュースを観た。ただし燃料が無くなった時点で再び閉鎖されるとのこと。福島原発2号機への注水開始のニュースも注目だ。夜遅く歯医者の奥様から、久しぶりに食べた「卵かけご飯」がとても美味しかったと感謝の電話。卵かけご飯が大変なご馳走とは、まるで戦後の風景そのものではないか。





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Last updated  2011.03.23 03:29:40
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