マックス爺のエッセイ風日記

マックス爺のエッセイ風日記

2011.05.04
XML
カテゴリ: カテゴリ未分類
 電車の中で 

 ホームに行くと山形方面から新幹線がやって来た。だが乗客が乗り込んでからも発車しない。不思議に思っていたが、奥羽本線は単線のため、上りの列車が来るまで待ち合わせしていることに気づいた。新幹線の方が普通列車を待ってるなんて、都会ではあり得ない話。やって来た山形行きの電車に乗り「優先席」に座る。

 そして周囲の人が居眠りしているうちにTシャツを脱いで着替え。靴下を脱ぐと足が埃で汚れていたが、そのまま新しい靴下を履く。目が覚めた周囲の人が、私の服装が全く変わったことに気づいて驚いていた。隣のお婆さんに、「仙台から関山トンネルを通って62km走って来た」と教えると、ビックリした顔。

 彼女は高校野球の応援を続けているそうだ。「今回の震災で春の東北大会が中止になったけど、宮城では高校野球が出来ないの?」と尋ねる。「海沿いでの被害が酷くて、どこの高校も練習どころじゃないと思うよ」と私。それにしても75歳で野球の応援を続けるお婆さんは凄い元気。今日も遥々他の市まで応援に行くそうだ。

 山形駅に着きビールとつまみを購入。本来は改札口を出られないそうだが、何せホームに売店が無いのだ。仙台行きの快速電車は15時42分の発車。座席に落ち着いて悠々とビールを飲み始める。動き出した列車の中で北山形と羽前千歳駅がダブっていたことに気づいた。本来は山形まで行かずに、羽前千歳駅で仙山線に乗り換えるべきだったのだ。道理で山形駅の改札係が良い顔をしなかった訳だ。

 山寺駅に着く頃には雨が上がった。駅の真ん前が芭蕉の句で有名な立石寺。大きな岩山の所々に桜の木が見える。芭蕉にはとても及ばないが、ここでも一句


     雨止みて 桜燦々 立石寺      *さんさん


 苦労して越えた県境のトンネルを、いとも簡単に通り抜ける電車。やがて雪の残る谷間を過ぎて作並駅へ。渓流釣りをしたのか長靴姿で乗り込む釣り人。この時、突然視野が白っぽく。きっと10時間24分もの間走った疲労が出たのだろう。往路に通った熊ケ根橋の橋脚が赤い。道路は雨で濡れ、田圃ではトラクターが忙しく働いていた。そろそろ田植えの準備だろうか。


     芽吹く葉を 包みて優し春の雨

     田起こしや 春雨止みて寺の鐘


 北山駅を過ぎて間もなく、右手に霊園が見える。その中から我が家の墓を素早く見つけた。震災直後でもあり墓参りに行けなかった春の彼岸。そのうち落ち着いたら父母の墓前で色々報告したいと思う。仙台駅に着くと、Kスタ帰りの観客がゾロゾロ歩いている。楽天が勝ったか尋ねると3-1での勝利だった由。貯金3つの、とても嬉しい白星だった。

 こうして今年の峠越え第1弾は無事終わった。掛かった経費は全部で2968円。これで1日遊び、かつトレーニングも出来るのだから安いもの。第2弾は明日の「こどもの日」に実行予定。行き先は「南の方」とだけ書いておこう。<完>





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2011.05.04 09:45:03
コメント(6) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR


© Rakuten Group, Inc.
Create a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: