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マックス爺のエッセイ風日記
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2011.09.19
虚構と真実(1)
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歴史小説と真実味
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あれほど寝苦しかったのが、朝になったら急に涼しくなっていた。この急激な温度変化は何なのだろう。楽天は昨日も破れた。最近の6試合中、4試合がサヨナラ負けと言う事実を、ファンはどう捉えるべきか。星野監督の来季継続が三木谷オーナーから確約されて以来、楽天はほとんど勝っていない。そして大リーグのスカウトが日本の球場に現れて以来、岩隈が勝てなくなったのは何故?
昨夕は「テンペスト」の最終回を観た。原作者の池上永一氏は沖縄生まれの小説家で、本名は又吉真也と言うらしい。ドラマの元になった小説は雑誌「野性時代」に掲載され、かなり人気の高い作品とのこと。私がテレビ化されたドラマを観始めたのは、第3回くらいだと思うが、その不自然なストーリーには当初から疑問を感じていた。
もちろん小説だから何を書いても自由だが、歴史を扱うとなれば嘘の連続でも困るのだ。特にNHKが取り上げると影響が大きい。つまり沖縄の歴史を知らない人が観ると、あれが真実だと思われるのが怖い。20年以上も前の大河ドラマ「琉球の風」もかなりインチキな話だったし、ストーリーが面白いだけで取り上げるのは、歴史観を歪めることにつながると思うのだが。
以下、私が変だと感じた点を列挙したい。1)琉球王朝には宦官がいないはず。2)第1琉球王朝の子孫が王朝を奪回すると言う話がおかしい。第1王朝(1406年~1469年)は7代で滅び、一種のクーデターで第2王朝(1470年~1879年)が誕生した。テンペストの舞台は幕末から明治なので、第1王朝が滅んで400年近く経っての再興はあり得ない話。
3)第1王朝の子孫が中国に渡り、その子孫がかなり後に琉球に戻るなど無理。4)中国の宦官として孫姓を名乗ること、琉球王朝に仕えることはあり得ない。琉球王国では中国姓を名乗るのは使節として中国に渡るか、中国からの使者を迎える時だけ。5)もし第1王朝の子孫ならば、姓は「仲井真」(なかいま)になるはず。これは中山(ちゅうざん)王の「なかやま」から変化したもので、一族の墓所は旧玉城村仲井真集落にある。
6)主人公が宦官(男)になったり、側室(女)になって御内原(大奥のような所)に入るなどあり得ない。7)琉球では貴族や武士は必ず「名乗り頭」を持つが、父の名乗り頭が「嗣」で、その子が「寧」はあり得ない話。これが貴族の場合は「朝」で、日本の古代の職制である「朝臣」に由来するとか。つまり沖縄では一族の男は名前の最初の一字が同じ漢字になるのが約束事で、今でもかなり守られている。
8)琉球王朝時代の高官には必ず知行地の地名が姓になるとのルールがあり、従って「孫親方」はあり得ない。9)国王の姉である聞得大君(きこえおおぎみ=宗教界の最高権力者)が尾類(じゅり=女郎)となることはあり得ない。10)主人公が幼少時代に、当時琉球で布教していたベッテルハイムから13ヶ国語を習ったとされるが、彼は8年間の滞在中はほとんど監視体制下にあったため、まだ子供だった主人公が短期間で十以上の外国語を学ぶのはあり得ない話。11)また琉球王と薩摩藩の武士の双方を愛するなど到底無理。
琉球大学の高良倉吉教授の名前が「時代考証」担当として上げられていたが、これは「琉球の風」でも同様だ。権威者の名前を借りればそれで「良し」とするのか。高良教授は「琉球史」をダイナミックに捉える人ではあるが、沖縄の歴史観を歪めかねないドラマの片棒を担ぐのはいかがなものだろう。それともフィクションにまでとやかく言う私が間違いで、「漫画」と理解すれば良いのか。
<続く>
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Last updated 2011.09.19 11:08:56
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